実は今年から日舞を始めました。

 

きっかけは現在住んでいる調布市のお友達が主催する「着物にあうヘア講座」があり、その際に来て頂いた講師の先生が

日舞の発表会の時にヘアを担当して頂いた方だったのです。

お友達は3名初心者で出演していて、今もお稽古を続けているとのこと。

調布日本舞踏連盟主催なので、月2回市の施設で格安でお稽古ができ、アットホームで楽しいとお話を聞いて。

 

同じくご近所仲間で子供の頃日舞を習っていたという着付師のCさんと着物を着た所作が美しくなりたいなあと和物の舞台を見て思っていた歌舞伎好きの私は一度体験してみようということで5月末にお稽古に参加してきました。

 

着物を着るいい機会にもなるし、お稽古に集まった生徒さん(研修生というくくり)達は女子高生から主婦の方々までで、個人だったりグループで習っている振り付けを各自先生からレッスンを受けます。

 

日舞の先生は西川流の西川喜優先生。いつでもうっとりするような素敵な着物と着姿でも、気さくに丁寧にお稽古をしてくださいます。

体験で一つ短い振り付けをCさんと踊り、難しかったけどとても楽しかったので続けたいなと思っていたら、ぜひ10月の発表会にも出てくださいという流れになりました。

お稽古は月2回土曜日で、着付師のCさんと夏は浴衣販売で土日勤務していた私はお稽古に来れない時期もあり、数回のお稽古で発表会なんて大丈夫かしら?と不安でしたが、皆様の後押しもあり参加することに。

 


私達は一番初心者なので短い「祇園小唄」の一部を踊ることに。Cさんと一緒かと思いきや、Cさんは秋で私は冬のパートを一人づつ踊り最後のお辞儀だけ一緒という実質ソロになりました。

お稽古も先生と一緒に踊っているときはわかっても一人で踊ると何か形は違くなったり、動画を撮らせて頂いて振り付けや細かいところを確認して家で練習しましたが、自分のぎこちない動きに笑ってしまいます。

 

ダンスはずっとしているので踊りに関しては抵抗はなく、振り付けは覚えられますが着物を着て踊るということはなかなか難問で。

袖を持ったり、重心を低くして膝と膝を合わせてすり足で歩くこと、あと今回は扇子を使ったので扇子さばきも苦戦しました。

音楽も歌詞があり、合わせるようにはなっているのですが早く動きすぎてしまったり、ダンスのようにきちっとはめる感覚がないのでどうにも間が持たなくなってしまったり。

歌舞伎が大好きで舞踊は特に好きで沢山見てきて、今回も実は発表会直前に悪あがきで歌舞伎を見に行ったのですが。

軽々と優雅に踊ったり、扇子を扱うのをまじまじと今回真剣に見て本当にああこれは一朝一夕には出来ることじゃないんだなと思いまた勉強になりました。

 


本番当日は朝一度、会場の舞台で浴衣姿で踊り、その後ヘアメイクと着付けをして頂きます。今回私はヘアは自分で挑戦しましたが、昔習ったことをだいぶ忘れていて悪戦苦闘。皆さんがヘアセットをされる様子を見ていて、またもうちょっと勉強してし直したいと思いました。

 


着付けも先生方が日舞の着付けをしてくださいました。人に着付けしてもらうのは久しぶりでなんだか新鮮、そして日舞の着付けというのも通常の着付けとは違って体感することですごくよくわかりました。全ては踊りやすく、踊ったときの着物姿が綺麗に見えるための着付けなんですよね。

帯結びも普段あまり見ることができない、踊りの角出しや後見結び、立て矢も右が上の踊り用だったり本当はじっくり着付けの様子を見たくてうずうずしていた着付師のCさんと私でした。

 


最後のメイクも白いお粉をはたき眉と目頭、目尻に赤いポイントメイクをして狐のような踊りメイクになります。

最初は違和感ありましたが、皆さん同じようになるのでそれが至って普通に思えてきて不思議でした。(笑)

 

出番は私達が一番最初で私は袖で最初待機していて出てくるのですが、袖にいる時に久しぶりにドキドキしました。ダンスで舞台は何度も踊っているけれど、常に群舞なので小さい舞台とはいえひとりで踊るのはまた違います。

出てしまったら、案外落ち着いて客席を見る余裕はあり、やっぱり途中でなんか早すぎる?また音が余るぞ?と思ってゆっくり動きだし、なんとか最後は辻褄を合わせることに成功しました。(安堵)

 

本番前の私達。



幕が降りて袖に戻る時に袖にいらした先生に笑顔でよかったわよと言われた時に本当にホッとしました。

その後は安心して他の研修生の皆さんの踊りを見て、他には準会員、正会員の生徒さん達の踊りがあり(中には5歳の女の子も!)最後は先生の踊りでした。

 

皆さんそれぞれ違った着物に踊りに小道具があり、興味深く見させて頂き、先生が踊る姿を今回初めて見て出てきた瞬間から綺麗!と思う着姿とオーラ、表情がいつも笑顔で柔らかい先生の姿と違っていて(黒留袖できりりとした踊りでした)感動しました。

 

終わってからは研修生の皆さんで記念撮影タイムで先生との2ショットに行列。

やっぱり皆さん先生に憧れていて、先生に習いたいという方々ばかりなんだなあと思いました。女性にとって習い事ってそこが続けられる大きな理由だと思います。

 


気軽な気持ちで始めた日舞は思いのほか私にとっては着物に関わる者として日本の伝統文化を学ぶという勉強になること、新しい世界に踏み入れられた気持ちがあってお誘い頂いた皆さんに感謝です。

本格的に習うとなるとお金も時間もかかる和の習い事の世界。

そう思うと調布市は恵まれていると思うし、月2回の土曜日だと行けない時もあったりするけれど、これからもマイペースに続けて行けたらいいなと思っています。

 


先生、連盟の事務局様、研修生の皆さんありがとうございました。