実は私もピケティを読んでます 「21世紀の資本」 | 西陣に住んでます

実は私もピケティを読んでます 「21世紀の資本」

ピケティー「21世紀の資本」



世界でベストセラーになった

フランスの経済学者トマ・ピケティ「21世紀の資本」

実は、私も読んでいます。



ピケティー「21世紀の資本」


本文が600ページでサプルメントが100ページの

ハードカヴァー本の第一印象は、


「重い!!!」でした(笑)。


本の内容を一言でいえば、まさに帯に書かれている通りです。


ピケティー「21世紀の資本」


資本主義社会において、

金持ちが持っている資本の成長率は、

庶民が手にする所得の成長率よりも大きいので、

格差は広がるばかりというものです。


この本に書かれている図はピケティによって公開されていて、

インターネットからもダウンロードできます。


[Technical appendix of the book « Capital in the 21st century]


この中で特に味わい深い図と言えば、↓こちらの

国民所得に対する民間資本の割合の時系列グラフです。


ピケティー「21世紀の資本」


日本が70年代に努力で手にした資本が80年代後半にバブル資本に変貌し、

バブルが崩壊した90年代初頭からは定常状態を保っているということです。

これは世界の富裕国のトレンドにない現象であり、

つまり、日本は富裕国の中で唯一、必ずしもピケティが指摘する問題を

マクロには寄せつけていないことがわかります。


これは国民所得に対する資本所得が他の富裕国と違って

フラクチュエイションは存在するものの概ね定常であることに

よるのではないかと、私はあくまで想像する次第です。


国民所得に対する資本所得の割合


ピケティー「21世紀の資本」


ところで、ピケティの研究の最大の価値がどこにあるかと言えば、

極めてロングタームにわたる時系列データセットを確定させた点にあることは

疑いの余地もありません。

これによって、私がたまにブログで披露しているような

多変量自己回帰モデルに代表されるような多変量時系列モデルによって

確率統計学的に経済の現象メカニズムにおける因果の法則性を

得ることができるわけです。


多変量自己回モデルの使用例↓

[2011年夏の東京電力需要の直前分析]

[2011年7月頭の東京電力消費の分析]

[2011年夏の東京電力消費量の分析]

[2012年夏の関西電力需要の直前分析]

[2012年夏の関西電力需要の直前分析2]

[アベノミクスを考えるためのマクロ経済の統計分析-1] [2] [3]


私が不思議に思うのは、

ピケティが高等な数学を使うという評判の割には[ピケティのCV]

まったくこの分野に手をつけていない点です。

せっかくのタイムシリーズデータを用意しておきながら、

一番楽しいところをやっていません。


なんだったら私がやりましょうかと言いたいところですが(笑)、

きっとそのうち続編が出るんじゃないかな~って思う次第です。


さて、今回ピケティの論理をいろいろと検証しているうちに

ピケティが収集したデータを含む

[The World Top Incomes Database] なるデータベースを見つけました。


このデータベースを用いて日本の格差に関する図面を作ってみました。

以下に紹介したいと思います。


まず、↓こちらの図は

日本の富裕層10%の所得が日本の国民所得に占める割合

示したものです。

青が資本所得を含むもの、赤が資本所得を含まないものです。


The world Top Incomes Database


これを見ると確かに東京オリンピック前・大阪万博・バブル期などの

チャンスの時期には資本所得の反応が強く、

ピケティが言っているような現象が認められます。

そして資本所得に関わりなく、

バブル崩壊以降、所得格差は広がっています。


日本における富裕層というものが

そもそもどの程度のものかということですが、


10%、5%、1%の富裕層の具体的な所得を示したのが次の図です。

The world Top Incomes Database

この図を見ると10%が1000万円程度、1%が2000万円程度と言えます。

ちなみに、アメリカでは10%程度が2000万円であり、

実際に所得格差もかなり高いと言えます。


↓こちらは、アメリカ(緑)、日本(青)、フランス(赤)の

10%、5%、1%、0.01%の富裕層の所得が国民所得に占める割合です。

The world Top Incomes Database


これを見ると、トップ10%の金持ちはやや増えていますが、

トップ1%以上の大金持ちの所得は全体に比べて

そんなに増えていないと思います。


ちなみに、現在の安倍首相の時代になって、意外にも

民主党時代よりはむしろ所得格差は縮小しているということは

以前にデータで示しました。


[民主党「考えよう日本を」の詭弁をわかりやすく説明します]


アベノミクスによって、これまで収入を全く得ていなかった人たちが

大量に就業して収入を得るようになったからです。


ということで、私も庶民ですが(笑)、

人間の幸せというのはけっしてお金だけではないという価値観を

多くの人が持っているというか、

少なくとも私が持っていることだけは絶対に真実です(笑)。


まぁまぁ、一度しかない人生を楽しく暮らしましょう(笑)



はてなマーク今夜の土曜ワイドの犯人予測はてなマーク[土曜ワイド劇場]


「法医学教室の事件ファイル 40回記念作」


二宮早紀>>>名取裕子
二宮一馬>>>宅麻 伸
望月七海>>>由紀さおり
西脇則子>>>高橋ひとみ
寺沢瑠璃>>>小沢真珠
宮永誠>>>>原田龍二
高野志郎>>>榎木孝明
中川知子>>>遊井亮子
飯島伸一>>>長谷川朝晴
谷村元彦>>>田中幸太朗
二宮愛介>>>佐野和真
伊吹南>>>>中村静香
助手永岡>>>本村健太郎
助手桑田>>>石橋篤史


ホントに土曜ワイドの犯人だけは予測できないんですよね~(笑)