弁護士の明石順平氏に上念司がボロカスに論破されたことが一部界隈で話題になっています。

『【悲報】経済評論家の上念司氏,実質賃金指数を理解していなかった』

 

経済評論家の上念司という人がいる。

この人,「実質賃金が下がるのは大した問題ではない」旨を喧伝し,熱烈に安倍政権を応援する人々の一員なのだが,そもそも前提を理解していなかったことが分かった。

最近話題になっている「実質賃金」とは,正確に言うと,実質賃金指数のこと。(中略)

 

要するに,ここでいう指数というのは,「ある時点の基準数値を100とした数字」のこと。

 

 指数でググると、goo辞書の次ような説明が出てきます。

 

し‐すう【指数】の意味

 

1 ある数・文字の右肩に記して、それを何度掛け合わせるかを示す数字・文字。anのnをいう。

2 統計で、物価・賃金・生産高など同種のものの時間的変動を示す数値。基準となる時点の値を100とし、百分比によって表す。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)

 

 実質賃金指数というのは言うまでもなくこの2の定義になります。

 で、上念センセイのありがたーいツイートを見ると・・・

 

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 基準となる100の数値がどこにも出てきません。一見して意味不明の表ですが、先のブログ記事で細かく解説してあります。一言で言えば、上念センセイは実質賃金指数の意味を全く理解していなかったということ。

 

 それから、もう一つ、エンゲル係数についても・・・

 

『上念司氏のエンゲル係数を巡る発言にツッコミを入れてみる』

 

エンゲル係数について,経済評論家の上念司氏がこんな発言をしている。


上念 司
@smith796000
 エンゲル係数は人工の高齢化で上がる。以上。アベノセイダーズの諸君はよく勉強しなさい。

 

エンゲル係数が急上昇したのは全部高齢化の影響であると理解しているようである。

 

 ココで明石氏は、エンゲル係数の推移のグラフを持ってきます。

 

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統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)

 

上記のとおり,平成27年(2015年)及び平成28年(2016年)にエンゲル係数は凄まじい伸びを示している。

先ほどの総務省のレポートはこの2年間の伸びに関する考察を含んでいない。平成26年までの調査結果をもとにしたレポートだからである。

「高齢化の影響」であるなら,この2年間で急速に高齢化が進んだことになるが,おかしいだろう。

 

 エンゲル係数が急上昇したのは、このグラフでは2014年以降の2年間ですが、当然ながら2年間で高齢化が劇的に進展することはあり得ません。上念氏の説明では、ここ2年間で突然日本人が急激に高齢化したことになりますが、残念ながら2年間ではどんなに頑張っても、頑張らなくても2歳しか歳はとれませんからね、日本国民全員を精神と時の部屋に無理矢理監禁するか、日本人男性全員を無理矢理パイプカットして新生児の出産を制限するか、戦争などが起きて若者が大量に死ぬかでもしない限り、2年間でこのような急激な高齢化は不可能でしょう。私の記憶する限りでは2014年~2016年にそのような出来事はどれも起こらなかったような気がします。

 

 で、「エンゲル係数が急上昇した本当の理由はこっちじゃね?」ということで明石氏が出してきたグラフがコチラ・・・

 

というわけで,ここで食料の価格指数を見てみよう。
 

 

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消費者物価指数 2015年基準消費者物価指数 長期時系列データ 品目別価格指数 全国 年平均 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

 

2014年あたりから唐突に急上昇している。

次に,エンゲル係数と食料価格指数のグラフを重ねてみよう。


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 ありゃ?綺麗にピッタリ一致・・・それもそのはず、だってこの間名目賃金はほぼ横ばいなんだもん・・・

 

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毎月勤労統計調査 平成28年分結果確報|厚生労働省

 

給料はほぼ横ばい。アベノミクス開始前(2012年)と比べると,2016年は0.6ポイントしか伸びていない。


つまり,給料はほとんど変わらないのに,食料価格だけは急上昇してしまったのである。

これがエンゲル係数が急激に上がった一番の要因だと思うのだが,上念氏はどのように考えるだろうか。

エンゲル係数の上昇に高齢化も影響しているであろうことは否定しない。だが,それ「だけ」では,これほど急激に上がらない。

重要なのは「何が一番大きく影響したか」である。

それは食料価格の上昇以外に考えられない。


食料価格が急に上がったのは,消費税増税と円安が一番影響しているであろう。

増税も円安も「物価が上がる」という効果の面では全く同じである。

それが一気に来たら,食料価格が急激に上昇するのは当然である。

そして,円安はアベノミクスの効果である。

 

増税とアベノミクスが大きく影響し,エンゲル係数が上がった,と言うべきである。

 

 最後にダメ押し・・・

 

 

 高齢化「のみ」がエンゲル係数上昇の原因だったら、全年齢層でエンゲル係数が上昇してることの説明がつかないですよね?アホくさ・・・ちなみに、30歳未満で最もエンゲル係数が急上昇しているのも気になります。ありそうな説明は30歳未満の就業者で低賃金の非正規雇用が増加し、相対的に名目賃金の停滞もしくは減少が著しいという説明が一番あり得そうなのですがどうでしょう?

 

 まあ、今回の件で色々と考えさせられたことも多いのですが、やはり一つ重要な点が、今までは失業率が低下し、就労者数が増加しているにも関わらず実質賃金が上昇しないという問題に関して謎だとされていたのですが、コレは現象を逆から考えると結構スッキリ理解できて、つまり、単純に増税や食料品やエネルギー価格の上昇で生活コストが増加し、それまで働かなくても済んでいた学生や主婦がパートやアルバイトで稼がなければならなくなったというそれだけの理由なのではないでしょうか?これなら実質賃金の低下と就労者数の増加の関係が矛盾なく説明できますよね?特に細かく分析しているワケではないのですが、各種数値データを眺めて見ても、おおよそこの仮説の妥当性が裏付けられるような気がします。

 

 他にも色々と書きたいことはあるのですが、長くなってしまったのでこの辺で・・・

 

 

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