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化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

 

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今回は、資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの解析の2回目として、 処方解析の前編をお送りします。

 

関連エントリーはこちら。

2020.4.23資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの「解析1 概要編 を追加
2020.45.8資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの解析2 処方解析編(前編) を追加

 

 

この製品は医薬部外品なので、裏面の原料名も医薬部外品名称になってます。

今回はこれをとりあえず、化粧品の名称に変換します。いわゆる表示名というヤツです。

これをやらないと、解析出来ないのです。

 

この作業は結構大変で、細かいことも色々考えなければなりません。

 

例えば、化粧品は「成分を多い方から順番に書いていく」と言うルールがあります。

これは薬事法という、法律で、決められているので、守らないと大変なことになります。

意図的でなくても、誤字などで間違えたりするだけで、厚労省から回収を命令されたりします。

 

このルールと言うか法律は、実は医薬部外品にはありません

一応あるんですが、業界自主規制となっており、罰則もありませんし、特許的に表示したくない成分は書かなくていいなどの抜け道も多いです。

まあ、化粧品業界は村社会なので(^_^;)、よほどはぐれた会社でない限り、大体この自主ルールに沿っているのですが、世間的には大きな会社であっても従わない会社もあります。

例えばDHCなんかは、平気でこのルールを破ります(^_^;)

 

家書遺品兼ブログでの、関連エントリーは以下です(^_^)

ファンケル×ローソン 無添加化粧品 番外編(マイルドクレンジングオイル特許訴訟) 2015.9.25追加ファンケル×ローソン 無添加化粧品 番外編2(マイルドクレンジングオイル特許訴訟の続き)

 

前置きが長くなりましたが、今回資生堂さんもこのルールにあまり従っていない点があります

DHCは、実は化粧品業界では、かなりのはぐれ会社なので仕方ないと言う面もあるのですが(^_^)

資生堂さんが化粧品業界の盟主なので、あまりそういう事はやって欲しくないのですが、そうしてでも隠したかった点があったということなんでしょう。

資生堂が隠したかった事は何なのか?

この辺がこのイハダの日焼け止め処方を見ていく上でのポイントです。

 

まあ今回は解析の前半だけ。

製品裏面に書いてある、医薬部外品名称を、分かりやすい化粧品の表示名称に直すところまでですが隠したかったことは分かります。

 

 

 

それでは早速行きます。

 

 

製品裏面に書いてある名称は以下になります。

 

(医薬部外品名称)

グリチルリチン酸ジカリウム*,常水,ワセリン,デカメチルテトラシロキサン,メチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,濃グリセリン,ジプロピレングリコール,ポリアクリル酸アルキル,セバシン酸ジイソプロピル,PEG-9 ポリジメチルシロキシエチル ジメチコン,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体,N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル),水酸化アルミニウム,含水ケイ酸,無水ケイ酸,ステアリン酸,低粘度メチルハイドロジェンポリシロキサン,ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト,クエン酸,クエン酸ナトリウム,メタリン酸ナトリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,フェノキシエタノール,酸化チタン,低温焼成酸化亜鉛 

 

*は「有効成分」無表示は「その他の成分」

 

上記は製品に書いてあるとおりに写したのですが、すこし分かりにくいので解説すると、「*」の印が付いているのは「有効成分」で、今回で言えばグリチルリチン酸ジカリウムになります。

 

それ以外は全て、「その他の成分」です。今回で言えばグリチルリチン酸ジカリウム以外の全成分ですね。

 

化粧品と違って、「有効成分」は配合量が少なくても、大抵は先頭に書かれることが多いです。

厳密に言えばルール違反ですが、有効成分を明確にするという、マーケティング的な要請ではないかと思います(^_^)

これは大抵は微量だし、そうで無い場合も量が分かっているので、いいとしましょう「。

まあ、この程度の、ちょい反則なら良いですよね。

 

また医薬部外品の場合は有効成分は配合濃度を測定し、その濃度が40℃6ヶ月間の高温試験の期間、濃度が維持されていなければなりません。

 

「その他の成分jは、安定性維持の必要は無いのですが、医薬部外品に使われるこの「その他の成分jは何でも使えるわけではありません。

安全性などを事前に厚労省で審査され、使用可能リストに登録されていなければなりません

例えば、濃グリセリンなんていうンなんてこと無い成分も、審査・登録されています。

この審査・登録作業が、結構キツい。

審査には、動物試験必須だったりするので、特に新規素材にはハードルが高いです。

最近の動物試験忌避の風潮では、回答が不可能な問いですよね。

この場合、原料メーカーとしては、欧州を相手に商売するか、欧州市場は捨てて、国内で医薬部外品に使ってもらう商売をするか、二択を迫られます(^_^;)

何ともおかしな話なのですが、笑えないことに真剣な話です(^_^;)

 

まあ、それはそれとして。

 

医薬部外品名称を、化粧品の名称に変換します。

 

 

どうでしょうか。

結構似ている名称だけど違っているところもまた多い、というのがわかると思います。

 

興味深いなポイントを見ていきましょう。

まずNo.4のデカメチルテトラシロキサンと、No.5のメチルポリシロキサン。これらは両方とも化粧品の表示名称はジメチコン(^_^;)。

大抵の場合、医薬品医薬部外品の名前の方がその成分を詳しく表している場合が多いのです。

化粧品の名称は海外と合わせるために簡略化されている場合が多いです。

 

またNo.9も曲者。

医薬部外品ではポ リアクリル酸アルキルと言う漠然とした名所なのに、化粧品になるとメタクリル酸メチルクロスポリマーなんて言う、やけに細かい名前に変わります(^_^;)

ちなみにですが、このポリマーは高分子増粘剤のような名前をしていますが、実はプラスティックパウダーなんです。いわゆるPMMA粉体と言われているものです。

ここは成分を解析する上では、ちょっとクセがあるところです。

 

あと難問としては。

化粧品表示名のNo.11の

 No.11 PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン

と言う成分と、化粧品表示名のNo.13の

 No.13 PEG-12ジメチコン

と言う成分は、似た分子構造で名前の似ています。

 

しかしこれが医薬部外品名称になると。No.11はまだよくて、以下です。

 No.11 PEG-9 ポリジメチルシロキシエチル ジメチコン

という似た名称なんですが。

No.13の方は全く違った物になっていて。以下の名称になっています。

 No.13 ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体

全く違った名前ですよね「(^_^)。

特にNo.13が酷い変わりようです(^_^)

このあたりは表に起こさないと、化粧品犬でも初見では解析出来ません。

 

そして最後に、資生堂がやらかしていることを書いておきます。

この製品は、ノンケミカルでSPF50+、PA+++なので、当然、酸化チタンと酸化亜鉛が大量に配合されています

おそらく両方とも10%前後は配合されているんじゃないかと思います。

しかしこの裏面表示上では両方とも最後です。

防腐剤であるフェノキシエタノールよりも配合量が少なく書いてあるのです(^_^;)

フェノキシエタノールは0.1〜0.3%程度しか配合されないものです。

これより少ないと言う事は無いですね。

明らかに配合量を隠してあるのでしょう。表示を変えても、特に罰則もないし(^_^;)

 

しかし化粧品業界の人にとっては、大体10%前後だろうなと推測できるし、分析業者に出せば25,000円位で分析してくれるので、そう大したコストではありません。まどちらかというと、この不人気製品にそこまで金だすか?というのが問題になるくらいです。

これは資生堂さんはちょっと自意識過剰かな、と思いますね(^_^;)

 

さてこれで、 処方解析編の前編終了。

 

後編に続きます。

 

 

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今回は、2020/2/1に発売された、資生堂 さんのIHADA(イハダ)薬用UVスクリーンを取りあげます。

jこのイハダというブランドは、高純度精製ワセリンを押し出したブランドらしいです。

今回知り合いからリクエストされるまで、知りませんでしたが(^_^;)

 

関連エントリーは以下です。

2020.4.23資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの「解析1 概要編 を追加
2020.45.8資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの解析2 処方解析編(前編) を追加

 

 

 

まぁぶっちゃけ、あまり人気のある製品とも言えないのですが。

このイハダの日焼け止めの処方としての面白さは、ワセリン使用とかではありません。

今回もワセリンにはまり触れません。

 

資生堂は最近の日焼け止めでは、いわゆるケミカルな紫外線吸収剤でも、肌には問題がないと、言ってるメーカーなんですよ。

差のままズバリとは言ってなくても、例えばアネッサマイルドなんてていう、マイルドタイプの肌の弱い人用の製品を出しても、そこにはしっかりと紫外線吸収剤が配合されている

つまり製品で、「紫外線吸収剤は肌に問題がない」と語っているわけです。

 

アネッサマイルドタイプ関連エントリー

資生堂 アネッサ エッセンスUV アクアブースター マイルドタイプの解析1 製品概要編2017.8.20追加
資生堂 アネッサ エッセンスUV アクアブースター マイルドタイプの解析2 処方解析編2017.8.24追加

 

しかし一方でアネッサマイルドを出していながら、他方では紫外線吸収剤を含まない、ノンケミカル派むけの製品を出し続けているのが資生堂(^_^;)

その一つがこのイハダの日焼け止めです。

全く二枚舌というか、ダブルスタンダードというか(^_^;)

ある意味資生堂らしい、全方位的なマーケティングなわけですね。

 

このイハダの日焼け止めはミルクタイプなんですが、紫外線吸収剤不使用と言うことから、紫外線吸収剤を使用しているアネッサミルク(金のアネッサ)との処方内容の比較が気になるろころです

また医薬部外品と言うことで、原料の表示の仕方が化粧品と異なるので、ぱっと見るだけでは内容を把握しにくい。解析するうえで、難しさもあります。

 

そんなわけで、今シーズンの日焼け止め解析第一号として取り上げることにしました。

 

あと、実際のところ、今シーズンのビオレUVやアネッサも買ってみたんですが、偶然なのか?両者とも「夏の暑さ」がテーマのようです。

これらを取り上げるのは時期的にちょっと早い、と言うのもあります。

 

 

そんなわけで、イハダ薬用UVスクリーンの解析。今回は概要編です。

成分については、次回以降の解析編でミッチリと(^_^;)、取り扱います。

解析編は医薬部外品からの処方の変換もしなければならないので、2回に分けるかもしれません。

 

外観

こんな感じです。

容量は50mlで、値段はアマゾンで1750円くらいでした。

紫外線吸収剤が入っていないせいか、同じミルクタイプのアネッサより大分安いですね。

 

ちょっと見づらいけど、SPF50+、PA+++(スリープラス)と書いてあります。ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)なんで、SPFは50+でいのですが、PAがやや低い

今は、安い日焼け止めでもPA++++(フォープラス)が普通ですからね。やや残念ポイントです。

 

ちなみに、裏面の全成分は、以下になります。

医薬部外品なので、原料名称や順番は、化粧品とは異なる場合があります。

 

(全成分)グリチルリチン酸ジカリウム*,常水,ワセリン,デカメチルテトラシロキサン,メチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,濃グリセリン,ジプロピレングリコール,ポリアクリル酸アルキル,セバシン酸ジイソプロピル,PEG-9 ポリジメチルシロキシエチル ジメチコン,ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3,ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体,N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル),水酸化アルミニウム,含水ケイ酸,無水ケイ酸,ステアリン酸,低粘度メチルハイドロジェンポリシロキサン,ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト,クエン酸,クエン酸ナトリウム,メタリン酸ナトリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,フェノキシエタノール,酸化チタン,低温焼成酸化亜鉛 

*は「有効成分」無表示は「その他の成分」

 

 

 

概要

ニュースリリースがでているので、これを押さえていきましょう。

 

ニュースリリース

SPF50+のノンケミカル日焼け止め「イハダ 薬用UVスクリーン」発売

https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002828

 

資生堂は、「IHADA(イハダ)」ブランドより、紫外線吸収剤無添加(ノンケミカル)の日焼け止め「イハダ 薬用UVスクリーン/日焼け止め用乳液/医薬部外品/顔・からだ用/50mL/ノープリントプライス」【全1品目1品種】を、2020年2月1日(土)より資生堂薬品を通じて、全国のドラッグストアで発売します。

 

紫外線吸収剤無添加(ノンケミカル)と言うことが明記されています。

 

「イハダ薬用UVスクリーン」は、SPF50+の紫外線吸収剤無添加(ノンケミカル)の薬用日焼け止めで、赤ちゃんから大人まで、ご家族でご使用いただけます。

 

線吸収剤無添加(ノンケミカル)であるため、SPF50+は達成していますが、じつはPAは、+++止まりです。

そしてPA+++であることこのニュースリリースのWEBページには書いてありません。リンク先のPDFには、さすがにさりげなく書いてありますが。

https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/2828_s8a84_jp.pdf

なんか、せこいなあ。

また、資生堂独自の新技術「微細分散技術」を採用しました。この技術は、紫外線散乱剤などの粉末を細かく分散してさらさらに変化させる技術です。これにより、肌に均一になじみ被膜感のない仕上がりと資生堂独自原料「高精製ワセリン(肌うるおいバリア保護成分)」がかさかさしない肌ざわりを実現しました。

 

資生堂独自の新技術「微細分散技術」の詳細は書いてないので分かりませんが、メイク物では粉体は事前に三本ロールなどの分散機で機械的に微細分散させるのが常識です。資生堂独自の新技術「微細分散技術」もそのような技術ではないかと思います。

 

資生堂開発原料「高精製ワセリン」について

「高精製ワセリン」は、資生堂が特別な技術により限りなく不純物を取り除いた純度の高いハイグレードワセリンです。熱や光などの外部刺激に対する安定性に優れています。

 

高精製ワセリンについてはあまり突っ込みませんが、石油生成物なので、精製度が低いと硫化物等が残って問題が出る頃がある原料でした。昔は。

今はそんなことは無いと思いますが。

では何%まで除去するとどんな問題が無くなるのか、またこのワセリンは何%まで除去イズ手あるのか、、、などのきっちりした説明が欲しいところです。名前だけ「高精製」とつけられても困るなあというのが、感想です。

 

 

 

@cosme評価

クチコミ 2件、注目人数 66人。これは人気ないですね。

そして評価点5.0で結構良い評価。

 

 

 

使用感など

塗布すると、結構白くなります。

ちょっと分かりにくいですが、結構伸ばしても、こんな感じになります。

 

@cosmeのレビューでも指摘されてますね。

 

ノンケミの紫外線防御の主役は、酸化チタンと酸化亜鉛なのですが、特に酸化チタンが白いのです。

微細化を進めると透明度の高い酸化チタンも作れるのですが、そうするとSPFは下がってしまうのです。

つまりノンケミの日焼け止めでは、ある程度の白さは必要なのです。

そこは覚悟する必要はあります。

 

粘度はやや低め、乾きは遅く、べったりはしませんが、しっとり感があります。

そこはかとなく、マイルド感がある処方です。

 

石けんでは落ちないと言うレビューもありますが、特にウォータープルーフを飛躍的に向上させる成分(例えばトリメチルシロキシケイ酸など)は配合されていないです。

外相が油のミルクタイプなりの落ちにくさ、と言うことになります。

外相が水のジェルやエッセンスよりは落ちにくいです。

 

前半で批判めいた頃を書きましたが、単品で見るとなかなか良い製品だと思います。

今の紫外線吸収剤には肌刺激がある物はほぼ無いし、光で分解してわるさをする物もほぼ使われていないのですが、気分的にいやという人もいるでしょう。

また刺激は無くても、アレルギー反応は出る人には出ます。

個人的には紫外線吸収剤より防腐剤とかの方がよっっぽど出やすいとは思いますが。

 

こだわり派の人にはお勧めできる製品だと想います。

白浮きは強いですけど。

 

 

 

 

化粧品犬です。

 

今回は、コーセー ジさんの、ジュレームシュープリーム(サテンスリーク)の解析の3回目。 

トリートメント解析編です。

途中まで書いて、放り出してあったシュレームシュープリームも、これでようやく完結。

 

 

シュレームシュープリーム関連エントリー

2020.2.7コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析1 概要編を追加

2020.4.5コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析2 シャンプー解析編 を追加

2020.4.17コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析3 トリートメント解析編 を追加

 

 

つもの様に、ジュレームアミノシュプリームトリートメントの裏面の処方を整理します。

前回、ジュレームアミノシュプリームのシャンプーを取りあげた際に、同じジュレームアミノの前製品で、同じようにココイルグルタミン酸を洗浄成分の主剤とした製品である、ジュレーム アミノ ダメージリペア シャンプー ディープモイスト(2018)をを取りあげました。

今回はその対になるトリートメントである、ジュレーム アミノ ダメージリペア トリートメント ディープモイスト(2018)を取りあげ、その裏面表示も整理し、並べててみます。

ジュレーム アミノ ダメージリペアトリートメント ディープモイスト(2018)は2018年に発売された製品で、直近のジュレームアミノというと、これになります。

関連エントリー

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析1 製品概要編2018.1.17追加

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析2 シャンプー解析編2018.1.20追加

コーセージュレームアミノ ダメージリペア ディープモイスト(2018)の解析3 トリートメント解析編2018.1.23追加

 

 

2年近く開発期間があったわけで、シャンプーではちょっとだけ技術開発が進んだことが確認出来ました。

トリートメントはどうか?というのが確認出来ると良いのですが(^_^;)

 

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にグルーピングし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

 

 

トリートメントの性能に最も影響与えるのは、、毛髪に残りやすいコンディショニング剤と油剤です。

保湿剤は効果はあるんですが、水に流れやすいので、それほどは大きくありません。

しかしこのトリートメントは、コンディショニング剤と油剤は、2018年版の製品から全く変わっていません

正直言ってちょっとがっかり感がありますね。

 

まぁとにかく、表の上の方から見ていきましょう。、

 

 

まずワックス類。

これは変更ないのですが、背骨をにあたるものなので、大体こんなものです。

 

次にコンディショニング剤。

先に書きましたが、2018年版から変更なしです。残念。

一応概要を書くと、現在最も良く使われている、使用感の高い長鎖型のベヘントリモニウムクロリドをメインとして、二鎖型でケア効果の高いジステアリルジモニウムクロリドとジココジモニウムクロリドを併せ、昔のトリートメント主剤だったステアルトリモニウムクロリドを加えて調整するという処方です。

添加剤として吸着効果は髪ケア効果の高い3種の塩基性アミノ酸(アルギニン、ヒスチジン、リシンHCl)と吸着性シリコン油であるアモジメチコン、及びこれも吸着性の高いカチオンポリマーであるポリクオタニウム-7を配合しています。

3種の塩基性アミノ酸は保湿剤扱いしても良いのですが、吸着性も高いのでコンディショニング剤の委分類しました。

 

次は油剤。

これも、2018年版と比べほとんど変わらない。とゆうか、価格の高いスクワランがしれっと削除されてますね(^_^;)

ジュレーム最高峰とか言って、価格も上がっているのに、、、とても残念です(^_^;)

油剤の構成としては、価格が安く効果はあるシリコン油が多く、またメイク落としによく使われていて価格がこなれているエステル油である、エチルヘキサン酸セチルも多い。

高価なトリートメントらしい物が特に配合されてないのが残念ではあります。

 

次は防腐剤。

2018年版から、全く変わっていません。特に問題ない組み合わせなんですが、2年近く経ってが価格も上がってと考えると、何か変えてきてもよかったなと思います。

 

 

最後は保湿剤。

比較的レアな原料であるアセチル化アミノ酸(アセチルグルタミン、アセチルグルタミン酸、アセチルヒドロキシプロリン)が2016年版で削減されたのが目に付きますが、これはシャンプー二はまだ配合されrておるので、トリートメントでは省かれたと見るべきですね。

アミノ酸英原料と言えば、一時流行った髪保護尾成分のジラウロイルグルタミン酸リシンNaが抜かれましたね。ジュレームシリーズには結構長く使用されていたのですが、コンセプトを作るだけで、実際にはあまり効果が無かったのかもしれません。

 

逆に2019年版っで新たに追加された物としては、タンパク系原料の(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルク、シャンプーにも配合荒れていたグリコシルトレハロース、アマモエキス、ハマナス花エキス、腐植土抽出物等があります。あと、シャンプーでも添加されていた、アミノ酸の一種ノエクトイン。

 

まず、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルクは効果はあるのですが、タンパク系原料としては2018年版にも加水分解コラーゲンが配合されていたので、これを代替したんですね。

タンパク系原料なのでそれなり効果はあって、どちらが優れているとは言い難いものがありますが、名前が長い分2019年版の方が効くような気がする(^_^;)

 

グリコシルトレハロースは、どちらかと言うとスキンケアに使う原料なんですが、そんなに高くないのでヘアケアにも使えるなと、私も今商品を見て気づきました(^_^;)

スキンケアではべったりしているようで、べったりせず、保湿感も高い、なかなか使い勝手の良い原料です。

 

アマモエキスとハマナス花エキスは、比較的最近できた原料ですね。

概要は下のほうにまとめましたが、結構良さそうな感じです。

 

腐植土抽出物(フルボ酸)については、度々書いていますが、明らかに怪しい原料です。

効果も出自もファンタジーだし。

ジュレームフルボス発売からコーセーさんの製品に使われているのですが、コーセーさんがなぜこれを使い続けているのか、理解に苦しみます。そう遠くなく規制が入るんじゃないかと、思っています(^_^;)

 

最後はエクトイン。

シャンプーでも書きましたが、エクトインとはアミノ酸の一種で、ある種のバクテリアが極限環境下に生息する際に、蓄えている成分とのことす。タンパク質になって身体の一部になるここはばく、細胞膜周辺に存在し、保湿剤としてはたらいている。らしいです。欧米ではそれなりに使用実績があるらしいです。

高価そうなので、量はあまり配合されてないと思います(^_^;)

 

さてこれで、ジュレームシュープリームの解析もも終了。

一番効果が出るパートである、コンディショニング剤と油剤の変更がないので、肩すかしでしたね。

 

後は例によって、原料ごとのコメントをまとめておきます。

 

やっと今シーズンの日焼け止めの解析に行けます。

 

 

 

 

ワックス類

・セテアリルアルコール:コンディショナーやトリートメントに良く使われる、一般的な固形油の1種。

・ベヘニルアルコール:コンディショナーやトリートメントに良く使われる、一般的な固形油の1種。やや硬いクリームが得られる。

 

コンディショニング剤

・ベヘントリモニウムクロリド:ヘアコンディショナーやトリートメントでは主要な基剤の一つで、ワックス成分を乳化してクリーム状にする効果と、髪を柔軟にする2つの効果を持つ成分。一般的には、四級カチオンやカチオン界面活性剤と言われる成分で有り、コンディショナーやトリートメントを作るために欠かせない成分でもある。特にこのベヘントリモニウムクロリドは、水をはじく疎水基部分が長いため、親油性である毛髪表面に吸着する効果が高く、高い柔軟効果やコンディショニング効果を発揮させやすい。現在、最も良く使われているコンディショナー基剤です。

・ジステアリルジモニウムクロリド:ヘアコンディショナーやトリートメントでは主要な基剤の一つで、ワックス成分を乳化してクリーム状に巣r効果と、髪を柔軟にする2つの効果を持つ成分。一般的には、四級カチオンやカチオン界面活性剤と言われる成分で有り、コンディショナーやトリートメントを作るために欠かせない成分でもある。特にこのジステアリルジモニウムクロリドは、水をはじく疎水基部分が2本有り、親油性である毛髪表面に吸着する効果が高い。髪に高いコンディショニング効果と、油性感を与えることが出来る基剤。

・アルギニン:髪や肌に吸着しやすい、塩基性アミノ産の一種。安全性が高いため、化粧品ではpH調整に使われる事が多い。血行促進効果や、ビタミン並みの細胞活性化・創傷治療効果を有し、抗酸化抗糖・化効果も発揮する。必須アミノ酸では無いが、生体内に広く分布しており、胎児の成長に必要なことから、生命の根幹に関わるアミノ酸であることが示唆される。味は苦い。

・ヒスチジン:塩基性アミノ酸の一種で、抗酸化・抗糖化効果に優れる。最近では疲労回復効果で有名。

・リシンHCl:塩基性アミノ酸と呼ばれるアミノ酸で、髪や肌に吸着しやすい性質がある。また特に、抗酸化効果と抗糖化効果が高いアミノ酸であり、角質層の糖化を防ぐ事で肌の透明感が向上する報告がなされている。

・グルタミン酸:身体を構成するアミノ酸であり、酸性アミノ酸と呼ばれるアミノ酸。旨みがあるため調味料としても販売されています。美容成分としては、PCAナトリウムの形に変わって保湿性を高め、肌の角質層に多く含まれています。

・アモジメコチン:アミノ基をつけて毛髪への吸着力を高めたシリコン油。

・ジココジモニウムクロリド:二鎖型カチオンと言われるタイプのカチオン界面活性剤で、髪への吸着が強い。疎水基の鎖長は短いため、使用感としては、毛髪保護効果よりも、毛髪の滑り性アップ寄りになる。

・ステアルトリモニウムクロリド:一昔前はどの会社も使っていた、代表的なトリートメント基剤。くし通りがよく、柔軟な髪に仕上げることができます。

・ポリクオタニウム-7:シャンプーによく使われている、カチオン化ポリマーと言われる成分の一種。特に、毛髪上に柔らかい皮膜を作る事と、シャンプーの刺激を弱める事、それにシャンプーの泡立ちを高めるという特徴がある。ボディソープや洗顔料に使われる事も多い。

 

油剤。

・ジメチコン:化粧品では一般的に使われているシリコン油。

・エチルヘキサン酸セチル:顔料分散性に優れ、軽くさっぱりとした使用感の低粘性の油剤。エチルヘキサン酸とセチルアルコールを結合させたエステル油であるが、細かく調べると、エチルヘキサン酸は石油由来で、セチルアルコールは植物由来となっている。

・水添ヤシ油:ヤシ油(ココナッツオイル)を水素添加して不飽和結合を無くし、安定にした油。ペースト状でエモリエント感が高い。

・オリーブ脂肪酸エチル:オリーブ油脂肪酸のエステルで、成分的にはオレイン酸エチルとほぼ同等。粘度が低く吸収性の良い油剤です。

・ステアリン酸グリセリル;乳化機能を持つ、植物由来の固形油。化粧品でよく使われる。

・水添パーム油:水素添加して不飽和結合を無くし、安定性を高めパーム油。ペースト状〜固形の油で、エモリエント感が高い。

 

 

防腐剤

・フェノキシエタノール:比較的低刺激な防腐剤。ナチュラル系の化粧品に使用される事も多い。

当ブログでは、安全性については以下のエントリーで詳しく書いてます。

プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介

http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12119450565.html

・メチルパラベン:比較的低刺激な防腐剤。ただし、環境ホルモンや蓄積性の点で叩かれることも多い。環境ホルモンについては多くは根拠の無い噂であるが、蓄積性についてはファンケル社が学会で報告し、報文を出している。(ただし、防腐剤の蓄積による影響は、可能性レベル)

化粧品中の防腐剤は皮膚に残り、肌にストレスを与える(IFSCC*2005 in フローレンス中間大会)

http://www.fancl.jp/laboratory/report/17.html

・安息香酸Na:広く使われている、比較的低刺激な防腐剤。食品にも使われる。

 

 

保湿剤、増粘剤他

・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。

・グリセリン:多価アルコールと呼ばれる、代表的な保湿剤

・(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解シルク:加水分解タンパクの一種である加水分解シルクに、シリコン基を持たせた、シリル化タンパクの一種。タンパク系の原料にシスコンの良さ祖取り入れた使用感となる。メーカーの説明によれば、「親水部であるペプチド部分が毛髪の損傷部位に選択的に収着し、“ヒートアクティブ効果”により、毛髪表面を保護します」とのことで、ドライヤーの熱などで皮膜を作る効果が高まり、毛髪補修効果が増すらしい。

・アマモエキス:水を浄化させ、花を咲かせる海藻アマモから抽出したエキス。角層の水分保持機能を向上し、肌肌のハリと透明感を保つ効果がある。

・イソロイシン:分岐鎖アミノ酸の一種。人の筋タンパク中に多く含まれ(約35%)、運動中にも分解されるため、アスリート御用達のアミノ酸。意外にも水溶性が低いアミノ酸で有り、肌からの水分蒸発を防ぐ効果があるとする研究もある。甘い香りがするが、味は苦い。

・エクトイン:ロイシンやバリンのような、環状アミノ棧の一種で、ある種のバクテリアが極限環境下に生息する際に、蓄えている。タンパク質になって身体の一部になることはなく、細胞膜周辺に存在し、保湿剤としてはたらいている。

・グリコシルトレハロース:保湿剤であるトレハロースにグルコシル化という処理をして、より保湿性を高めた成分です。使用感的にはトレハロースを更に強力にベタベタにした感じですが、高い保湿効果を持っており、少量でも効果があります。

・グリシン:中性アミノ酸の一種。最も小さな化学構造を持つアミノ酸で有り、体内で様々なアミノ酸に代謝される。化粧品では保湿剤として使われるるが、一般的にはパンに照りを出すなどの食品用途や、栄養剤に使われている事も多い。味は甘い。

・グルタミン酸Na:身体を構成するアミノ酸であり、「酸性アミノ酸」と呼ばれるアミノ酸。旨みがあるため調味料としても販売されています。美容成分としては、PCAナトリウムの形に変わって保湿性を高め、肌の角質層に多く含まれています。

・シトルリン:中性アミノ酸の一種。体の中で代謝されてアルギニンになり、様々な効果を発揮する。効果はアルギニンに準ずる。

・セリン:中性アミノ酸の一種。角質層に最も多いアミノ酸。

・ハマナス花エキス: 北海道の道花として知られるハマナスの華から取ったエキス。ビタミンCやポリフェノールが豊富で、古くから生薬として利用されてきた。化粧品としての効能は、抗酸化や抗糖化で、アンチエイジング化粧品に使われる。

・マルチトール;トウモロコシや、じゃがいも、さつまいもなどを原料とした甘味料の一種で還元麦芽糖と呼ばれることもある、化粧品では保湿剤として用いられる。

・バリン:分岐鎖アミノ酸の一種。人の筋タンパク中に多く含まれ(約35%)、運動中にも分解されるため、アスリート御用達のアミノ酸。意外にも水溶性が低いアミノ酸で有り、肌からの水分蒸発を防ぐ効果があるとする研究もある。味は苦い。

・プロリン:中性アミノ酸の一種。アミノ酸の中では、PCAソーダと並び最も保湿性が高いアミノ酸。味は甘い。

・腐植土抽出物:フルボ酸のことです。フルボ酸は沼とか湿地とかの土壌を分析するために、いろいろと分離していって得られる、最後の不純物です。最後に残った不純物なので、単一の成分では無く混ざり物であり、成分も一定していません。一定してなのでなんともいえないのですが、そもそもどこの土から採取したかで、組成も変わると思われます。こんなものなのに、一定の効果が測定できるはずもなく、「何か効果があるのでは」とか願望が言われている不思議な原料です。いわば、ファンタジー原料ですね。しかし、化粧品だけで無く、怪しい食品にも使われています(^_^;)

・BG :多価アルコールとも呼ばれる、グリセリンの親戚のような保湿成分です。若干の抗菌性があります。

・EDTA-2Na:一般的なキレート剤。製品の品質変化を防ぐ。

・イソプロパノール:アルコールの一種だが、エタノールより強い臭いがあり、化粧品で使われる事は少ない。殺菌力もエタノールより強いが、安全性は同程度と言われている。トリートメント基剤となるカチオン活性剤の溶媒として使われている事が多い。

・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。

・グリセリルグルコシド:酒造会社の白鹿が発見した日本酒由来の保湿剤で実際には酵素法で生産されています。機能としては美白効果やターンオーバー促進などの、アンチエイジングですね。

・セテス-20:親水性の乳化剤。分散効果に優れ、広く使われる

・ヒドロキシエチルセルロース:化粧品でよく使われる、汎用的な増粘剤。

・加水分解水添デンプン:グリコシルトレハロースの副生成物で、必ず揃って表示されることになってます。