京都市にある淀の河津桜。2月26日に撮影)



今回はわたしが脳出血したいきさつについて書いていきます。とはいってもわたしの場合、タイトルの通り朝起きたら脳出血していて、左側の肩から手にかけて痺れていました。でもわたしは脳出血しているとは思いもよらず、


単に「寝違えて痺れている」と思ってました。


調べてみると、脳出血はなんの前兆もなしに出血することも珍しくないようです。わたしの場合も全く前触れはなかったです。それにしても寝ている間に出血したのか、それとも起きた瞬間に出血したのかいまだに謎です。


さて、その日は仕事はお休みで、わたしはゆっくり家でくつろいでいました。でも後であの時のことを振り返ると、わたしはその日、広告のチラシなど特に「軽いもの」を持ったとき、よく落としていました。


なぜ物を落とすのかというと、わたしの左手は脳出血のために感覚が鈍くなっていました。物を持つ瞬間は目からの情報で脳に物を持っているということが伝わりますが、左手から目をそらすと、左手は感覚が鈍くなっていますので物を持っているという感覚があまり脳に伝わってこないようです。


「物を持っている」という感覚が脳に伝わらなければ、脳は左手の筋肉に力を入れ続ける必要はないと判断します。そして手の筋肉が緩み、物を落としてしまう……というわけです。


でもこの時のわたしは脳出血してるなんて全く考えてもいませんでしたので、翌日いつも通り出勤したのでした。


ところで、このブログをご覧にいただいている皆さま、わたしは脳出血になって三日後に病院に行ったのですが、本当はすぐに病院に行かないと大変なことになる症状なので、ご近所に脳外科がない場合はぜひ救急車やタクシーなど利用して診察を受けてください。


(立ち上がったり歩いたりするのも避けたほうがいいみたいです。立ち上がると血圧が上がって出血が進むことがあるので)


脳出血は脳卒中の一種で、脳卒中について分かりやすく書かれている『NHK健康チャンネル』をご紹介したいと思います。ぜひご覧下さい。


脳卒中の3タイプ:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血 違いや前兆とは』

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_105.html



さてわたしは脳出血になった翌日、出勤して制服に着替えようとブラウスのボタンを留めようとしたその瞬間、自分の手に違和感を感じました。寒い冬の日に手がかじかむように、ボタンを留めようとすると手がこわばりました。ボタンが留められないわけではないですが、とてもぎこちなく明らかにおかしなことが起こっていると思いました。


ブラウスは襟のところにボタンでリボンをつける仕様になっていて、いつもなら左手でそのボタンを留めるのですがボタンを留めることはできませんでした。鏡には左手でボタンを触っているのが映っているのですが、ボタンを触っているのか、それともブラウスの生地を触っているのか、その感覚の違いが曖昧でボタンを留められず、結局右手でボタンを留めました。


そしてそのあとエプロンのリボンを腰のところで結ぼうとしたのですが、左手の感覚がやはりおかしくてなかなか結べず、5分ぐらいかかってなんとか結べました。


わたしは急に不安になってきて職場の人に相談しました。昨日から痺れがあること、ブラウスのボタンを留めたりリボンを結ぶのが難しいことなど話すと職場の人から「それはもう病院に行くレベルだ」と言われました。


どの病院に行ったらいいんだろうと思ったとき、一番最初に思いついたのは整形外科でした。だけど、この症状がもし脳からきているものならば、整形ではなく脳外科にすぐに行かないといけないと思いました。その一方、わたしは脳外科なんて大げさだなぁとも思っていました。でもわたしは以前、交通事故で失語症を経験して脳の後遺症の怖さを知っているので、念のために翌日近所にある脳神経外に行くことにしました。


その病院は携帯で予約ができるところで、わたしは朝の9時の時間に予約を入れました。そして診察が終わったら午後から出勤するつもりでした。この時もまさか本当に脳出血しているとは思わず、いつものようにお風呂にも入っていたのです。今考えると自分の軽率な行動が恐ろしすぎて唖然とします。


わたしは脳出血について本当に無知でした。その無知っぷりは病院に行ったときの言動にも現れました。


まず、一番最初に見てもらった近所の脳神経外科でのことです。診察を受けたとき、先生自身もわたしの様子を見て、まさか脳出血しているとは思ってもいないような感じでした。先生は「とりあえずMRIと血液検査をしてみましょう」と言いました。


MRIを撮って30分以上経ってから診察室に呼ばれ先生に最初に質問されたことは、「ききさん、左側(の脳の損傷)は交通事故の時のものですよね」というものでした。「そうです」と答えると、


「左側の肩や手が痺れ出したのは一昨日からですよね?」と聞かれました。


「はい」


「今回は右側で出血がありますね、小さな出血ですが。痺れも脳の出血が原因でしょう。血液検査は中止して専門の病院を紹介します」先生はMRIの画像で黒くなっているところを示しながらわたしに説明されました。


紹介先の病院が載っている地図を渡されると、その地図を見た瞬間、わたしはこの病院にどうやって行ったらいいんだろう、と思いました。その病院はわたしの知らない町にあり駅の近くでもなく、もしこの病院に通うことになったら面倒だなぁと思いました。わたしは思わず先生に尋ねました。


「先生、この病院、電車では行けないですよね?」「そうですね」と、先生。


「先生、違う病院を紹介して頂けませんでしょうか?」

「この病院はスタッフが充実していて、緊急の時は夜でも対応できるから」


先生の言葉を聞いて、わたしも脳の後遺症は怖いから緊急の時に対応できるところに行くほうがいいなと思い、それ以上先生にお願いするのをやめました。


そしてこのあと、わたしは先生を唖然とさせることを言ってしまうのです。


「先生、その病院には明後日の仕事の休みの日に行っていいですか?


わたしは脳出血しているということが分かったというのに、この後仕事に行き仕事が休みの日に紹介された病院に行こうとしていました。


先生は呆れて言葉も出なかったみたいです。無言でわたしをじっと見つめてました。


先生の様子にわたしは慌てて「今から病院に行きます」と言って診察を終えたのでした。


紹介された病院は午前中しか外来患者は受付けていないのでタクシーで行きました。受付で紹介状を見せて待合室で待っていると、すぐに看護師さんが車椅子を持ってきて「ここに(車椅子に)座って待っていて下さい」と言われました。また「立ち上がらないように」とも言われました。


わたしは大げさだなと思いながら車椅子に座りましたが、実は脳出血しているときに立ったり歩くのはとても危険なことでした


診察室に入ると先生がニコニコしながら言いました。


「車椅子に座るなんて初めてでしょう。立ち上がらずに座っていて下さいね


その後まず左側の脳のことについて聞かれました。「小学生のときに交通事故で陥没骨折したんですよね」と、先生はMRIの画像を見ながら、チラチラわたしを見て、そして「これ子どもときの怪我だから……」と、自分自身に言い聞かせるように先生は呟きました。


わたしの左側の脳はたぶん酷いことになっているのだと思います。でも実際のわたしは普通の人にしか見えないので、そのギャップに先生は……特に脳外科の先生はちょっと戸惑うみたいです。


そして、どこの病院でこの手術したのか聞かれたので、「〇〇救急センター」と答えると先生は「あぁー」とうなづいて納得したようでした。


そのあと先生は「今日、何でここに来ました?」と尋ねられましたので、「タクシーで来ました」と答えました。


「めまいはありませんか?」と先生。


「今はめまいはありませんが、去年体調を崩してめまいが出て耳鼻科に通っていました。なかなか治らず血圧が下がってきたので血圧を上げる薬を処方してもらってから段々良くなりました」


そう答えた瞬間、先生は驚いて


「血圧を上げる薬を飲んだんですか⁈」と、言いました。


先生の様子にわたしはキョトンとしていると続けてこう言われました。


「脳出血が起こるケースは、50代以上男性で血圧が高い人が興奮したとき、脳の細い血管が切れてしまうというのが多いです。もちろん女性も脳出血する人もいますが、どちらかというと男性の方が多いです」


先生はさらに続けました。


「あなたの場合、40代の女性で血圧も高くない。なのになぜ脳出血したのか、……もしかしたら何か病気が隠れているかもしれない。徹底的に検査をして再発しないようにするにはどうすればいいのか考えていきましょう。とりあえず一週間入院です」


いきなり一週間の入院を告げられて、わたしはとても戸惑いました。年末年始のとても忙しいときに突然一週間も入院なんて受け入れ難く、わたしは思わず言ました。


「一週間の入院ですか?それはちょっと困ります。せめて5日ぐらいで退院できないですか?」


「無理です。検査結果によってはそれ以上(一週間以上)もありえます」


一週間以上の入院もありえると聞いたわたしは、焦ってさらに食い下がりました。


「先生、今日検査すれば一週間入院しなければならないかどうか判断できるのではないですか?」


聞き分けのないわたしに、先生はイライラとした口調で「できません」とハッキリ言われました。


「先生、入院の用意をしていないので、一度家に帰ってもいいですか?必ず病院に戻って来ますから」


「ききさん、一度家に戻って症状が悪化して、その腕が麻痺でダランッとなってもいいんですか?」


わたしは先生の言葉に自分の腕がダランとなった姿を想像しました。仕事も大事だけど、症状が悪化して腕がダランッとなるのは絶対嫌だと思いました。


顔を上げると先生と看護師さんも厳しい表情でわたしを見ていました。二人の顔を見て、一旦家に帰って入院の準備をするのも無理だなぁと思いました。わたしは入院することに決めました。



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話は変わりまして、



わたしは紳士服の店員なのですが、今週からマフラーや手袋などの防寒服飾をメーカーに返品し、春夏物の商品の売り場を拡大しています。今年の防寒服飾の売上はとても悪く、その兆しは去年の10月の消費税が10%になった時から見られました。加えてこの冬は暖冬で売上が伸びる12月になってもあまり売れず、冬物セールが始まる1月頃からコロナウイルスが日本でも報道されるようになり、お客様の来店数が減りました。


わたしが担当した服飾小物の在庫数は今年の1月時点で去年と比べて170%もあって、発注しすぎたと後悔しましたが、各店舗の在庫状況を見ると在庫数が去年と比べて300%超えしているところもガーン


売れなかった商品は買取って大幅に値下げして売るものと、メーカーに返品できるものがありますが、こんなに大量にメーカーに返品したのは初めてです。メーカーの悲鳴が聞こえてくるようで心苦しいです。






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