ミスター・スポック 長寿と繁栄を・・・ | 西陣に住んでます

ミスター・スポック 長寿と繁栄を・・・

spock



「人生の師」というものは、その教えを受けているときにはわからなくても、後になってその存在を確信するということも多いかと思いますが、今思えば、私の人生の師はSFドラマ「スタートレック」ミスター・スポックだったと思っています。事実を素直に受け止めて論理を展開することによって真理に忠実に生きるスポックの理性的なスタンスは極めて魅力的でした。そんなスポックを演じた俳優のレナード・ニモイさんが先週末永眠しました。この静かなショックによって、この一週間かなり集中力を欠いていた私です。

ロサンゼルス
(昨年、ハリウッドのチャイニーズシアターで撮った手形)

スポックは論理を重要な価値観とするバルカン星人の父と感情を重要な価値観とする地球人の母をもっています。おそらくまったく別の進化を遂げた生命体では当然のことながら染色体が大きく異なるため、宇宙結婚による出産というのは絶対無理だと思うのですが、そのあたりはサイエンス・フィクションなので大目に見るべきだと思います(笑)。

さて、バルカン人と地球人のハーフのスポックは、論理的思考と感情的思考が同居するヒューマノイド生命体といえるのですが、バルカン人の論理で地球人の感情をコントロールしているため、地球人からすると、「心がない」ような人物に見られがちです。↓こちらの映像に見られる「Fascinating(魅力的~!)」という言葉にも感情が全くこもっていないのがわかります(笑)



ここで、スポックの印象的な映像を↓より詳しく見てみたいと思います。



この映像の中で、スポックの習性を特徴的に表しているのは次のシーンです。

2:30 -
I'm half Vulcanian. Vulcanians do not speculate. I speak from pure logic.
私はバルカン星人とのハーフです。バルカン星人はけっして憶測を言いません。私が言うことは純粋な論理からきています。


基本的にスポックの言動はバルカン人そのもののように聞こえます。

5:10 -
Logic is a little tweeting bird chirping in a meadow. Logic is a wreath of pretty flowers which smell bad
論理は、草地の中でさえずる可愛い鳥のようなものです。また、論理は、ちょっぴり臭う可愛い花輪のようなものです。


スポックは、ちょっぴりアイロニーを効かしたジョークを飛ばしています。これは地球人の一面であり、バルカン星人にはないキャラです。

9:32
Your mind to my mind. Your thoughts to my thoughts. The bullets are unreal without body. They are illusions only, shadows without substance. They will not pass through your body, for they do not exist, unreal, appearances only. They are shadows, illusions, nothing but ghosts of reality. They are lies, falsehoods, specters without body. They are to be ignored.
あなたの心は私の心に。あなたの考えは私の考えに。銃弾も通り抜ける実体のない体。それは、ただの幻影であり、実体のない影です。それはあなたの体を通り抜けることもない。というのも、それは存在していないし、現実のものでないし、ただ見えているだけだからです。それらは影であり、幻影であり、ただの幽霊でしかない。それは、嘘・偽りで実体のない亡霊であり、無視すべきものと言えます。


スポックは精神融合を行うことができますが、これは科学的にかなり怪しいと言えます(笑)。スポックが唯一オカルティックになるイロジカル(非論理的)なシーンです。

10:38
May I say that I have not thoroughly enjoyed serving with humans? I find their illogic and foolish emotions, a constant irritant.
言わせてもらうと、人間と付き合うのはまったく面白くないです。彼らは非論理的で、愚かな感情を持っていて、いつも不愉快になります。


これはスポックに感情があることを示すものです(笑)。

以上のように、スポックは一見論理をかざした非人間のように見えて、実際にはありがちな人間性を垣間見せています。これがスポックの最大の魅力だと私は思います。

特に死を目前とするようなギリギリの状態になるとはっきりとした感情を見ることができます。これは日本の武士のスピリットとも共通するものであり、日本人が理解しやすいところです。ただ、スポックと武士が本質的に異なるのは、スポックの感情が論理に支配されているのに対して、武士の感情が「武士道」という倫理に支配されている点であると考えます。ここで倫理というものは、宗教と同じような特定の価値観に基づく思想であり、私たちの行動規範となる大切な哲学です。ただし、この思想が間違うと悲劇が生まれることになります。このことはさておき・・・

↓こちらの私が最も大好きなシーンでも、スポックは最後までハザードを最小化する最適化の論理に従って行動し、最後に人間らしさを見せてくれます。



このように、論理で感情を抑制することで理性的に行動し、必要な時に感情を見せるというスポックのスタンスには大きな魅力を感じるところです。

さて、そんなスポックを最高に好演してくれたレナード・ニモイさんには、深く感謝する次第です。映画で描かれたスポックの葬式のシーンは、レナード・ニモイさんを偲ぶのに最適な映像とも言えます。



そして何よりもバルカン星人の儀礼である
「長寿と繁栄を(Live long and prosper)」という言葉が
深く心に刻まれます。



中指と薬指を離すこの挨拶の方法、
実は私も実生活でたまにやってます。
わかってくれる人には、わかってくれるのですが、
わかってくれない人には、
新興宗教にでも入ったかと思われるんですよね~(笑)

レナード・ニモイさんのご冥福をお祈りします。




はてなマーク今夜の土曜ワイドの犯人予測はてなマーク[土曜ワイド劇場]

「タクシードライバーの推理日誌」
東京~浜松 ドライブレコーダーが録画した二重殺人の謎

夜明日出夫>>渡瀬恒彦
神谷警部>>>平田 満
本橋芙美子>>床嶋佳子
高宮昇一>>>田中 健
本橋明則>>>国広富之
瓜生雅彦>>>窪塚俊介
土屋刑事>>>渡辺 哲
東山秀作>>>風見しんご
馬場刑事>>>正名僕蔵
国代刑事>>>小林 健


土曜ワイドの犯人さがしって、とにかく事前情報が少ないんで、
論理的に考えるのが本当に難しいんですよね~。
ただ、そもそも、放映もしてない番組の情報が少ないっていうのは
極めて論理的ですね(笑)。