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今日は、まずAさんの認知について考えていきます。その中から、定型の認知パターンや特性、またそれに対する発達障害の認知パターンから、細部へのこだわり(とらわれ)が起こる原因について、考えてみます。



(この記事は、こちらを筆頭 とする連載ものです。)

【Aさんのご回答】

クリスマスにプレゼントをもらって、親に見せながら喜んでいる女の子。



所要時間:5秒程度



Aさんは定型発達ですが、今回の回答を数秒で行っており、効率よく認知し、判断し、材料を関連付け、想像力も活かして、結論を導いておられるようです。


どういう風に絵を見ていかれたのか、ご本人に聞き取りをしてみました。


「あまり意識もしていないし、覚えていないけど、

 思い出しながら話してみます。

 【A】まず、絵の中央の女の子が目に入りました。

   左手を掲げながら、何かをアピールしているのがわかりました。

 【B】次に、赤い靴下が沢山あるのに気づいて、クリスマスを直感。

   中央に、クリスマスリースがあるのをみて、確信。

 【C】次に目に付いたのは、女の子の足元の品々。

   左に緑色の紙袋があるところから、

   袋からプレゼントを次々と出し、

   その中からお気に入りを誰かに見せていると思いました。

 【D】次に、女の子が興奮している表情が目に入り、

   視線の先に誰が居るのだろうと思いました。

   絵の右端にパジャマの模様らしきものが見え、

   パパかママだろうなぁと思いました。

 【E】また、女の子の服装もパジャマな事から、

   これはクリスマスの朝の光景だなぁと想像しました。

 【F】(ボク:雪だるまやお菓子などは、目に入りませんでしたか?)

   途中はあまり、気にかからなかったですね。

   そう言えば、一通り見回した最後に、

   ようやく目に入り、それが冬を指す事で、

   【E】までの推理を確信しましたね。

・・・・・・・・・ということでした。


普段、定型発達なら何も意識せず認知していますから、こうしたことは気にもしていないでしょうが、1枚の絵を素早く判断するにはこうしたプロセスがあるのだろうと思います。


簡単に整理すると。

『①絵の中心要素を見つける』

『②周囲を素早く精査する』

『③ひとつのものにとらわれず、どんどん見ていく』

『④パーツの関連性を想像する』

『⑤そこに人物が居る場合は、表情・身振り手振りなどから、感情を想像する』

『⑥映っていないものまでも想像し、絵のストーリーを組み立てていく』

『⑦推理完成』

『⑧再度、周囲を見回し、推理の裏づけを取る』

『⑨確信して、回答』

・・・・・となるのだろうと思います。


こうしたことを瞬時に行うのに重要な役割を果たす認知能力を「概念化」(発達障害の子どもたち (講談社現代新書) より)というそうです。


kh-net 旧HP管理人のつぶやき-コップ

画像提供:http://tom.daa.jp/material/


一言で見るといっても、たとえばコップを見る場合、発達障害の方にありがちなのが、表面にある傷が気になってしまったり、取っ手の形状に意識がとどまってしまったり、表面のツルツル感にとらわれてしまう事が多いようです。


しかし、定型発達ではこのような事は起こらず、そうした細部も見てはいるけれども、それが「コップ」であると認知した瞬間に意識から外れて、周囲の次のものを精査し始めるそうです。この瞬時判断を「概念化」と言うのだそうです。この作用こそが、定型発達の認知スピードを生んでいると思われます。




一方、発達障害の場合は

細部に「とらわれて」しまう為、時間がかかるものと思われます。


発達障害の方の場合は、下手をすると、とわれたまま認知が終わってしまい、次のものへの精査が始まらなかったり(上記の②③が起こらない)、想像性の障害のところで、パーツ間の関連性に思考が行き難いのだと思います。息子を見ていると、「見えているけど、見えていない。意識に映っていない」と感じることがあります。これが「認知のゆがみ」のひとつの原因なのだろうと想像します。


しかし、こうしたことは一生改善されないかと言うと、決してそうではないようです。また、ボクは、このことをもって定型発達の認知が一方的に優れているとか、発達障害の方の認知が劣っているのみだとは思っていません。この認知特性を活かして、特技にすることが可能なケースもあるからです。


このあたりについては、また後でお話したいと思います。


今回は、定型の認知パターンについて振り返ってみました。回答結果だけを見ると、「なんだ、そんなことか。あたりまえの答えだね」となるところですが、そのプロセスを掘り下げるところで、次の話題につなげていきたいと思っています。



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発達障害の子どもたち (講談社現代新書)


この本は、ぼくが発達障害の勉強を始めたころに、出合った本です。

既に数冊読んだ後でしたが、

この本で、ようやく発達障害と言うのがどんなものなのか、

ようやく実感できた気がしました。

何冊か読んでみたけど、どうも発達障害ってわからない・・・

と言う人にはおすすめです。








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