友人が出来ない悩みを抱える当事者さんの記事を続けてきました。
その方々に、共通点を感じると書きました。
 ・他人の行動への感受性の乏しさ
 ・脳内の処理処理スピードの問題
 ・自分の感情を即座に気づけないという困難
いずれも、基礎的な認知の問題や、
本人の意識づけの問題がからんでいます。

これらには、自閉的な認知や気質が大きく関係しています。
現在、自閉症には治療薬はないし、
では、こうした傾向は直ることはないのか・・・ですが、
実際、認知の困難は成長と共に徐々に経験していきますし、
本人の意識づけも、その成長に比例して、
自ら気づいて、人との関わりを求めていく方を、
僕はたくさん見てきています。

あるいは、ある成人当事者さんは今現在の姿を見る限り、
世間話もこなせるし、状況判断力もある程度はあって、
社会性もある程度のことがこなせる当事者さんがいらっしゃいます。

その彼らに、お話をよくよく聞いていくと、
幼児期や幼少期には、前述の特性を抱えていて、
友達づきあいもうまくいかなかったという方が、
実際いらっしゃるのです。

ある方は、保育園に入ったころ、全く適応できず、
部屋の隅で本ばかり読んでいたといいます。
この頃のことを思い出して、彼女は、
「私の周りにいるクラスメイトは、
 当時の私にとって、怪獣の群れにしか思えていませんでした。
 自分とは違う何者かが、ただひたすら騒がしく、
 どこか自分と違う生き物がいるようにしか思えていなかった」
と語ってくれました。

本人の名誉のために、現在のこの方は、
非常に表情豊かで、会話も弾んでおられます。
僕もこのセリフを聞いたとき、
こんな人でも、かつてはそんな感覚を
抱えていたことがあるんだと、
自閉症の世界の不思議さを痛感したものでした。

性格として決して冷淡なわけではなく、
気質としてプラスティックな感じでもないのです。
きっとこのころの彼女は、まだ周囲を受け止められるほど、
他人の行動への感受性が育っておらず、
こころの共感やシンクロどころではなかったのだと、
僕は想像しています。

「どこか自分とは違う生物が周囲にいる」という感覚は、
彼女の偽らざる思いだったでしょうし、
そんな風に周囲を見ていた人が、
今はもう、素敵な娘さんに育っておられるのです。

今、中々友達をつくれないお子さんを抱えてらしゃるお母さんは、
きっとやきもきした気持ちを抱えてらっしゃることでしょう。
実は、僕もその一人なのかもしれません。

うちの二男は、とっても自閉の強いところがあるので、
楽しい気分の時に、周囲にその思いの共感を求めるのではなく、
ただ、自分の楽しさを爆発させるばかりだったりします。
なので、周りの子たちにしてみれば、
きっと相当な不思議ちゃんと映っているのでしょう。

でも僕は、こうした成人当事者さんたちのお話を
たくさん聞かせていただいた結果でしょうか、
「まぁ、今はしょうがないよ」
「しばらくすれば、あの子にも、だんだん出来ることが増えるはず」
という思いで、見つめていられるところがあります。

認知の問題が原因にあるだけに、
今の彼に、ほかの子と同じ交友を望めば、
きっと子供の方が苦しむことになります。

実際、成人当事者さんから、これまたよくお聞きするのは
「親に、『もっと友達をつくりなさい』
 『友達と、遊んできなさい』
 と言われたのが、すごく嫌だった」
というセリフです。

「やりたくでも、出来ないのに、
 そんな風に言われても、どうしたらいいのかわからない」
そんな彼らの本音を僕は教わった分、
今、息子に、自分までが負荷はかけたくないと、
そう思えているのです。
いつかは、成長できるのですから。

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