劈頭 | 御舂屋(おつきや)のブログ

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2014年からブログを書いていますが、最近半分以上ブログを消しました。

初めまして。
ここでは常々の胸裡を旗幟鮮明に叙説していくための場に使いたいと思う。

ゆえにご了承願います。

ある催しものに遊びに行った時のこと。
幕末期の写真が飾ってありました。
名だたる武士が勢揃いしてあるもので、世間では、すでによく知られたものなのだったが、俺はそれらをちゃんと見たのは初めてのことで、一瞬、この人達がどこかの国の夷人のような印象を受けた。それほど、今にちとの差異があったのだろう。これが日本だった。そして、日本人の姿だった。たかだか、150年ほど前のことなのに、まるで違う世界のようだな。この国で、日本人としての暮らしが伝統的に守り続けられていた時代。テレビの時代劇は現実味はないし、浮世絵も同類。皆が着物を着てた砌なんて、完全にファンタジーでしかなかった。



皮肉にも、開国したからこそ、現代の私たちの目にあいまみえるのだが、今の復元技術って凄いんだね。他にもカラー写真で、いろんな美妓や、うら若い美姫のたおやかな艶姿、ひなびる町人の生活を見た。現代人の共有する価値観や常識、感性では計れない神代の世界に生きていた。筈だ。武士は皆、刀を腰に持っている。面構えが異なるのは一目瞭然。彼らの顔に嘘はない。干戈における武士道の悟りは覚悟そのものを越えたとこにある。今日は憲法記念日ですけれども、現日本国憲法は我田引水の理により、諸外国から与えられたものなのは御周知のとおり。かつては国のため驥尾に付すと集った人達。悲しいかな日米修好通商条約に批准したその時、日本人のための日本はもう、お侍さんたちとともに泡沫の夢のあとだったのかも知れない。しかし、武士の魂は昭和の末までは息づいていたことは、儚くも、隆盛を誇ったその時代に生きていた俺は精華の残照から確かに知っている。




















■漢字読み方

旗幟鮮明………きしせんめい。態度、主張がはっきりとした様子。

夷人………外国人。

砌………みぎり。時間こと。

美妓………びぎ。美しい芸者。

美姫………びき。美しい女性。

ひなびる………田舎風で素朴な感じがする。

干戈………かんか。武器、戦時中。

神代………かみよ。神が治めていたという時代。

驥尾に付す………きびにふす。優れた人に付き添って事を成し遂げることができるという例え。

批准………ひじゅん。条約にたいして国家が同意すること。