Dolls in Story 幸福の王子 3 | 氣仙えりかのフェイクスイーツ&ドールブログ

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フェイクスイーツ作りをまったり楽しんでいます。ドールでは東京ローゼ(えりっく)名義で活動中。


 Photo:帽子屋

もう片方のサファイヤの瞳をつばめが運んでいる間、王子は考えます。
「もう見ることはできなくなったけど、かえっていろいろな
 事がわかるようになったくらいだ」と。

町の人の喜びの声

弱くなってしまったつばめの羽音

自分に近づく足音。


*   *   *    *   *   *


今回制作にあたってあらためて「幸福の王子」の物語を読みました。
最初に思ったのはなぜ王子様はつばめの命を顧みずに
宝石を運ばせたのかなあと。
ぼっちゃま育ちで空気が読めないのかしら・・・・とか。

でも何度か繰り返し読んでいてはたと思いました。
王子は何もかものみこんだ上でお願いをしたんだなあと。

自分はその国の最高権力者である王族で
「今この国のためにしなくてはならないこと」に
広場に立つことで気がついていきます。
自分の判断で他者の命や人生を左右するという重み。
それは時に罪をともなうものであるという事。
誉められる飾りではなく、誰にも知られなくても責任を全うする事。
自らをいとわず、罪も引き受けてなすべきことをする
実は聡明な人なのだと気がつきました。

つばめは知らずに、愛とは与えられるのを待つのではなく
みずから与えるものなのだと気がつきます。
自分を犠牲にしても目的を果たしたつばめは
身も心もあたたかい国にたどりつくことができたのだと思います。