タイトルの『未知の記憶』が、今回の中川翔子さんのコンサートで初演されました。

歌詞 中川勝彦 岩里祐穂 共作
作曲 田中公平
編曲 田中公平 多田彰文
歌  中川翔子


歌詞が共作になっているのは、翔子さんのお父様 
中川勝彦さんの生前に書かれた絵本のタイトルが『未知の記憶』

それを、もとにして岩里先生が歌詞にしてくれたからです。


勿論、今回も私の方から歌詞が先に出来て、後から曲をつける『詞先』
で、リクエストさせて頂きました。


初見で、歌詞を読んだ時の感想
『これは、半端なメロは付けられないなぁ。深くて清らか、心が浄化されるような歌詞。
 だからこそ、誰もが口ずさめる単純性もあり、しなやかで、なおかつ、
 過去誰も踏み入れなかった様な神秘性を兼ね備えた、もの凄く美しいメロ!
 でないと、成立しないだろう』


たくさんの方々の思いが一杯詰まった歌詞だもの、出来る事なら『天使のメロ』を
目指そう!


と、決意して書いた曲です。



Aメロの部分、
♪私が知らない私がいる~

から、Bメロに行くまでの、もの凄いテクニカルな、それでいて自然な転調。
これは、誰もがあまりやった事のないコード感でしょう。

ここの部分で、『神秘性』を表現したかったから、
全く日常性を感じない和声をあえて使ってみました。


そして、サビ。

♪ 今 あなたは そこにいる 数知れぬ偶然の果てに~

一度で覚えられるほど、あまりにも平易で、単純な動き、、その上、美しく、
(この部分が一番大変だった)
それでいて十分なオリジナリティーを感じるもの。


目指した先は
ベートーベンの第9の4楽章、、、そう『歓喜の歌』


そこまでの普遍性はないと思いますが、あれが私の、田中公平の『歓喜の歌』
なのです。


どうでしょう?、お聴きになった皆さんの心に届いただろうか?

もし、そのように感じて頂けたのなら、

それは、きっと


天国におられる翔子さんのお父様が、私に書かせてくれたもの
だからなんでしょう。


翔子さんは、この曲を大切に、ずっと歌い続けて行きたい!
と、おっしゃってくれています。



過去から、現在を通して、、、全ては未来に繋がっている。

この歌が、世界中の皆さんの心に響きますように。



田中公平