■あれから1年…「ごめんなさい、愛してる、そして忘れません」

市庁前ソウル広場で今日午後7時から行われたセウォル号追悼文化祭「4・16約束の晩」。

●終わらぬ悲しみ確認した一日

何度悔やんでも悔やみ切れない、あのセウォル号沈没事故から1年を迎えた今日、韓国では、SNSや街中で「リメンバー20140416」、「ごめんなさい、愛している、そして忘れません」などの追悼の文字を多く目にし、国民全体が終わらない悲しみを確認した、とてもやるせない、つらい一日でした。

全国各地で合同焼香、追悼行事が行われ、檀園高校のある安山市は午前10時、犠牲者追悼のサイレンを1分間鳴らすとともに、市庁や区役所等に「一つの小さい動きが大きな奇跡を」と書いた黄色い旗を掲げ、タクシーやバスも追悼の黄色いリボンをつけて運行しました。

プロ野球は、始球式、チアリーダーの応援、アンプ使用などをなくし、選手団は試合開始前に全員で犠牲者に黙祷を捧げるとともに、帽子とヘルメットに哀悼の意味の黄色いリボンを付けてプレーしました。

午後7時からは、遺族団体「4・16家族協議会」や「セウォル号惨事国民対策会議」などが集まった「4・16連帯」の主催で、ソウル市庁前のソウル広場に、遺族と関連市民団体をはじめ追悼客約3万人（主催側発表）がつめかける中で、セウォル号追悼文化祭「4・16約束の晩」が開催されました。

市庁の建物に、黄色いリボンの絵と共に「忘れません～セウォル号遺族たちと痛みを最後まで共にします」というメッセージが掲げられる中で行われたこの日の行事では、歌手やバンド、舞踏家のパフォーマンス、詩人による詩朗誦、犠牲者生徒が生前に母親に宛てた手紙とそれに答えた母親の手紙の朗読などが行われ、熱い涙で故人を追慕し、遺族と心情を共にする場となりました。

●第1回「国民安全の日」に

朴槿恵（パク・クネ）大統領は、事故現場の珍島・彭木港を訪ね、焼香所で焼香と献花をしようとしましたが、遺族らがそれを願わず、入り口を、まだ発見されない行方不明者9人の写真パネルでふさいだため、その写真を一人ひとりを見ていくことで焼香に代え、その後、行方不明者家族の臨時宿所にも立ち寄ってから、海岸防波堤で対国民メッセージを発表しました。

大統領のメッセージは、主に遺族らが切に求める船体引き揚げに関するもので、「必要な手続きを迅速に進め、可能なかぎり早い時日内に船体引き上げを行うようにする」と強調、「愛する人たちを突然送るしかなかったその悲痛な心情と、残された家族たちが背負っていかねばならない苦痛を思うと心が重く痛い」とし、「政府は、遺族及び行方不明者の方々の困難を解決するために最善を尽くし、犠牲が無駄にならぬよう、大韓民国を、国民一人ひとりの安全を守る国に生まれ変わらせる」と誓いました。

また今日4/16は、事故を受けて「国民安全の日」に制定されましたが、第1回としてソウルのCOEX総合展示場で政府主催行事が行われました。国民安全処大臣はじめ政府関係者、道路交通団や海洋救助隊など安全分野の従事者、地方自治体や民間団体関係者ら約千人が参加して、「国民が安全で幸せに暮らせる国づくりを進める」と誓いました。

●キム・ウビン君が贈った手紙

またこの日、EXOのチャニョル、Girl's Dayのミナ、シャイニーのジョンヒョン、SHINHWAのキム・ドンワン、DJ D.O.Cのキム・チャンニョル、Sunny Hillのスンア、2AMのチョ・グォン、女優のチョン・リョウォンなど、多くの芸能人も追悼メッセージを発信したということが、各メディアで報道されました。

特にその中で、自らのファンだったという犠牲者の生徒に、直筆の手紙を贈った若手人気男優の二人のことが話題を集めていました。

俳優のイ・ジョンソク君は、故人のお姉さんの求めに応じて、「君の19番目の誕生日を心からお祝いします。花のように美しい君がいるそこはいつも春であることを…」という直筆の手紙とサインを贈りました。また、俳優のキム・ウビン君は、故人の友達たちの願いに応えて、以下のように直筆手紙を贈りました。

「あまりにも清くかわいい○○。昨日もオッパは、君のおかげで中国でファンミーティングを無事に終えて帰ってきたよ。君がいるそこは、君が経験したここよりも、もっと美しくてきれいだよね？これから時間がたくさん過ぎて、僕らが出会う日には、きっと写真も一緒に撮ってよい思い出をたくさんつくろうね。その時まで、○○もオッパをたくさん応援してね。僕も○○がそこで楽しく観られるような作品をたくさん撮るから。君が僕のファンでいてくれて本当に感謝する。ありがたく、僕らは皆すまなく思う。早く会おう○○、愛しているよ」