新緑が美しい季節になってきました。みなさんお元気でしょうか?

 こどもアトリエTetteは、2023年3月31日、サークル時代の3年を含めると丸8年の活動を終えることが出来ました。今後は、自分の制作活動を中心に据え、お声がけいただいたところで関わらせていただくことに致しました。

 最後は何か特別なことが出来たらいいのかとも思いましたが、飾らない、リラックスしたいつものアトリエ、いつもの活動で終えることにしました。
 子どもたちやお母さんたちから、温かいお言葉や心のこもったお気遣いを頂き、皆を見送った後、ひとり感謝を噛みしめていました。


 思い返すと、子どもとの向き合い方に悩む親御さんから、主に造形を通してその悩みを聞かせていただくことも多くありました。私も含めて、悩みのない人はいないと思います。それだけ一生懸命に向き合っていることを、まずご自身でよくやっていると、認めてあげてほしいと思います。


 小さくてもいいから、身近なところにアトリエがたくさんあるほうがいいと考え、始めた活動でしたが、オルタナティブな教育を求める親御さんや発達障がいや登校していない子どもたち等が、自然に集まっていたことも印象に残っています。
 こどもたちが巻き込まれる犯罪や事故も増え、自然環境も厳しくなってきました。また、人口減少や社会の変化によってうまれた生活スタイルが影響し、こどもたちの日常も大きく変化したと思います。アトリエに通われていた方々は、こどもたちの訴えや不調、障がいをきっかけに、それぞれの生活環境に疑問を持ち考える中で、それぞれが出来ることを求めるうちに、自然に集まって来られたのかと思います。


 そして、何よりも、こどもたちは、アトリエで嬉々として思い思いに制作をしていました。アトリエでは、「こどもらしさ」ではなく「じぶんらしさ」を大切にしてきました。ときに、創りながらおしゃべりすることも、とても楽しいひとときでした。


 初めて来たアトリエのさまざまな材料を見て興奮する子と呆然とする子、自分が思い描くように出来なくて「つくって」大臣だったのに、小学生になれば自然に出来るようになっていた子、ひたすら「虹色」の世界を追及する子、アイディアの赴くままどんどん創っていく子、船、戦闘機、剣、銃や、しかけをつくって楽しむ少年たち、画用紙の上でどんどん色を混ぜて楽しみ、描くよりもバケツの水の色の変化に目を輝かせる幼子たち…







 評価や価値、意味から離れた空間で、それぞれのびのびと過ごし創ることができました。その現場に立ち会えたことは本当に幸せでした。
 最後に撮ったアトリエの写真を見てとってもいい空気感を感じました。それは、みんながここでたくさん過ごしたから出来たんだと、驚きと共に尊さを感じました。だから、きっと、みんなの心の中に、このアトリエで過ごした時間は残り続けていくと信じています。


 みなさんから得ていた信頼に答え続けられなかったこと、この場を借りて今一度お詫び申し上げると共に、この8年間、子どもの造形や育ちに一緒に向き合えた時間は、私だけでなく、みんなにとって宝物になったと信じています。

 8年間、本当にありがとうございました。またいつかどこかで会いましょう。お元気で。

スズキサチコ



追伸:
公式LINE、SNS等は4月いっぱいを目途に順次閉鎖します。グーグルフォトの写真とこのブログのみ、記録としてそのまま残しておく予定です。LINEで共有した写真を残しておきたい方は早めのダウンロードをお願いします。
また、私個人の今後の活動の告知は個人のインスタグラム @suzusachi0406
で行っていきます。
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