なんか、今回の橋下と藤井聡さんの都構想議論がいろんなところに飛び火しているそうで、なんかわけわからん自治体の市長まで議論に首を突っ込んできました。橋下が、ツイートでURLを貼っていたんで、「どんなことを書いてあるのか?」と思って読んでみたのですが、あまりのバカさ加減に読んでいて頭がクラクラしてきました・・・詳細に検討しても良いのですが、面倒なので一点だけ紹介&解説します。

「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」をマジメに考える

ニュージーランドから帰国してみたら、京都大学教授の藤井聡氏なる人が書いた「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」なるものが盛り上がっていました。
「ヘドロチック」発言ばかり話題になりますが、そもそも「7つの事実」とやらが(僕は“ヘドロチック”のことを知る前に読んだのですが)、正直、どれも「え?」という内容でしたので、以下、順番にコメントしておきます。


【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.

“大阪府の名称は住民投票では変わりませんよ”って話。
・・・これを一番にもってくる時点で、正直、唖然(@_@)としました。
名称なんてどうでもいいのです。それは5年前に「『大阪“都”構想』をどう思う?」で、僕自身が「自治体呼称としてのネーミングはやはり『大阪府』が好みですが」と書いたとおり。中身が大事。
それを「事実1」とか言って最初に大々的に主張されてる時点で、学者さんが書く主張として、あまりにアホらしくてビックリしました。


 ここまでくると、もう、なんというか、議論云々以前に日本語能力の問題です。いいですか?藤井聡さんは、最初のメルマガ記事(『【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実』)において、大阪都構想について賛成も反対もしていません。ただ、単純に、記事タイトル通りに「大阪都構想についての7つの事実」について指摘しているだけです。
「「事実1」とか言って最初に大々的に主張されてる」ことが、「アホらしくてビックリ」した」
というのは、なんの反論にもならないただの誹謗中傷のためのレッテル貼りなんですね(この点について、藤井聡さんも新しいメルマガ記事で書いていました『大阪都構想(3):公権力者の「詭弁」がもたらす「言論封殺」』

 つまり、この7つの事実の記事に反論するには、「これらの事実の指摘が虚偽であること」を証明する必要があります。要は、「大阪都構想を実行しても、大阪府は大阪都にならない」ということが良い事なのか、悪い事なのかということは、全く関係がないし反論にもならない、まして、その事実を指摘することがビックリするほどアホらしいか、アインシュタインに次ぐ天才的指摘であるかなどとはもっと関係がない。つまり、本来なら、事実1については「事実1の指摘については正しい」としか言いようがないわけです。それを、アホだのビックリしただの書いてる時点で、ほとんど小学生レベルの国語能力すら有していないのではないかという疑義があります。

 地方議会のレベルは、国会議員と比較して圧倒的に低いということは噂には聞いていましたが、まさか本当にこれほど酷いとはと、正直驚いています。このレベルの理解力と知性で、論争に挑むというのはほとんど丸腰でシリアに乗り込んで拉致被害者を奪還しに行くくらい無謀だと思うのですが、やはりこれは様々な心理学の実験が証明しているように、「馬鹿ほど、自分の無知と無能力に無自覚である」ということなのでしょう。「馬鹿ほど万能感を抱く」というのは、リフレ派その他が証明してくれた通りです。

 というわけで、今回は最後に、「馬鹿は死ぬまで馬鹿だ!!」ということを説明したオルテガの名文を紹介して終わりにしたいと思います。

 したがって、愚か者と炯眼の士とのあいだに永遠に存在する差異と同じものを、ここに見るのである。炯眼の人は、自分が愚か者とつねに紙一重であることを知って驚く。だから、目前のばかげたことを避けようと努力するし、その努力のなかに知性が存する。それにたいし、愚か者は、自分のことを疑ってみない。自分がきわめて分別があるように思う。ばかが自分の愚かさのなかであぐらをかくあの羨むべき平静さは、ここから生まれるのである。住んでいる穴から外へひきだしようのない昆虫みたいなもので、愚か者をその愚行から解き放ち、しばらくでもその暗闇から出して、いつもの愚かな見方を、もっと鋭い見方と比較してみるように強制する方法はないのである。愚か者は終生そうであって、抜け穴がない。
 だからこそアナトール・フランスは、愚か者は邪悪な人間より始末が悪い、といったのだ。つまり、邪悪な人間はときどき邪悪でなくなるが、愚か者は死ぬまで治らないからだ。






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ASREADに寄稿しました!!今回はマルクス主義左翼と反左翼の対立の帰結についてです⇒経済政策、その間違いの歴史~何故、日本と世界は道を誤ったのか?~