【日本ブログ村】クリック励みになります!

これまで、中々友達をつくれない発達障害児に、
まだ認知の成長が遅れていて、
対人関係をうまくやるには、
脳内の処理が追いつかないというところを、
連載記事にしてきました。

今日は、そうした成長が進むまで、
子供たちがうまく友達をつくれなくとも、
親御さんは、少しでも余裕をもって
お子さんを見ていただけたらなぁというエピソードをお話します。

まずは、あるお母さんがお話し下さったエピソードです。

そのお母さんは、お子さんが一向に
友達をつくれないのをとても心配なさっていました。
小学校も高学年になってきたのに、
お子さんがいつも一人で遊んでいたからです。

何とかできないかと、そのお母さんは、
近所の子供を家に招き入れて、面倒も見ながら、
我が子と遊んでもらおうと努力されたそうです。
中々できることではないと、
僕も感心してお話を聞いていました。

ところが、実際どんな様子で遊ぶかというと、
我が子は部屋の隅で一人で本を読むだけです。
他の子たちは一緒になって遊んでいますが、
我が子だけが蚊帳の外です。

こんなに努力をしているのにと、
お母さんががっかりしていると、
みんなが帰った後でお子さんはこうつぶやいたそうです。
「あぁ・・・・今日は楽しかった!」と。
何が楽しかったの?と問うと、
「みんなと遊べて楽しかったぁ」
と満面の笑みでお子さんは答えたそうです。

お母さんは、このことを、
他の子を招くなんて、世話もかかるし大変なことなのに、
そこまで努力しても、
我が子が蚊帳の外なのを見せつけられただけで、
自分は悲しかった。
それを、「楽しかった」と言われて、
ますます悲しくなった・・・とお話になりました。

この話題は、こころぴあビレッジの
「発達障害を共に考える会」で話されたものです。
発言者に許可をもらって記事にさせていただいております。
それで、この話を複数の成人当事者さんが聴いていました。

すると彼らは口々に、こう言ったのです。
「それは、お母さん、お子さんは本当に楽しかったんですよ。」
「お母さん、お子さんのために、良いことをされましたね。」
「お子さんは、お母さんに見守られながら、
 ほかの子たちと一緒に入れて、
 本当に楽しかったんですよ。
 私はその気持ちがよく判ります」と。

どういうことかというと、
彼らも幼い頃に、友達と遊びたくても、
どうして仲良くしたらいいのか、
判らずに困っていたというのです。
そしてそんな彼らにも、
何かのきっかけで、今回のように、
みんなが遊んでいるその部屋で、
一緒にいられる経験があって、
それが楽しい思い出として残っているというのです。

きっと、自分には、一緒に遊ぶには
何か出来ないことがあることは自覚出来ていて、
そこを無理をして一緒には遊べないけれど、
でも、みんなが遊んでいる空間に、
その楽しい雰囲気に、一緒にいられるだけで、
十分楽しい気分を味わえたということだと思うのです。

それ以上を求めてしまうと、
自分にはすごく頑張りが必要だったり、
しんどい思いをしてしまうことになるのでしょう。
「だから、一緒にいられるだけで、もう十分!」
というのは、彼らの偽りない実感なのだと、僕は感じました。

そして彼らは口々に言うのです。
「その時は、それだけで十分だし、
 そこを無理に『もっと友達と遊びなさい』
 遠矢に言われたときはすごく悲しかった。」
「それと、その時はそこまでしかできなくても、
 その後だんだんと、少しは、周りの子たちのペースに
 ついていけるようになりました。
 今も、定型発達の人たちと同じとはいかなくても、
 幼い頃を思えば、自分にもできることが随分と増えています。
 そのことは、お伝えしたいと思います。」

そして最後に、
「子供の時代は、無理に友達を作らせようとしなくても、
 自分のことが嫌にさえならずにすめば、
 それで十分じゃないでしょうか」
と誰かが行ったときに、
当事者さんは皆さんうなづいておられました。

昨日の記事で、僕が彼らに教わったという実感。
その一端を今日は記事にさせていただきました。

発達障害の特性を巡っては、
親は必死に勉強していくと思います。
僕もそうでした。
でも知識で分かっても、それだけでは、
判らないことがたくさんあると感じています。
そこを埋める最後のピースは、
当事者さんたちの実感の困った言葉ではないでしょうか。
僕はそれに勝るものはないと、いつも感謝しています。

そんな彼らから頂いたたくさんの言葉があれば、
こんな僕もなんとか息子たちに大きな二次障害を負わせずに、
一緒に暮して行けいるんじゃないかと思うんですよね。

皆さんのクリックがとても励みになります。
いつもありがとうございます!
【日本ブログ村】 1日1クリックぽちっとお願いします!
ブログリンクバナー1 ブログリンクバナー3 ブログリンクバナー2 


発達障害者支1援団体こころぴあビレッジ 行事ご予約はこちらから】
http://cocopv.jpn.org/yoyaku.html

発達障害を共に考える会
高機能広汎性発達障害の当事者・家族・支援者の
いずれもがご参加いただけます。
共に互いの話に耳を傾け、思いを感じ、
理解を深めていくためのワークです。
「テーマ」を定めてスピーチ付きのワークと、
「ノンテーマフリートーク」のグループカウンセリングのみと、
2通りのワークで開催しています。

2014.12.13
(土)ノンテーマフリートークの日
大阪市内にて
定員25名(要予約)
思いを語り、聴き、感じるワーク。
気付きの時間を味わってください!

家族限定グループワーク
高機能広汎性発達障害のご家族(親族含む)が
ご参加いただけるグループカウンセリングです。
日常を離れ、ゆったりと過ごす時間の中で、
同じ境遇を持つ人たちの中で、
悩みを語ったり、思いを話したり、
分からないことを聞いてみたり。
互いの経験を交換し合う中で、
問題を一つ一つほどいていく・・・。
そんなグループを目指して、開催しています。

2014.11.28(金)
大阪市内の貸し会議室で開催
定員10名(要予約)


父親限定グループワーク
お父さんだけに集まっていただいて、
父親だからこそ感じる悩みや思いについて、
語り聴き分かち合うワークです。
2014.12.0(木)19:00~21:20
平日の夜、大阪市内にて、開催しています。
定員8名(要予約)
ショートスピーチ付「負のスパイラルをいかに抜け出すか」
講師:新田かなと