2月2日の朝日新聞デジタルの記事。

この日本においては害獣として認定されてしまっている野生のシカ。
罠にかかったシカを効率良く解体してジビエ料理として提供するためのジビエ解体車の記事だった。
くくり罠にかかってしまったオスジカと、その背後から近づく長い木の枝を持った、解体処理施設のスタッフSが写っている写真があった。

その長い木の枝の棒を持った姿で想像できたが、記事を読み進めると、

地元猟師のOがくくり罠にかかっているオスジカを発見。
ジビエ解体車のハンドルを握るSへ連絡。
逃げられないオスジカのもとへ合流。
Sがオスジカの頭を殴りつける。
Sがオスジカの胸を素早くナイフで刺す。
殺したオスジカを解体車まで運び、20分後には枝肉となる。

といった流れが記載されていた。

ハズだった。

翌2月3日に再度同じページを開いてみると、Sが頭を殴打した記載が消えている。

記事を読みながら、20年以上前に目にして以来脳裏をはなれない蛮行を思いだす。
泣きわめいている子猿を中華料理の丸テーブルのような可動式のテーブルの真ん中に固定して、取り囲む客が笑いながら代わる代わる、子猿の脳天をオタマのような物で叩き割って絶命させて、血の気がひいた子猿を目前にしたまま脳みそを食していた人間たちの映像。

なので、確実にオスジカの頭を殴打した記載があったのは事実なのだが、それが消えていた。

そして、昨日の時点で猟師の記載があるOではなく、Sが手をくだすという点も、違和感を覚えていたのだが、今日の記載ではSも狩猟者登録をしているとの記載を発見した。

関連する記事を探したところ、

気絶したオスジカの胸をナイフで刺し、息の根を止める

という写真も掲載されている事から、気絶させるほどの殴打をしたことは間違い無いのだが、その記載が消えている事は、とっても不思議だ。

とかく野生動物の被害は声高々で、一方的な人間様からの都合で、どんどん狭くなっている彼らにとって安住の住処にさえ分け入って、1番短絡的な殺戮を繰り返すことが最善の策とされている。

人間の都合の為に生かされ殺されていく畜産動物と呼ばれる命も、痛みや恐怖、苦しみと絶望の中で殺されている事の無慈悲さに、やはり自らは肉食を選択する事は考えられない。