バーゼル委員会がしようとしていること | KUUTV(くーてぃーびー)

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くうのにゅーすどうがのかきおこしをよういしたわよ。
ほぼまいにちとどけてあげるわ。

バーゼル銀行監督委員会が、銀行の持つ国債に、新たな国際規制を設ける見通しになりました。
今日はこのニュースです。

これは、国債の金利が突然上昇(価格は下落)して損失が出ても、経営に影響が出ないようにするためのものです。

2016年にも内容をまとめ、2019年以降に適用します。

対象は、国債の他に、住宅ローン、長期の企業向け融資です。

銀行は前倒しで国債の売却などを検討するものとみられ、影響が懸念されています。


さて。
こういったニュースは大変難しいものですので、まず、バーゼル銀行監督委員会とはなにか、から始めましょう。

通称「バーゼル委員会」は、金融機関の監督における、国際協力の推進を目的に設置されたもので、スイスのバーゼルという地名を取って名付けられたものです。

要は、銀行を監督するものです。

このバーゼル委員会が、今回打ち出したのは、銀行が持つ国債を規制しようというものです。

たとえば日本の国債は、その発行額が860兆円とされていますが、その1割を銀行が持っています。

いま現在、長期金利は0.3%前後と、歴史的に低い水準にあります。

仮に金利が上がる(価格が下落)局面に差し掛かった場合、銀行の持つ国債は、その価値も下落します。

そこで銀行が仮に大量に売りに出したら、ますます債権価格が下落(金利が上昇)し、市場が大混乱するのは確実です。

日銀の試算では、金利が2%上昇すると、日本の銀行が持つ国債の価値は、10兆円減るそうです。
大変な額です。


国債以外にも、バーゼル委員会は、住宅ローンや長期の企業向け融資も対象に挙げています。

となると、今後は住宅ローンの圧縮に動いたり、長期の企業向け融資が減ったりして、景気が冷え込み兼ねません。

大手銀行の、貸し出し平均残存期間は1年程度だそうですが、インフラなどのプロジェクト融資は、長期のものもあるようです。

となると、せっかく景気が戻ろうかという昨今、長期の貸し出しが冷え込む→インフラ受注がしにくくなる→景気が冷え込む、という悪循環に陥り兼ねません。


このニュースが恐ろしいのは、日本の状況ゆえです。

日本が、先進国最悪の財政状況にあって、それでもギリシャ化せずに安定しているのは、日本の銀行が国債の受け皿になってきたからです。

それを規制するとなると、今後が心配でなりません。


バーゼル委員会は、5月下旬にも、具体的な規制の中身について、案を公表します。

今後、大きな動きになりそうなニュースです。