何年かに一人、大勘違いしている生徒が現れる。
勘違い・・・と言うか・・・
『私は踊れる!踊れている!』
・・・と、何の疑いも無くそう思い込んでいるのだ。
そこそこのテクニックやセンスのある者ならばまだ解らないでもないが、私の言う大勘違い野郎と言うのは、ホントに全く何も出来ない生徒の事だ。
上手い下手の基準ですら判断不可な程に何も出来ないのだが、何故か本人は『自分は踊れている!』と思い込んでいるのである。
踊れていると思い込んでいる為に、自分のレベルの遥か上のレベルのクラスにもやって来る。
自分を客観視出来ない訳だから、当然周りを見る事も出来ない。
振り付けを覚える為には、私の踊りは見ている筈だが、それと照らし合わせて、自分の踊りを鏡で見ていない。
自分の踊っている姿、ホントの姿、つまり『現実』を見ていないのである。
こうした生徒達が見ているのは、恐らく・・・
頭の中にある『踊れている自分の姿』の想像と創造、そして妄想なのだろう。
「前から気づいていたけど、キミは自分が踊れていると思っているよね?」
こうした生徒は迷わず頷く。
「全然踊れてないよ?なんにも出来ていないよ?」
こうした生徒はしかし、私のこの言葉に首を傾げる。
自身が踊っている映像を見せてやるしか、こうした生徒を現実視、客観視させる方法はない。
もしも・・・
自分が踊っている姿を映像で見てもなお・・・
『私は踊れている!』と言う判断に至るならば・・・
踊りには不向きである。
いや・・・
現実を客観視出来ない以上、どうだろう・・・?
通用する世界はあるだろうか・・・?
『踊れる』と『踊れない』の判断がつかないと言う事は、『綺麗』と『汚い』の区別がつかない事に等しい。
こうした生徒には、趣味に留め、レベルの合ったクラスで踊りを楽しんでくれれば・・・と思う。
2012年1/20の記事『バカにゃダンスは踊れない④』←頭のキレるバカのお話し。果たしてどんなバカ(゜-゜)?