先日、病み上がりの身でありながら、クラスで思いっきりブチ切れた私…。
床を殴り付けながら、ある生徒を怒鳴り付けた。
怒鳴り付けた…と言うのは文字通り、たいそう声を荒げて怒鳴り付けたのである。
この生徒が私の逆鱗に触れた経緯はこうである。
まず、前日のクラスにおいてこの生徒は私に強く怒られている。
「君は一体、何十回、何百回、注意を受ければ同じ失敗をしなくなるんだ?何十回、何百回では足りないと言う訳か?ならば、何千回、何万回の注意が必要なんだ?』
と。
以前にも書いたが、私は、その生徒がほんの少し集中すれば、ほんの少し神経を使いさえすれば出来る事を生温い態度でやり過ごし、いつまで経っても同じ失敗を繰り返すから怒るのであって、技術的に無理な事を生徒に押し付けて、それがクリア出来ないからと言って怒るのではない。
そして翌日のそのクラスで、この生徒は、前日注意を受けた正に同じ箇所で同じ失敗をしたのである…。
私は怒りを抑えて、この生徒に聞いた。
「遊びでやっている事だから、同じ失敗を何回繰り返しても構わないと言う訳か?」
するとこの生徒は、大声でハッキリと間髪入れずに反論した。
「遊びじゃありません!」
この瞬間、私の堪忍袋は爆発した。
「だったらちゃんとやれや!!同じ失敗、何度も繰り返してんじゃねぇよ!!!!!!!」
もし私がこの生徒の立場なら、前日までに何十回、何百回と同じ注意を受けているにも関わらず、今日もまた同じ失敗を繰り返してしまった時点で、恥ずかしさに苛まれ、その場には居たたまれない。
ましてや、間髪入れずに反論するなど有り得ない事である。
この生徒がこうして、私の注意に対して噛み付いてくるのは、私に対する甘え以外の何物でもない訳だが、この生徒はそれに全く気付いていないのである。
「先生が注意してくれるのは当たり前」であり「先生に怒られる」のは、いつもの事なのだ。
自分が出来ない事に対する羞恥心など皆無なのである。
こう言えば、この生徒は必ずや「そんな事はないし、そんな風に思ってません!」と逆ギレに近い反論をしてくるに違いない。
全くもって僭越極まりない。
この日、直接怒鳴り付けた相手は、確かにこの生徒であるが、私の怒鳴り声は、決してこの生徒のみに向けて発した物ではない。
この生徒と同じ様な「居住まい」の生徒達全てに向けて発したのである。
必死になりきれないバカ…。
真剣に取り組む事がどういう事なのか分からないバカである。
『二度と同じ注意なんか喰らうもんか!』
と言う意地も無く…
『また出来なかった!悔しい!』
と言う悔恨の感情に薄いのである。
もはや、時間と金をドブに捨てているに等しい。
しかしながら、ハッキリ言おう。
私のクラスはドブではない!
無駄に時間と金を捨てに来られては迷惑だ!
そんな輩から金を取るなど、私のプライドが許さない!
学ぶ気がない、また、学ぶ姿勢が分からないバカ共は即刻ご退場戴いて結構である。
真剣に上達を目指す他の生徒達の邪魔であるし、私のクラスに対する侮辱である。
上達は望まないが、私のクラスは受けていたい…と言うならば、スタジオの一番後方に下がって、他の生徒の邪魔にならない様にしていて頂こう!
何を勘違いしているのか知らないが、集中力や羞恥心、そして向上心のない脱け殻の様な「やる気」だけを私に見せつけて満足し、スタジオの前方に居座られては迷惑だ。
私の芸をバーゲンのワゴンセールに出すつもりはないし、また、精根込めて作った料理を毎度毎度、どっさり喰い残されて黙っていられる程、私はおしとやかではない。
私のクラスを受けに来るならば、腹ペコで来い!
私に怒られる事に慣れ、緊張感も麻痺している輩は、さっさと退散して頂きたい。
私は、そんな連中に付き合うほど暇ではない!
その昔…
K先生はおっしゃった。
『いいですか?バカにダンスは踊れません。』
私は、断言出来る。
K先生のこの言葉は、圧倒的に正しい真理である。
バカに踊る資格がないと言っているのではない。
踊れない!と言っているのだ。
このシリーズは、今回で終わりである。
仏の顔も三度まで…
私ももう…
バカの相手はすまい。
私は、上達を真剣に望む生徒達を育てたいのであって…
バカを育てるつもりはないのだから。