Illustratorの文字編集にRegX その3 | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

正規表現は文字列そのものでなく「段落の先頭」や「¥マークに続く」などの位置などの条件検索が出来ます。

例えば段落の先頭にナカグロを挿入するとします。
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手動で入れるのは大変なこの作業も、設定は「^(.)」「(・$1)」これだけです。

これはRegXに予め設定してあるプリセット「行頭に●を追加」の「●」を「・」に変えるだけで出来てしまいます。メタ文字がわからなくても何とかイケそうですね。

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また、文字列をブロック(正式にはグループ)として抜き出して、場所を入れ替えて置換することもできます。

例えば「144分の1スケール」なんてあったとして、「000分の1」を「1/000」と統一するとします。レイアウト上に無数にある数字部分の分母と分子を入れ替えつつ、「分の」を「/(スラッシュ)」するのはとても大変な作業です。
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これも正規表現なら(\d+)分の(\d+)を($2/$1)とするだけです。
この辺までは正規表現の基本的な機能なので、説明が必要ない方もいらっしゃると思います。




さて、RegXでできるのは検索置換だけではありません。

検索しつつスタイルをあてたり、独自の機能で置換時に形式を置き換えることも出来てしまいます。今回はスタイルへの置換と、置換時に数字を3桁ごとにカンマをいれる「$C」をご紹介しましょう。

カタログスペックのような体裁で、以下のようなブロックがたくさんあるとします。

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これを以下のような体裁にするとします。

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・1行目、シリーズ名(段落スタイル適用)と商品名(文字スタイル適用)
・2行目、スケール(段落スタイル適用)。1/000と表記し、スケールをScaleに変更
・3行目、定価(段落スタイル適用)、数字を3桁区切り、金額(文字スタイル適用)、税込みを税込へ変更

このようなレイアウトだと、先に体裁を整えたダミーフォーマットを作り、テキストをコピペで貼っていくケースも多いと思われます。

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しかし、RegXなら先にテキストブロックを配置しても「マッチした文字にスタイルを引っ掛ける」イメージで属性を変更していけます。

これならいちいち文字列を見ずとも、「定価」のある行は価格の段落スタイル、円の前の数字は赤太字の文字スタイル、といった具合です。


まず1行目。
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続いて2行目
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最後に3行目。
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「円の前の数字が続く限り」というグループ2を置換時に「$C2」として戻しているので、自動的に3桁区切りのカンマが入ります。これがRegXのスペシャルな部分です。

パネルが大きいので戸惑うかもしれませんが、実際には検索置換とスタイル変更部分しか使っていません。確認のためプレビューブロックもチラ見しますが。^^

このようにフォーマットが決まっていれば、スタイル置換を使えばあっという間にできてしまいます。

こんなにあっても作業はカンタン。

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               ↓

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設定を保存することも可能(スタイル設定は含みません)なので、次回以降は呼び出してスタイルの設定をするだけです。

テキスト編集の効率が飛躍的に上がる(かも)といったことを納得していただけたでしょうか?


RegXに興味がある方はPICTRIXさんのサイトへどうぞ。