明日からの舞台上映会にむけてコメント | 「読む!ことぴよでいず。」

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学ぶ心と優しさを忘れない女優になりたいです。
ゆるくやわらかく生きる、ことりのまいにち。



今回は2016年5月3日から5日、紀伊國屋サザンシアターにて上演された舞台「ただいま!」を赤坂CHANCEシアターにて上映と、トークショーを行うことになりました。


上映会&トークショーをやりたいと提案したのは私です。
というのも、山戸結希監督の上映会&トークショーへ行き、監督自らの熱量で言葉を発していてる姿に心動かされ、山戸結希監督が大好きになり、より作品への思いが深まりました。その後、岩井俊二監督の上映会とトークショーにも赴き、作品に関する様々な話を聞き、上映会後のトークショーはこんなにも素晴らしい時間なのか!と気がつきました。

映像作品とは違い、舞台はなまもので「上映会」というかたちにしてその作品の良さや空気感が伝わるのか不安でした。いまもまだどうなるかは分かりません。ですが、舞台は映画などに比べチケット代が高く、昨年上演したこの舞台は前売り5000円と、これでも本当にギリギリの価格設定なのですが、現実的に舞台初心者の方や学生には中々足を運び辛いのではないかと思います。同年代の子にはいつも「高いよー」と言われてしまいます。いつでもどこでも映像を観れる世の中で、もっとたくさんの人に気軽に舞台を観に来て欲しいと私は感じ、悩んでいます。
そこにいる生身の人間が、全く違う世界で生きているのって、とっても不思議な感覚。この感覚は舞台だけで、映画もドラマもミュージックビデオとも違う、その時その人しか見ることのできない世界があると思っています。同じ空気を吸い、同じ時間軸にのっています。私たちは1度舞台に出たらもう戻れません。こんなに苦しいことってないです。だからこそ舞台を観て欲しい。

上映会を開催することで、今まで色々な理由で観に来ることができなかった人、舞台に興味があるなぁとほんの少しでも思ってる人、単純にお金がない人、もちろんこの作品が大好きでまたみんなで観たい人、ヘンテコ裏話や熱い裏話を聴きたい人、ちょっと暇だなって思っている人、など、どんな理由でも良いから足を運んで、あなたの心に届いたらと思います。

今回上映するのは昨年、東京・千葉・名古屋・大阪を回ったなかの東京公演、紀伊國屋サザンシアターにて、私がヒロインを務めた舞台「ただいま!」です。
当たり前ですが、開演まで本当に色々なことがありました。
当時私は二十歳で、社会的には大人ですが、大人というにはあまりにも子どもで、自分がやるべきことも分からず、持て余した身体だけがありました。
紀伊國屋サザンシアターのヒロインをやると決まっているのにもかかわらず腹式呼吸が出来なくて、稽古初期は発声練習ばかりしていました。他のみんなと稽古方法も違い、疎外感や、不安も感じていました。自分が思ったとおりにいかなくてティッシュをぐちゃぐちゃにして投げました。泣いてはいけないのに涙が止まらなくて稽古にならない時もありました。
色んなことがあったうえで、皆さんは本番の1回を観ます。

今回は1年経った今だから言える舞台「ただいま!」について皆さんに愛をお届けしたいと思います。1年前の私がそこに閉じ込められていて、今の私には願ってもできない私がそこにはいます。

なんども再演されている大人気の演目。
新しい、舞台「ただいま!」が見つかる2日間でありますように。


PS:赤坂チャンスシアターは映画館では無いので、椅子がふかふかではありません。おしりが心配な方は座布団を持参すると良いと思います。