わたしは、
クラシックの曲の譜読みには
メトロノームを使います。
譜読み、つまり
“とりあえず譜面の通りに
弾けるようになること”は
要は脳に新しい回路を作ること
だと思っていて
それは、音の一つ一つを
1)耳がきちんと理解し
2)音を出す前に想像できる
ようになることだと思っています。
回路ができてしまえば
指は勝手に動きます。
わたしの師匠はいつも
「耳が欲すれば指は動くのよ」
と言っていました。
身体の運動機能よりまず「耳」です。
身体は あとからついてきます。
「耳」というのはつまり
脳の解析能力だと思うのですが・・・
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難しいことは抜きにして
そのやり方です▼▼▼
[1]その曲をラクに弾けるテンポに設定し
メトロノームを鳴らして
そのリズムに身体を乗せながら弾いてみる。
あくまでも「リズムに乗りながら」。
[2]難しい場合は曲を短く
(例えば2小節などに)区切って
その部分を“生き生きと”弾いてみます
[3]余裕がなくて「生き生きと」弾けない場合は
さらにテンポを落とし、
とにかく「ラクに」弾けるテンポで。
[4]生き生きと弾けるようになったら
テンポを「少し」ではなく
一気に上げます。
[5]速くしたテンポで弾けなかったら
「余裕を持って生き生きと弾けるテンポ」
まで落とします
[6]このテンポで何度も弾いてみます。
繰り返しになりますが
「リズムに乗って」「生き生きと」。
[7]これができたら[4・5・6]を繰り返し
理想のテンポでできるようになるまで
繰り返します。
ポイントは、
繰り返し練習するのはあくまでも
「余裕の持てるテンポで
リズムに乗って生き生きと」弾くこと。
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昔、ある先生に
メトロノームの目盛りを1つずつ上げていく
と教えられましたが
わたしの経験では
この方法はあまり良くありませんでした。
別の先生は
「ゆっくりで100回弾けたら速く弾ける」
とおっしゃっていました。
これは真理を突いているなあと思います。
最初の方に、
「譜読みは脳に新しい回路を作ること」
と書きましたが
今の自分の脳の解析速度に合わせて
ゆっくりゆっくり弾いていると
徐々にその回路ができて行くのがわかります。
「リズムに乗って生き生きと弾く」ために
わたしは必ず足踏みをしながらやるのですが
この方法については
また改めて書きたいと思います。
さらに、中に休符を挟みながら弾く
練習方法がありますが
これもまたの機会に。