失恋の話。

友達の友達だった彼は、3人の子供のシングルファーザーでした。
子供をとても愛してて、子供のために一生懸命で、頑張ってるおとうちゃんの姿に、惚れてしまった。
子供を産んだことのない私は、子供がいる人が恋愛対象になるなんて思いもしなかったのになあ。

子育ては俺のいちばん大事なことだって
すぐに再婚する気はなく、子供の母親を求めていない彼のパートナーになりたかった。
彼を近くでいちばんに応援したいと思った。

けれど、仕事もとても忙しい中、3人の子育てをしてる彼はとにかく時間がない。
付き合い始めても、会う時間がない。電話すらも、したいときにできない。
でもそんなこと最初からわかってたことじゃないか。
たまに会えて、嬉しくて、でも子供から迎えに来てって連絡が入って行ってしまったりするとき、寂しくても、言えない。

寂しい。会いたい。声聞きたい。

募る思いを、ひとつも言葉に出来なかった。

笑顔で、理解ある、ふり。
苦しくなって、でも我慢して、ためこんでためこんで、とうとう爆発したときには
「もう無理、別れたい」と結論づけた状態でぶちまけてしまった。

彼は驚いて、傷ついて、でも俺はどうにもできないんだ、子供がいちばんなのは変えられないんだ
そんなに苦しめてたなんてごめん。俺は今、恋愛なんてする資格ないよな。
そう言って去っていった。

好きだった。大好きだからそばにいたかった。
ほんとは子供にさえ嫉妬してたよ。醜い私。
たくさん泣いた。やっぱり会えなくても別れたくないと思ったりした。

苦しんで苦しんで、心屋さんの本を読んで、自分と向き合おうと思った。

そうして初めて出てきた私の本音は

「私のことだけ見て、愛して」でした。

涙が溢れた。
私、これが言いたかったんだね。
前の彼も、元夫も、なぜかいつも他に大事なものがあって、いつの間にか私のことはいつも後回しにされて寂しかったのは
この言葉を言えてないせいだったんだね。

そう、ちいさい頃、お母さんに言いたかった言葉。

病弱だった弟。おかあさんにそっくりな目ぱっちりで可愛い弟ばかりを見ないで
私を見てよ、私だけを見てよ、愛してよって
私、言いたかったんだなぁ。

でもね。

私それ、とっくに気づいてたんだけど!!!
もう20年も前。高校2年のときブレーカーが落ちた私は、何年もかけて両親に、ためこんだ文句を言いまくったんだ。

私可愛がられなかったよ!
このうちの子じゃないと信じてたよ!
弟ばかり大事にされてたよ!

ぶちまけまくったよ。
親もずいぶん悩んで苦しんで、そんなことなかったよ、同じように大事な子なんだよって必死に伝え続けてくれて
もう解決したと思ってたんだ、よーーーー!!

私まだ拗ねてたの?
私まだ自分が愛されてる自信がなかったの?
こんなにも“いちばんになれない”ことにこだわっていたの?
どんだけ頑固なのっ(*≧◇≦*)

気づいてハッとして泣けたけど
そしたらボロボロと、さらにいろんなことに気づいていくんだけど

そしたら今度は、私だけを見てって言える恋愛が出来るのかな。
シングルファーザーの彼じゃ、この思いは叶わないってわかったのに
ほんとはまだ好きで
ほんとはまだ苦しくて
まだどうしたらいいかわからない。

でもこれが、私の最初の“きづき”でした。