台本のない芝居です。
出演者は、男3人、女3人の、計6人。
役者だけではなく、ダンサーとシンガーも参加しています。
めっちゃ新鮮で刺激的！！！
台本はないけれど、テーマが決まっていて、出演者全員が毎回5分～10分のエチュードを1・2本用意してきて、発表します。
テーマの喚起する幻想、妄想、徒労、エロチシズム、死、再生、等々
短いシーンを創り、積み上げていく作業。
4回目にして既にネタが無くなり、途方に暮れました(°_°)
そこに、まるでオタスケマンのように颯爽と現れた、俳優30周年を迎えた我らがアイドル渡部ギュウさんのアドバイス！！
ギュウさんが25年前に東京で稽古していたという、前衛の舞台でのエチュード。
それは、何も無い舞台にたった独り立ち、長い沈黙のあと、おもむろに片手を上げて
「ヘイ、タクシー」
と発語するという、非常にソソられるシュールな出だし！
完全にパクらせていただきました。
出だしだけパクって、そこからの展開は、あまり決めずにその時に浮かんだ言葉とアクションを、断片的に提出しよう。
と思ったのだけど、始めたらやっぱりストーリーになって、意味を付けてしまった。
でも、私的には大きな一歩だったと思う！！
最後までストーリーを準備せずに、
「場」「時間」「エネルギー」
を感じて、舞台に立つ、
という足掛かりが、ちょっとだけできたと思う！！！
で、
「お父さんとの電話」。
ヘイ、タクシー
と言ったあと、待っても待ってもタクシーが来ないので、
iPhoneを出してタクシー会社に電話をかけました。
(もちろん、本当にはかけてないよ、iPhoneは電源を切っておきました。)
でも、場所が砂漠のトンネルだから、タクシーは来られないって。
で、お母さんが心配してるかな、と思い、家にも電話した。
お母さんと話したあと、次に出たのは、
6年前に亡くなったお父さんだった。
私は、お父さんが亡くなってからの方が、
お父さんを近くに感じている。
ものすごく全力で、護られているのを感じている。
いや、感じてるんじゃない。
知っているんだ。
深く深く愛されていることも。
そして、それを本当に心から感謝している。
でも、お父さんと実際に電話で話してみたら、
出てきた言葉は
「お父さん、いつもいつも心配かけて、ごめんね。」
だった。
そう言ったら、涙が次々出てきて、止まらなくなってしまった。
ごめんね、ごめんね。
心配ばっかりかけて。
ほんとにごめんなさい。
観ているみんなが、ドキリとして引いているのを感じる。
でも、涙は止められず。
エチュードを終えた。
8月3日は、お父さんの誕生日だった。
仏壇にお線香を上げて手を合わせ、お父さんの遺影を見つめてたら、
お父さんに会いたくてたまらなくなった。
6年経って初めて、
ああ、もうこの人生では本当に会えないんだな、
って心の底から実感したのかもしれない。
ものすごく寂しくて、大声で叫びそうになった。
今こそ、近くにいて欲しかったのに。
ちゃんと、「大丈夫だよ」
って、言って欲しかったのに。
でも出てきた言葉は、
「いつも護ってくださってありがとう。」
弱音は、吐けなかった。
お盆にも、ちゃんと帰ってきて一緒にいることを感じていたけど、
今回のエチュードの電話ほどリアルに、
繋がってはいなかった。
エチュードのテーマは
「砂漠のトンネル」
この写真は、稽古の顔合わせの時に企画者タムラさんが演った、エチュード「砂漠のトンネル」（笑）
ナイロンのヒモが、あまりにチープです。
この地球上の砂漠のどこにもトンネルはない。
砂漠でトンネルは、掘れないんだ。
砂があまりにもサラサラしてるから。
まるで蜃気楼のような、
砂漠のトンネル。
そのトンネルからかける電話は、
異次元へと繋がる通信回路だった。
そもそも、舞台という時空間が、
異次元へのトンネルなのかもしれない。
そしてね、本当の、魂からの言葉
「いつもいつも心配ばっかりかけてごめんなさい」
を言って、泣いたら、
肩の荷が下りたみたいに軽くなって、
ハートの場所を感じた。
どうやら今までかなり力が入っていたみたい。
力が入り過ぎてると、ハートを感じることは難しいんだね（笑）
そんなこともわからなくなってたんだね。
ハートと肩は軽くなったけど、
実際にはハードな稽古で全身筋肉痛！
心は軽やかだけど、動きはギクシャクしてます（笑）
あなたも、肩の荷を下ろして、ハートを感じませんか？
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