そこに在る | 真理のパフォマー 女優セラピストヒーラー くみちゃんのレッツらゴー。
「大前雅信、、、そこに在る」

という、ダンス公演を、目撃しました。


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出演は、
大前雅信 59歳
高橋由紀子 50歳
大前裕太郎 25歳
椎野  純 25歳

の、4人。

父と、母と、息子と、息子のダンスパートナー(たぶん)


構成・演出は、息子の裕太郎さん。


25歳のダンサーの息子が、59歳のダンサーの父を演出する。
この題名も、きっと息子が付けたのだろう。




「大前雅信、、、そこに在る」




始まってすぐに、私は胸が苦しくなった。
苦しくて、悲しくて、不安で、息が詰まりそうになった。
だって、4人で並ぶと大前雅信さんが1番小さいの。
そして、みんなが順番に
「はーい。」
と手を挙げるのに、大前さんの番になるとみんなスッといなくなってしまう。
大前さんの空っぽな笑顔を残して。


やめてくれ。
残酷だ、やめてくれ。


私は、大前雅信に私の父を重ねていた。
そして、私の娘たちの父である、タカシを。

そして、自分を。



4人で大きな傘に入るシーンがあった。
4人でスッポリと傘に収まっている、
ただそれだけなのに、何故こんなに不安なのだろう?

大きな傘に、1人入り、2人入り、、、
4人になる。

そこから、1人抜け、2人抜け、、、



不安が胸の奥で鼓動する。


ここにいるよ、
ココニイルヨ。





父と息子が、向かい合い手を結ぶシーンがあった。

どちらかが倒れそうになると、どちらかが支える。
どちらかが倒れると、どちらかがひっぱり起こす。
それが、交互に繰り返される。

ああ、家族だ。


手を繋いだ瞬間の、父を見つめる息子の柔らかく温かい視線に、涙腺が崩壊しそうになった。
きっと、お父さんとお母さんの背中を見て育ち、自分もダンスの道を選んだのだろう。
還暦を目の前にして、作品創りのペースが落ちてきた父への、応援歌とも、挑戦状ともとれる、

その眼差し、と、作品。




大前雅信が、走っている。
走っている。

ひたすらに、走っている。

息子の裕太郎が、隣りに来て、並んで走る。

「中学の時の担任が観にきてるよ」

とか、とてもリアルな会話をしながら、
汗だくで、
2人で並んで、走っている。


時間が進むにつれ、私は自分の中の不安が、
優しく溶けていっていることに気付いている。

優しく溶けて、
なにか、背中を押してもらってるみたい。

いつの間にか、私の隣りにも誰かが寄り添って、
一緒に走ってくれているような。



冒頭の、
「はーい」
と手を挙げるシーンが繰り返される。

でも今度は、大前雅信も

「はーい!」

と、返事をした。


大きな声と、大きな笑顔で。



最後、大前雅信がソロで踊る曲は、
アヴェ・マリア。

いよいよ、たった1人で、堂々と。
子どもみたいに。
真っ赤に燃える、練炭みたいに。
銀河の星々の中の、尊い一つ星みたいに。



奥さまの由紀子さんも、とにかく素晴らしかった!!
50歳とはとても思えない、
今が全盛期のような身体のしなやかさと瞬発力、表現力、圧巻でした。
椎野純さんのチャーミングさ、時々見せる翳り、物語る身体。


ダンスって、すごいな。
物語りと現実を凌駕して、
その人そのものが立ち現れる。

ただ、「在る」
という、その人が。




何度でも、立ち上がろう。
私も。


転んでも、ひっくり返っても、泣いても、怒っても、血を流しても。


そのたびに、立ち上がろう。


私の隣りには、家族がいる。
友だちもいる。
先生もいる。
犬も猫もいる。
虫も花も菌も天使も神さまも。


手を伸ばせば、握り返してくれる。
泣きたい時は、肩を貸してくれる。
抱きしめてくれる。


生きているって、素敵だ。

明日もがんばろう。



って、思える素敵な舞台に、
また出逢えた。


ありがとうございました!!