よみうりカルチャー恵比寿「鈴木健.txtの体感文法講座」2023年上半期受講生募集 | KEN筆.txt

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鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の表現ジャンルについて伝えたいこと

4月11日(火)より開講する読売日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)恵比寿文章講座「鈴木健.txtの体感文法講座」2023年上半期受講生を募集します。プロのマスコミを目指す実戦派はもちろん、趣味として文章力を高めたいという受講者にも役立つ内容を2010年4月より多くの受講生が学び、13年目に突入。読み手の目線にならったリズム感のある伝わる文章、ブログ等では意識しないテクニックを身につけるのが目的です。映画レビューや講座ごとのテーマに沿ったリポート、コラムをじっさいに書き文章力をつけたあと、取材実習やインタビュー実習といった目標を立てて継続的に学んでいきます。


「鈴木健.txtの体感文法講座」
〔講座日時〕4月11日より毎月第2&第4火曜日19時~20時30分※講師の都合により日時変更の可能性あり。そのさいは全受講者が出席できる日時をご相談させていただきます。受講生が日時変更を希望されるさいはそのつど要相談

〔会場〕東京・読売日本テレビ文化センター恵比寿センター(JR恵比寿駅ビル「アトレ」7F)

 

 

〔受講料〕3ヵ月(6講座)分税込み2万3760円(うち消費税2160円。以後3ヵ月ごとに更新)
〔設備維持費〕3ヵ月分2310円
〔読売カルチャー入会金〕税込み5500円(他のよみうりカルチャー講座を受講している場合は不要)※70歳以上の方は入会金無料。高校生、中学生は入会金2750円。ご家族がすでに会員の場合は入会金無料

〔体験講座〕どんな講義なのか体験してみたいという方には体験講座があります。受講料1回分4345円(設備費1回分395円込み)をお申し込みください。なお2回分以上希望の場合は通常の3ヵ月分申し込みとなります
〔申し込み・問い合わせ〕読売日本テレビ文化センター恵比寿センター(TEL03-3473-5005、担当・小玉)にて受付中。ウェブからの申し込み、詳細→https://www.ync.ne.jp/ebisu/kouza/202304-01110003.htm

 

 

インターネットの普及により、現代では誰もが自分の書いた文章を不特定多数に向けて発信することができます。そうした中、雑誌や新聞、書籍など商用媒体に掲載されるのは“読者にお金を払ってもらう文章”であるのが最大の相違点です。無料で文章や読め、情報が得られる中でお金を出して買ってもらうには、読者という消費者のニーズに応えられるものでなければならず、その大前提としてわかりやすい、伝わりやすいものであるのが必須となります。伝わりやすい文章とは何か? それは読み手の目線、意識にならった書き方です。読者が読みやすいと思える構成、自分本位ではない内容であるのを意識するだけで、ブログの文章とはまったく違うものが書けます。


読者に伝えるための押さえどころとしては“リズム感のある文章”“くどくない文章”があげられます。当講座では、そのための具体的な文章構成力を養っていきます。改行ひとつに気を配り、句読点の位置にも意味を持ち、同じ言葉の乱発を避けることで文章にはリズムがつき、スラスラと読まれるようになります。また漢字・かたかな、記号の使い分け方のようなブログレベルでは意識しないテクニックも磨けます。これらの読み手の立場になった上での呼吸、間に基づいた文法を「体感文法」と名づけました。
 

カリキュラムはまず基礎的なルールの理解からスタートし、書いてみてその修正を繰り返すことで文法を身につけていきます。さらに取材実習やインタビュー実習を通じ構成力を養います。学ぶ内容は本格的ですが、カルチャースクールですからみんなで楽しむのを前提にやっていくつもりです。そのためには取材実習にも積極的に参加して、仲間を増やしていってください。

 

▲みちのくプロレス大会観戦後、名古屋の英雄・ウルトラマンロビン選手にインタビューし試合リポートを作成した取材実習

 

主な文章実習課題(抜粋)
・自分が影響を受けたもの
・主張を入れた文章の書き方
・人物紹介
・映画作品紹介
・ネガティヴなことを書く上での注意
・一人称を使わない
・「感動」という言葉を使わずに感動を描く
・追悼文の書き方
・短編小説
・インタビュー実習
・取材実習


以下、過去に受講生が課題で書いた講座の紹介文を掲載します。受講し初めての課題として「体感文法講座を受けてみて」をテーマに提出されたもので、何度となく赤入れされては修正し、完成させたものです。現在は、さらに数段進歩しています。

 

ワクワク感と腑に落ちる言葉たち
堀奈津子


 ヘアメイクの仕事をしている私は、数年前から在宅でもできる仕事は何があるか考えていた。いろいろな現場にいって仕事をするのは大好きだが、いつまでも元気に飛び回れるとは限らないからだ。
 美容ライター、できないかな。化粧品好きだし。仕事柄、出版社に勤めている友人やプロの書き手の知り合いが何人かいる。おそるおそる「その職業に興味がある」と伝え、アドバイスをもらった。
「美容の知識はあるのだから、書いていけばそのうちうまくなる」と甘い言葉をかけられたが、その人たちが「最近の子は日本語が書けない」と部下への愚痴を言っていたのも知っている。私はその世代の人と違うが、初心者という意味では同じだ。
 日本語が書けない=ちゃんとした文章が書けないとのことだが、ちゃんとした文章とは? 自問自答する。 
 どんな職業でもそうだが基本があり、その業界のルールがある。SNSに載せて実践で鍛える方法も考えたが、何も知らないまま実行する勇気はなかった。知り合いが通っていた講座を検索してみたが、どれもピンとこないままツイッターを眺めていて、鈴木健先生の講座を見つけた。
 結果、想像以上に楽しかった。もっと堅苦しく、頭を抱えるかと思っていた。
 文章を読んで基本ルールをチェックしつつ、同じ意味の違う表現を探し、書き手の考えとすり合わせる。感覚的に使っているものを言語化していくことのおもしろさ。どのような表現を使えば読みやすく伝わるのか。何より先生の言葉はメモをせずにはいられなかった。
 授業中、腑に落ちる感覚を何度も味わった。受け手=読者があってこその表現ジャンル。リアクションに答えがある。一般に受け入れられる書き方としての「最大公約数」。一貫性、整合性、信念、矛盾点がないこと、余裕なき時代、見る側の納得など(メモの一部より)。
 これらは私の仕事にも共通した考え方なのかもしれない。たとえば映画の現場だと、役の性格が見た目からもわかるようなヘアメイクを考える。中身との矛盾点や違和感を生じさせないためだ。腑に落ちたという実感が半端なかったのも納得である。
 ヘアメイクの仕事も最初は何もできなかったが、日々の訓練でなんとか職業となっている。何事もプロレベルとなるにはだいたい1万時間もかかるという法則があるらしい。いくら講座を受けていても、実際に書かなければ上達しない。
 何回も反復することが大事であり、上達への近道だと先生は言う。実際、自分が書いた文章を添削される恥ずかしさもあるが、その羞恥心さえ快感なのはここだけの秘密だ。
 今までただ楽しみとして読んでいた雑誌の文章も、見方が変わってくる。どんな考えや工夫を発見できるのか。そう思うとすべてが教材としてのテキストになる。書き手についても調べてしまうだろう。
 楽しいと感じたなら受けてみた方がいいよという先生の言葉通りにした先の1万時間後、この文章をどんな気持ちで読むのか。怖いような楽しみなような。
 初回講座で味わえたワクワク感を忘れず、添削されて真っ赤になったものを返されるのも楽しんでやる! この気持ちが続いてくことを祈るばかりである。

 

元受講生のfumingさんは課題で書いた文章をnoteにて公開されています。こちらもご一読ください。

 

 

▲fumingさんは取材実習として2022年の九州プロレス1・3新宿FACE大会を観戦。筑前りょう太理事長のご協力によりコメント取材もおこなった上でリポートを執筆しました

 

また同じくnoteで文章を公開している元受講生のきょーきさんの記事が「注目記事」として掲載されました。

 

 

きょーきさんのnote記事は→http://note.com/kyoowki/n/ne2f9a24c369f

 

 

こちらは、イラストレーターとして活躍されています榎本タイキさんが受講していた当時に書いたものをnoteにアップされたものです。受講をスタートさせた当時は同じ言葉が何度も出てきたり、リズムのない文章でしたが、半年ほど地道に努力を重ねた結果、このような文章を書けるようになりました。

夢を一度もかなえたことのない男

勝俣瞬馬・聖地に描く新しい景色

 

なお、過去に寄せられた質問と回答をFAQとしてまとめましたので参考にしてください。


Q プロレスにもスポーツ全般にも興味がありません。そんな人間が受講しても大丈夫なのでしょうか。
A 講義内容については、私自身の経験に基づいていますのでプロレスに寄ったものになると思います。寄ったもの…というのは、具体的な例文や経験したことの事例をあげるさいにそうなるケースが多いことを指します。ただし、プロレスだけでなく音楽や映画、演劇などの見たものを例として出すことも考えられます。どのジャンルに特化しても文章を書く、あるいは書き方を覚える上ではすべて地続きです。文章力を身につけたあとにおこなう取材実習に関してもプロレス観戦に偏るつもりはなく、映画や演劇等を見た上で文章を提出する機会も設けます。これらは希望者によるものですので、自分が体験したいものを選んで参加していただければけっこうです。参加しない実習でも、ほかの受講生が書いて添削を施された文章をいっしょに講義でなぞっていくだけでも、自分自身の力になります。なので、プロレスを見ていなくても学ぶことは実になると思われます。
 

Q 受講を決意してはいるのですが、カルチャースクールや文章を学ぶという経験がないため、紹介文の「実戦派」という単語に軽い恐怖を抱いております。句読点の付け方をなんとかしたい、文章の構成方法がよくわからないレベルの人間でも、問題なく受講できるものなのでしょうか。
A 文章講座に関してはプロレスなどの練習と同じように基礎をしっかりと身につけるのが第一前提であり、最優先される目的と考えております。そして、それが身についたところで初めて“実戦”を目指せるのであり、今回受講いただく皆様は全員、スタートはその基礎作りにあります。ですので、句読点の付け方をなんとかしたい、文章の構成方法がよくわからないという方々向けのものであり、そこでもうワンステップ上にいきたいとの願望が芽生えたら実戦向きのものに着手していただければと思います。実戦よりも、基礎を何度も反復することで完璧に身につけたいと思われる場合は、それでもかまいません。要は、目的に合ったスタンスで受講いただければいいかと思われます。最初の3ヵ月は、本当に基礎中の基礎…なぜ、そこに句点が来て、ここに読点が来て、ここで改行するのかといった細かく地味ながらも、それでいて本当に文章の足場となることを理屈で覚えていく作業となります。それを経て、自分の文章力に変化が見えて具体的なテーマを立てた上で、さらに伸ばしたいという方のために取材実習等を考えております。
 

Q プロレスマスコミになりたいのですが、その道は拓いていただけるのでしょうか。
A 講座を通じて私から推薦するに値する能力が身についた方で希望される場合は関連メディアに斡旋します。以前に同センターでおこなった講座からは4名がマスコミ関係の仕事に進み、うち1名が週刊プロレスに在籍していました。プロレスにかぎらず独自にマスコミ、ライターを目指す方も文章力と心構えについては合格レベルのものを養えると思われます。
 

Q 文章の書き方以外に役立つことはありますか。
A まず、講座を受けることで他者の話を聞く姿勢が身につきます。お金を払って参加されるわけですから、あらゆるものを吸収していただきたい。そのために集中することで自己を抑え、他者の目線になれます。じつは文章を書く上でこれが非常に重要になってきます。「読者の気持ちになる=相手の気持ち、立場になって考える」が、私の考えるお金をとる文章とそうではない文章の違いだからです。この講座は、文章実習を通じてそうした姿勢を養う点にもうひとつの目的があります。

 

Q 3ヵ月更新となっていますが、本当に3ヵ月だけの受講でもいいんですか。
A 講座のカリキュラムとしては前半3ヵ月で基礎を身につけ、後半3ヵ月で実習を重ねるのが1つのサイクルであり、それ以上に実習を積み重ねてより腕を磨きたい方は3ヵ月ごとに更新し、継続していくほどに上達します。なので、本来ならば6ヵ月単位で募集するところですが、それだと一度に払い込む受講料等が高くなってしまうため3ヵ月単位にしました。せっかく身につけた基礎をじっさいに試してみて、添削を受けることでさらにブラッシュアップする。その繰り返しで腕は磨かれていくので、最低でも6ヵ月は続けることをお勧めします。

 

Q 第2回目以降からの途中参加は可能ですか。
A すでにカリキュラムが進んでいますので、それまでの資料をお渡しし、別枠で受けていない分をまとめて説明することはできます。ただし、半分進んでしまうと内容的にそれが難しくなりますので、途中参加は第3回まで可能と考えています。その場合の受講料等に関してはセンターにお問い合わせください。