置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


子ども達が消えた公園。

役目のなくなった固定遊具。

タイムスリップでもない、白昼夢でもない、

これは現実の風景。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


首輪をつけた猫の亡骸。


誰か家族に可愛がられていたことがあったんだね。

民家の玄関先に横たわっていた。

家族の帰りを待っていた。


たくさん目にした猫の亡骸。

多くが民家の玄関先だったのには、理由があったんだね。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

とある民家の玄関先に貼られた放射線量測定結果。



20kmとひと括りにされた警戒区域。

線量の低い場所もある。

帰りたい家がある。

待っている命がある。

今、この時間も・・・。











置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


急カーブを曲がるクルマの気配に、

一斉にこちらを向く離れ牛。

警戒区域から避難する際、どうにか生きて欲しいと

畜主さんが放った牛の群れ。


11月。この日の最高気温13℃

濡れながら、冷たい体で、

どうしてここから動かずにいるの?

そうするしかないでしょう。

帰る場所なんてないんだから。


家畜としての価値がなくなった時、

待っているのは餓死か殺処分。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

どこから来たの?

どこへ行くの?

ふわふわの毛にくりくりした目。

クルマのフロントガラスをつついて甘える仕草。

次の給餌地点へとクルマを発進させれば、

側面から体当たり。

しばらく後ろを追いかけてくる。