バカにゃダンスは踊れない⑫ | 鬼ですけど…それが何か?

鬼ですけど…それが何か?

振付師KAZUMI-BOYのブログ

物事と人間関係には『相性』と言う物がある。


しかし、歌や踊りは『相性は関係ない』と思っている私。


人は自然と歌い、知らず知らずにも踊るものだからだ。


勿論、これ等を職業にする場合、話は少し違ってくるが、基本的には人間誰しもが相性の良し悪し、そしてウマヘタに関わらず、歌い踊る生き物だ。



個人差はあるものの、習い、練習すれば必ず上達する。



と言うのが、私の信念である。


信念…などと言うと、大袈裟で堅苦しく聞こえるが、クラスを持ち、生徒を教える上で必要な事だと思っている。




しかし、教えるインストラクターも人間であり、教わる生徒も人間であるから、インストラクターと生徒の相性はある様だ。


インストラクターと生徒の馬が合えば、その生徒は急速に成長を遂げる。


更にインストラクターが、その生徒を可愛がり、生徒もそのインストラクターに信頼を寄せていれば、更に伸びるだろう。


そしてその生徒が、ダンスの基礎であり必須条件であるクラシックバレエや、不得手なジャンルのダンスクラスも並行して受けているなら、言う事ナシである。



逆に、インストラクターと生徒の馬が合わない場合はどうか?



上達のスピードは、かなり遅くなる。


インストラクターの注意やアドバイスに対し、その生徒の頭の理解、身体の理解に、何かしら、何処かしら、引っ掛かりや疑いが生じる場合が多い様だ。


例えば、私がその生徒に与えた注意を、その生徒は実行しない。


私に対する信頼が無いのか?或いは、以前に他のインストラクターに習った事を頑なに守り、それを変えたくないのか?


注意を受けたその場では「はい。分かりました。」と、返事はするものの、次回のクラスではまた、元に戻したやり方をしている。


つまり、私の注意を受け流している訳だ。


こういう生徒には、延び白がない。


注意を受け流してしまう様なインストラクターのクラスを何故受けるのか?私には解らないが、事実、こうしたタイプの生徒もいるのである。



相性が良くない…としか言い様がない。


一つの技術を伝え教える方法も、インストラクターによって十人十色であるから、上達を望むのであれば、言われた事を素直に聞けるインストラクターのクラスを選ぶべきである。



今迄に例に挙げて来た生徒達も、実は私と馬が合わないのかも知れない(笑)。


受けた注意やアドバイスを素直に聞ける耳と感性は、絶対に必要だ。


信じる者は救われる…と言うが、正しくそうだろう。



「最近、何か注意する度に、口答えするよね?なんで?」



私が以前、ある生徒に言った台詞である。


かつて素直だったこの生徒は、何がキッカケだったのかは分からないが、ある日を境に口答えをする様になった。


私が信頼を失ったのか?
その生徒の謙虚さが無くなったのか?


私は、多分、その両方であろうと思っている。


自ら成長する術を断ってしまったバカであり、相性以前の問題だ。


人間、物事を一つクリアする度に傲慢になる。


自分でも気づかぬ内に。



しかし、教わる立場であるクラスの中にいながらにして、コレに気付けないとは嘆かわしい。


当然、注意を受ける機会は減るだろう。


自ら、成長するチャンスを潰しているバカは、恐らく、一人や二人ではないだろう。


さして上手くもない内に、謙虚さが失われた者に、明日はない。


そして、次に口から出る言葉は愚痴であろう。


「最近、先生は注意してくれない!」




救い様の無いバカである…。


人のふり見て…



私は、こうした生徒と接する度に、自分を正す機会を得る。


実るほど、首を垂れる稲穂哉。




バカには縁の無い諺…



と言う事になる。