■ある もったいない女の物語 | 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風に、なる」Powered by Ameba

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見えないけれど、やさしく包んでくれる。
風のように、水のように、普通の幸せに気づける、
そんなお話をお届けしようと思います。

昨日は、ある場所であることをしてきました。

あー気持ちよかった。


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もったいない


 服

 靴

 小物

 本

 CDとか

 

その他もろもろ


もったいない。

だから捨てられない。


せっかく苦労して手に入れたのに。

せっかく高かったのに。


いつかきっと使う

年に一回ぐらいは使ってる



 あれ? そんなに必要ないよね。


もったいないから持ってる

「苦労したものだから」持ってる。


あれ?

「使うから」「好きだから」

じゃないんだ。




 せっかく苦労してとった資格

 頑張って手に入れた、この安定

 奪い取った地位

 すべてを犠牲にして手に入れた給料


一緒だ。


「やりたいから」じゃないんだ。


なくなったらどうしたらいいかわからない。

手放したら後悔しそうだから、持ってる。


これを「甘いレモン」と言います。


せっかく手に入れた、

苦労して手に入れたレモンが、


酸っぱくて食べられない

なんてことはありえない。


あってはならん。


せっかく手に入れたものだから

「いいものだ」と思いこもうとする。


せっかく苦労してきたんだから

正解なんだと思いたい。



でも、ほんとは怖い。

失うことを想像できない。



見えない恐怖は、

自分が作り出したもの。


同じ出来事でも、

恐怖を感じない人もいる。


過去に起こったこと

過去に「そうなるよ」と言われたこと

テレビで見たこと


それが起こるんじゃないか、

と不安になる。


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【 ある もったいない女の物語 】


早い川の流れの中に、

一本の杭が立っていて、

女が、その杭にしがみついてる。


 冷たいよー

 水の勢いが痛いよー

 苦しいよー つらいよー

 手が疲れてきたよー



それを見ていた村人が言いました。


村人 「手ぇ放せばいいのに」


女 「ここまで流されてきて、せっかく見つけた杭だもん、放したくない。

それに、手ぇ放したら、どこに行くかわからないから怖いよー

 岩にぶつかるよー

 波に飲まれておぼれるよー

 泳げないんだよー」


その横を、キンチョウリキッ◎の山瀬まみちゃんの河童のように 

ゆらゆら笑いながら

流れて行く人がいました。


女 「あんなふうになりたいよー」


村人 「じゃ、手離せば簡単だべ」


女 「手ぇ放したら、どこに行くかわからないから怖いよー

   岩にぶつかるよー

   波に飲まれておぼれるよー

   泳げないんだよー」


村人 「この先、岩は無いよ、足もつくよ」


女 「うそだー、絶対、岩があるし、足もつかない」


村人 「今も、ちょっと伸ばしたら、そこ、足つくぞ」



女、えっと思い、そっと足を伸ばしてみる。すると、なんと足がついた。


女 「つ、つかなかったわ!!(うそ)」(危うく手を放すところだった)


村人 「おっかしいなー。でも、さっきの人は大丈夫だったよ」


女 「あれは!あの人だからできるのよ!

   あの人は泳ぎが得意なのよ!」


村人 「そんなことないって言ってたぞ」


女 「じ、じゃあ、浮輪持ってるのよ」


村人 「あんたは持ってないのかい」


女 「(ささっと隠して)持ってないわよ。持ってたら

   とっくに使ってるわよ」


村人 「後ろに隠しとるがに。それは使わんのかい」


女 「こんなの使えないわよ」


村人 「なんで使えないべ」


女 「だって・・そんな立派じゃないもん、ないのも同然だわ」


村人 「ふーん、もっとるのにのぅ。で、どうするべ」


女 「だから助けてって」


村人 「だから、手ぇ放せって。足もつくんだから」


女 「放せないから言ってるのに(涙)なんでそんなひどいこと言うの!!」


村人 「なんも言うとらんが。 たすけちゃろうって言うとんのに。

ほいじゃ、一生そこにつかまっればいいべさ」


女 「あ、ほら、どうせみんなそうやって私を見捨てていくのよ」       



そんなやり取りをしてる間に、

さっき流れて行った人は、

大きな海に出て、

豪華客船に拾ってもらいました。


それを見ていた女は


「やっぱり私はダメなんだー」

「やっぱり私はそんなことできないー」

「やっぱり私は勇気ないから駄目だー」

「誰か助けてー」


村人 「だから、助けてあげるから、ちょっと手を放してごらんて」


女 「手ぇ放したら、どこに行くかわからないから怖いよー

   岩にぶつかるよー

   波に飲まれておぼれるよー

   泳げないんだよー


   みんなは浮いても、私だけは沈むんだわ」 ←何を言うとる


村人 「この先、岩は無いよ、足もつくよ」



延々と続く。



やがて、女は、疲れ果てて、

つい、手を緩めてしまいました。


その時!!大きな流れがやってきて、

女を、ざぶん!!!と飲み込みました!!



女は、あぶくにのみこまれながら

ああああああああああああ と

流されて行きました。


女 「あぁ。。もう・・だめだ・・・」



気がつくと、穏やかな流れの中、

女は、ぷかぷかと浮いていました。


向こうでは、豪華客船の人たちが

笑いながら、おいでおいでしています。


女が少し足を動かしてみると、

簡単に、ゆっくりゆっくり進んで行きました。



女 「なんだもっと早くこうすればよかったんだ。」


村人 「だから言ったべ」


女 「なんで教えてくれないの」


村人 「なぐるぞこら」




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