6月末から2ヶ月限定で浴衣販売のバイトをしていました。

なぜに販売?というと。

夏は浴衣の季節。着付けでは浴衣の需要はありますが、単価は安いのと花火大会など土日に限られて、実は仕事はそんなに多くない。

 

去年までは吉祥寺でバイトしていた経験も生かしたいなというのと、今から呉服屋さんで働くとなると色々まだ勉強しないといけないことも多いので簡単なことではないのですが浴衣だったらわかりやすいし、普段着物を着ない人達とも関わって浴衣を買うお手伝いできるからいいな!と思ったからなのです。

 

実は当初応募したところとは別のところを紹介され、通勤に時間がかかることが一番心配だったのですが、短期だしなと思って決めました。

実家のそばにもあって昔から親しみのあった某小売店の催事コーナーでの販売。お店の研修に決まりなど独自のものは色々ありましたが、売り場の一角なので人の出入りは多いし、すごいヒマということはほとんどなかったのでその点はとても助かりました。

 

他にも店員さんがいてという感じかと思ったら、専任はまさかの私一人。

他の売り場も兼任していて休みの時や土日は一緒にお手伝い頂ける方ももちろんいましたが、結構お一人で任せきり状態はビックリ。

そして、女性男性浴衣だと思っていたら、まさかの子供浴衣も売り場にあり、そっちもお願いしますと。

子供物はうちにあった昔の自分達のくらいで、私もそんな知識とかないし、販売したことないけど大丈夫かなーと。

 

とはいえ、6月末の初日からお客さまはいらっしゃるし、意外と小物から何から売れて行くし。

まだ6月末だったので、本気買いな方はいなくとも、下見だったりちょっと聞きたいんですけどというお客様も多く、お話していると1日はあっというまでした。

 

ここの仕事に決めた理由のひとつは浴衣で接客できることで、更衣室で着替えてもよかったのですが、通勤長いので電車が遅れて時間なくなるとかも嫌だったし何度も着替えるのが手間なので浴衣通勤をしていました。

暑くない?とよく聞かれましたが、冷房の強い電車や店内で1日こもりっきりで冷房病にもならず2ヶ月間体調も崩さないですんだのは、浴衣のおかげかなあと。

 

この時期で都心とは違って浴衣や着物の人ってそういないので店内でも目立つらしく、お客さまにも他の売り場のこと聞かれたり、着物好きなおばさまに褒められ話かけられたり、社食でも従業員の方に帯結び聞かれたり、なんだか非常に面白い経験でした。

 

小売店の浴衣なので、さほど高価なものはなく、帯もほとんど作り帯で下駄までセットというものが多く。(男性も)

袋に入っている状態なので、試着の際に開けてしつけをとって、また元に戻したりという作業が試着が多いときは大変でした。

 

セットがほとんどなので、帯合わせのコーディネイトなどはできないのでそういう点は若干物足りないところはありましたが、本当に色んなことを聞かれるし、着物を普段着ている人からすれば当たり前のようなことでも年に1回着るか着ないかくらいの方々にすれば、わからなくて当然だよなーと思いましたし、そういうことを聞ける場所っていうのはやっぱりお店の店員さんしかいないから、ただ販売するだけというよりなんてことないことを聞けたり相談にものってくれる店員さんというのが必要なんだということを実感しました。

 

ちなみに一番よく聞かれた質問は男女子供すべて共通して

「浴衣って洗えますか?(自宅で、洗濯機で?)」

でした。

これは着物=洗えないのイメージからくるものなんだろうなと思いますが。

 

今回実は一番勉強になったのは子供もの。

ドレス浴衣がこんなに売れるものとは思いませんでした。

子供浴衣も全部肩上げ、腰上げがしてあるものかと思ったらそれは130cmまでで、140−160cmは大人と同じ仕様になっていたり。

子供は足痛くなるから足元はサンダルでいい派が多いのかと思ったら、意外と下駄履きたい派が多くて売れたり。

4月にキッズの撮影があってからの子供浴衣販売で、だいぶ子供ものに詳しくなりました。

体型見て身長も検討がつくようになった♪

 

地域によってお客さまの層は多少違うとは思いますが、最近は職場で浴衣か甚平が必要なのでと言っていらっしゃる方も多く。

幼稚園の先生だけじゃなく、会社の夏祭りとか地域のお祭りとかでしょうか。

スタッフも着用義務になっているようで、男女とも大人の方多くいらっしゃいました。

若干めんどくさそうな感じではありましたが(笑)着る機会が増えるというのはいいことだし、これを機に和装の良さに気づいてもらえたらいいなあと思います。

 

2ヶ月間フルタイムで結構みっちり久しぶりに働きましたが。

本当に思っていたよりも色々なことが勉強になって、今までやってきたことも活かせたし、沢山のお客さまとお話できて楽しかったです。

私も知らないことをお客さまから教えて頂いたり、着物好きなおばさまと着物話したり。

7−8着の浴衣を帯を代え、着回してましたが、帯結びを聞かれたり、着姿もよく褒めて頂きました。

こんな感じで自撮りまとめ。

 

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最終的に思ったのは、着付師だけしてたらわからないでいた事ばかりだったなということ。

着付けはしたらそれで終わりだし、着る人あっての話だけど実際はそうでない人の方が多いし、関心はあっても聞ける人がいないという方がほとんどだということ。

 

夏のシーズンになるとよく聞く着物を着る人、着付師からの目線の若い人や普段着ていない人達への

「若い女の子の着方がだらしない!」

「男の子の帯の位置が高すぎる!」

というような意見は、あくまでも着ている人達だけの世界で成り立っていること。

 

1年に1回着るかどうかの人がそんなに綺麗に着れるものでしょうか。

セットの男性浴衣の帯がほとんどマジックテープで付ける作り帯(全然ちゃんと締まらないですよ)なこと知っているんでしょうか。

 

この一般の人と着物を普段着る人達のあまりにも離れた現実に気がつけたことが一番大きな収穫でした。

そして、この溝は埋めないといけないなあと。

あくまでも浴衣や着物を着たいと思う人の目線に合わせて私は着物を広めていきたいし、お手伝いをしたいと強く思いました。

 

なんだか自分の着物活動も転機になった気がします。

今年は色々と変化の年になりそうです。