こちらの記事は、続きモノです。
言語化で初めて理解できる発達障害者 非言語でも行動できる定型発達者
言語化で初めて理解できる発達障害者 ～戸惑う言葉かけ「普通にしておけばいいのよ」
言語化で初めて理解できる発達障害者 ~言語化思考は、非概念…
「なぜ、みんなは知らない種でも、それが犬だと判るのだろう？」
これは、ある海外の有名な当事者さんが発した言葉です。
確かに私たちはテレビなどに、
見たことのない種のイヌが登場しても、
大抵それが犬だと判ります。
でも、その方にはそれが不思議なことなのだそうです。
これも一つの非概念思考なのかなと、今日の記事にします。
犬の特徴を、他の動物と区別がつくように説明しなさい、
と問われると、案外困ってしまうかもしれません。
外見的な特徴よりも、
社会性を持っていて、群れで暮らすので、
ボスに忠実に従う習性がある…のような説明をしがちかも。
外見上で、「なぜ新種を見ても、それが犬とわかるのか？」
と問われると、なかなか答えも出てきません。
でも私たちは、写真で見てすら、
大体それが犬であることは判断が付きます。
これもひとつの抽象志向なのかもしれません。
確かに、写真で並べてみると、犬も千差万別です。
これらを見て、なぜ、全部犬だと思うのか？
そう言われると、なかなか言葉では説明が付きません。
この当事者さんは、随分と犬の見分け方を悩まれた末に、
一つの結論を見つけたそうです。
それは、この鼻の形と色なのだそうです。
そういえば、大抵、犬の鼻は黒色で、
二つ穴の真ん中に下向きに溝があります。
猫の鼻も同じようで、ちょっと感じが違うんですよね。
ある意味、言いえて妙かもしれません。
非常に個性的な判断の仕方と感じますが、
ある程度の的を射ているようにも思います。
でも、この方法だと、クマも犬の仲間になってしまうんですよね。
成人当事者さんと社会スキルについて語り合うとき、
彼らはよく「パターン化して対処する」という言葉が出てきます。
この鼻の形での見分け方も、一種のパターン化かもしれません。
彼らの認知機能を使って、定型発達者の判断力に、
少しでも近い見分け方を探すとき、
こうしたやり方で補うのが彼らの方法なのでしょうか。
でも、パターン化には、やはり限界がありますよね。
彼らなりに、色々と工夫してパターンを編み出しても、
やはり定型発達者の柔軟性や概念思考を駆使した判断力と、
同等の行動はとりきれるものではなさそうです。
そこが、学校生活や職場での困りごとに繋がっているように思います。
工夫しても工夫しても、努力しても努力しても、
中々追い付けるものではない。
そんな中でもがき続ける当事者さん達の苦しみは、
中々、想像でわかるものではないのかもしれませんね。
今日は、抽象思考をパターン化で補うやり方について、記事にしてみました。
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