阿蘇山噴火予兆あったが…見送られた規制拡大、警戒範囲超えた火砕流


西日本新聞

森井 徹、梅沢 平

中岳や高岳山頂一帯の上空を覆う噴煙=20日午前11時56分、熊本県阿蘇市(撮影・堀田正彦)噴火した阿蘇中岳=20日午前11時45分、熊本県阿蘇市(撮影・堀田正彦)噴煙を上げる阿蘇山・中岳。周辺の山肌は灰色に=20日午後2時15分、熊本県(本社ヘリから、撮影・帖地洸平)



 阿蘇山・中岳の噴火では、火砕流が火口から北約1・6キロまで到達し、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)の規制範囲の約1キロを越えた。気象庁は噴火前日に火山活動の高まりを指摘していたが、基準を満たさないとしてレベルを引き上げていなかった。観光シーズンを迎え、人的被害が出た恐れもあり、火山防災の難しさがあらためて浮かんだ。

 阿蘇山は、火山活動の活発化を受けて13日にレベル2に引き上げられ、翌日には小規模噴火が確認された。気象庁は18日、火山性微動の振幅が増大しているとして、緊急性の高い「臨時解説情報」を発表した。

 19日には火山ガスの放出量が増えたため2回目の解説情報を出し、「火口からおおむね1キロの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性がある」と警鐘を鳴らした。


 ただ、レベル3(入山規制)への引き上げは、火山性微動や火山ガスなど数個ある現象のうち、二つ以上で急激な変化を観測するのが基準となる。気象庁は「火山性微動しか基準を超えていると認められなかった」と判断を据え置いた。

熊本県阿蘇市は、レベル引き上げに備え、道路の通行止めの対応を警察や消防と確認。火口に近い登山ルートの封鎖を検討し始めたところで、噴火が起きた。阿蘇地域の別の自治体関係者は「観光への影響もあり、気象庁の判断を超えて自治体が踏み込んだ対応はしづらい」と明かす。

 

 2014年9月の御嶽山(長野、岐阜両県)の噴火など、異変を察知しながらレベルを引き上げずに災害が発生した事例はある。火山噴火予知連絡会長を務めた藤井敏嗣・東大名誉教授(火山学)は「噴火予測は極めて難しい。気象庁はデータを見た上で総合的に判断したと思うが、安全を考慮してもっと警告を強めるべきだったのではないか」と指摘した。

 (森井徹、梅沢平)




阿蘇山の噴火、いまさら、驚く事では、無いのですが、今回、起きた火砕流の規模には、驚きました‼️

噴火しても、火砕流が、起きるイメージを持っていませんでした。

登山を楽しまれていた人達もいらっしゃった様です。

それで、被害者が、出なかったのは、幸いです。