当たり前の事ですが、試験ですので合格される方と残念な結果に終わってしまう方がいます。


現行制度になって合格者が増えたと言っても、合格率は1割程度ですので依然として難関試験である事に変わりはありません(合格に魅力を見出せるかどうかは別にして)。


では両者の違いは何なのか、ちょっと考えてみました。


一番大きいのは「合格を具体的にイメージできているかどうか」ではないかと思います。


合格を自分の中で具体化してそれに邁進している方と、具体的なイメージを持たずに漫然と学習をされている方とでは、同じ学習時間であっても差がついて当然です。


私にはこれを端的に説明することはできませんが、今日を始めとして数回にわたってこのテーマについて自分なりに書いていきたいと思います。



本題への導入として、今日は合格までのプロセスについて。


個人的な趣味で恐縮なのですが、野球を例に挙げます。


野球選手の命題は「試合で結果を出す事」です。


そして試合で結果を出すために日々練習を積み重ねます。


そして練習時には「いかにして試合で結果を出すか」を常に念頭に置いています。


「どんな練習をどれだけやったか」が重要なのではなく、「いかにして本番に活かせる能力を身に付けるか」が重要です。


端的に言ってしまえば外形的な方法論はさほど問題ではなく、本質的根本的な部分が重要になってくる…という事になると思います。


うまく表現出来ないので、またまた例を挙げます。


イチロー選手はバッティングマシンを使った打撃練習をしない事で有名です。


恐らくイチロー選手の真似をしてマシン打撃をやめた選手が沢山いると思います。


でもその方たちがイチロー選手を真似た事で良い成績を残せたか、というと必ずしもそうではないと思います。


逆に言えばマシン打撃を行っていても、素晴らしい成績を残している選手は沢山います。


ヤクルトスワローズの青木選手はイチロー選手の打撃を目標に、マシンを打ち込んだそうです。


重要なのは方法論ではなく「あるべき姿(青木選手にとってのイチロー選手)」にいかに近付くかなので、マシンを使うか使わないかはあまり関係なかったんだと思います。


集合時間までに目的地に着ければ、バスだろうが電車だろうが飛行機だろうが…交通手段は何だっていいのと同じですね(集合時間に間に合う、というのがミソです)。



そして能力を身に付けたら、あとはいかに本番でそれを発揮するかにかかってきます。


練習時にいかに本番を想定するか、本番でいかに自分をコントロールするか…といった部分です。


イチロー選手はこの部分が特に秀でているそうで、WBC合宿のときも青木選手が常にイチロー選手にベッタリついて教えを乞うていたそうです。



試合で結果を出すことを合格、練習を本番までの学習に置き換えれば受験でも同じ事が言えると思います。


受験生の中には個別具体的な学習方法に捉われている方が多い様な気がしています。


事実、受験生の方とお話をしていると必ずと言っていい程話題に上ります。


方法論ではなく、まずは「自分のたどりつくべき姿」を具体的にイメージする事が重要なのではないでしょうか?


それが分かれば自ずとそこまでのルートは見えてくると思いますし、本番を想定した準備も可能になると思います。


どれだけの距離が残っているか分からない状態でマラソンを走るよりも、残りの距離を把握できた方がいいに決まっています。


その方が精神的にも楽ですし、ペース配分など様々な対策を講じる事ができるからです。


以前にも書いたと思いますがまずは自分の現在地、ゴールの位置とそこまでの距離、タイムリミットを把握する事が大事だと思います。




という事で次回はいかにして合格を具体的にイメージするか、私の経験も交えて書きたいと思います。