今日、完全な暗闇を経験した。


全く光のない世界は、初めてだった。





ダイアログインザダークhttps://did.dialogue.or.jp/を初めて知ったのは、わたしのお姉ちゃん的存在で、社会貢献をしている数多くの団体や人物の広報支援をされている若林直子さんがきっかけだった。



わたしはこの方に出会って、知らなかった世界をたくさん知った。



ダイアログインザダークもその一つで、世間一般的には「障がい」といわれるものを持っている人の世界を、そうでない人たちにも体感してほしいというものだ。




いままで、「ダイアログインザサイレンス(音のない世界。聴覚障がい者の方がアテンドしてくれる)と、「ダイアログインザタイム(お年寄りがアテンドしてくれる)は体験させてもらい、
※そのときのわたしのブログ記事はこれ




ダイアログインザダークだけ、未体験だったのですが、今日やっと、やっとやっと体験できたの。




この感覚がまだ残っているうちに、ここに書いておきたくて。






全く光のない世界にいってみてわかったこと。




まず、暗闇は思っている以上に、自由だということ。心が、自由になるということ。





光が消されて、暗闇になったその瞬間の気持ちを今でも覚えてる。




なんかうまくいえないんだけど、すごく、すごく安心した。だれにもみられていない安心感がこんなにあると思わなかった。




それだけに、いかに自分がいつも、「人にどう思われているか」を意識して生きてしまっていることを、まずとてつもない威力で突きつけられたような気がした。





と同時に、わたしが声と音を発さないと、だれにも認識してもらえない存在になってしまうのではないかということに、ちょっとだけの恐怖や不安もあった。




けど、それよりも安心感のほうがはるかに大きかった。これは本当に不思議な感覚だった。




みんなにもぜひ体験してもらいたいので、暗闇のなかでなにをするかはここではお話ししないでおくのだけど、



暗闇では「白杖(はくじょう)」といわれる杖だけ持てる。この一本の杖が、とてもとても心強い。





視覚障がい者のかたが杖で自分の前の空間を確認しながら歩いているのをよく見かけるけど、なんかそれを少しだけ自分も体験できて、見える世界が変わった気がする。







そして、暗闇に入る前に、アテンドのくらげさん(ニックネーム)にこんな風に言われる。






「暗闇の世界では、自分の立場とか肩書きとか全部関係なしで、みんな対等です。なので、ニックネームで呼び合いましょう」




初めて会う人でも、暗闇の世界では普段より支え合えるし、頼っちゃうし、触れ合えるので仲良くなれる。




暗闇から出た後も、なんだか気心知れた仲な気がして、話が弾んだ。





そしてもうひとつ。これはサイレントやタイムの時も思ったことだけど、




「障がい者」とわたしがとらえている人たちは、わたしが思っている以上に、わたしなんかよりもよっぽどいろんなことが聞こえてるし、見えているし、できる。





くらげさんの暗闇での行動は、見えないので全部はわからないけど、察するに、わたしたちが光のある世界で行動するのとそう変わらないくらいにいろんなものが見えているような気がしてならなかった。



わたしたちが「どこ!」とか「だれ!」とか騒いでいる間にくらげさんは、空間の隅々まで把握していて、わたしたちを安心させながら誘導してくれる。杖よりも心強いのがくらげさんだった。





わたしは、いままでとんでもない勘違いをしていた。







それは、体験してみなければわからないことかも知れないけど、知ろうとしていないのもまた、事実なんだよなぁ、と思った。




暗闇で感じる、足の裏の感触、人の声、人の温度、空間、自分、全てが本当に新しい感覚で、暗闇からでて、光の世界に戻ったいまも、まだ余韻に浸っている。




暗闇から出るとき、もうこのまま、何も見えなくてもいいのではないか、こっちのほうが楽かも知れないとさえ思った。なんかこれはあんまりいいことじゃないのかもしれないけど、事実わたしは、そうおもった。


光がある世界も素晴らしいのはもちろんわかってるのだけど、暗闇の世界のほうが、いまのわたしには、気づきが多かった。








そのあとみんなでごはんを食べながら、いろんな話をした。



暗闇で、対話をすることってとてもいいかも知れない、ということ。




子どもと大人がするのはとってもいいかも知れない。



先生と生徒が暗闇で対話をすると、対等になって、むしろこどものほうが頼りがいがあって、そして子どもが暗闇だとのびのびしていろんなことに手を伸ばすことができて、先生たちの方が学びが多いかも知れない。




意見が真っ向から対立している者同士が暗闇で対話をすると、もしかしたら分かり合えるかも知れない。違う一面が見えるかも知れない。




パートナーや親子など身近すぎる人同士が暗闇で対話をすると、本音を話せるかも知れない。





暗闇での対話は、きっといろんなものを起こす気がする。




「ダイアログ」という名前の通り、代表の志村真介さんと季世恵さんは、これがきっと一番やりたいのではないかと思った。




暗闇ってすごい。



普段、わたしたちはちゃんと見るべきものが見えていないのだと知った。




この体験、本当にみんなにしてほしいです。




大切な人と、行ってください。




そしてぜひ、近くに障がいを持つ人がいたら、その方と一緒に体験してほしいです。



その方は、一瞬でヒーローになれる。



その方自身と、そして周りの方々の意識が変わるはずです。







この機会をくださった真介さん、季世恵さん、直子さん、ありがとう!!!



そして一緒にあの空間を共にしてくれたみなさま、ありがとう!!!







明日から見える世界が、変わる気がしています。