邦題;タイム・レイダーズ(東京国際映画祭2016)

 

この映画の原作は、南派三叔(←作者名)の小説『盗墓笔记(盗墓筆記)』だ。

2007年から出版された9部(完結)の大作で、なんとシリーズ全体で1200万冊以上!を売り上げている。

映画ももちろんヒット中。

5日に公開が始まってから7日までの3日間で、5億元近くの興行収入。!!!

 

おもしろかったですよ!!

(ストレートに表現。笑。)

そして、映画館で観ないといけない映画!!

 

 

ダブル主演

主演は、元EXOのルハン(鹿晗)と最近人気のイケメン井柏然(ジン・ボーラン)。ルハンはポスターの右、井柏然は左の人物。

公開前から、この若手スター2人のダブル主演というのも、話題になっていた。

 

ルハンは、ちょっと天然の今時の若者の役でかわいくニコニコ、井柏然は、謎めいた武術の達人役で無表情でクール。そして、井柏然が見栄えのいいアクションで決めれば、ルハンはK-popで培ったラップダンスで笑わせてくれる。

それはそれぞれのキャラに合っていて、正反対の役柄を配置することで、物語のおもしろさも際立つものになっている。

 

ルハン(鹿晗):

 

 

井柏然(ジン・ボーラン):

 

1番の見どころと思うのは、次から次へとアクションシーンが重なっての大迫力。

だから、映画館で観てほしい。

これから簡単なあらすじを紹介するが、日本でもウケる話しだと思う。

だいたい、ルハンのファンもたくさんいるんじゃないの? その人たちが観るだけで、そこそこヒットするのではないのか?(←何様目線・・・えらそうにすみません。笑)

ほんと、日本でも上映してほしい・・・。おもしろいんだから。

 

あらすじ

ヒマラヤのネパール国境近く、ロシア人のニコライ(Vanni Corbellini)と手下たちは、村の長老を脅し付けていた。「永遠の命の秘密を刻んだ金のカードをよこせ」。

24枚セットの最後の1枚が、その村にあるはずなのだ。

 

秘密の物語カード。↓↓↓

 

ロシア人は、非道にも銃で村人たちを打ち殺していく。それに怒ったのが张起灵(ジャン・チーリン)(井柏然:ジン・ボーラン)だった。驚異的な強さで戦う张起灵の前に、ロシア人は逃げ出していったのだが、村は崩壊寸前。そして、長老は、金のカードの在処を张起灵に教え、それを守ってくれと託すのだった。

 

 

 

時も場所も変わり・・・

吴邪(ウー・ジャー)(ルハン:鹿晗)は、ある小説家に、自分がこれから話す物語りを小説にして残して欲しいと依頼し、不思議な盗墓のことを話し始める・・・

 

自分の家族たちは、実は代々盗墓を家業としている。それは9門(9つの家系ってことみたい)からなっている・・・。

吴邪の家族は彼にその仕事をさせないようにしていたが、ある出来事をきっかけに、吴邪は盗墓現場へと参加することになる。

というのは、吴邪と彼の叔父・吴三省(ウー・サンシェン)(王景春 :ワン・ジンチュン)が古い墓に忍び込んで、偶然、青銅の不思議なものを見つけたのだ。家に伝わる古文書で調べると、それは西部にある古代の蛇母遺跡の宝の鍵だと分かった。

 

9門一同は大喜びで、盗墓の準備を始める・・・。

そこは現代なので、ネットショッピングで、こっちの方が安いとかいいながら道具を買うのは面白シーン。笑。というか、なんでも売ってる中国のネットショップに驚くんだけれども。笑。

そして、武術の達人である张起灵を用心棒として、全員で8人の旅が始まる。

 

 

 

 

いよいよ西部、砂漠の中にある蛇母の墓へと入っていくのだが、蛇母というのは永遠の命を持った妖怪だ。その力を分け与えたボディーガードみたいな屈強な男たちと、墓に眠っているのだ。そして、2000年の時を越えて今蘇ろうとしていた。ネパールの長老は、それは世界の破滅だから絶対に阻止しろと张起灵に言い残していた。

 

蛇母;インド人の女優、Mallika Sherawat

     

 

しかし、そんなことは知ったこっちゃない吴邪の叔父たちは、墓の中の宝を見て「やったー、大金持ちだ」とはしゃぐのだが、そこにロシア人の追手がやってくる。

ニコライの手下たちが、”鍵”を奪おうと襲ってくるのだ。リーダーは女。

 

 

ニコライたちはドローンを使ったりして超ハイテク。それでも、簡単には捕まらない。

墓泥棒から宝を守るための罠の人形や石像や虫たちから逃げながら、吴邪と张起灵、叔父たちはどんどん墓の中心へと入っていく。すると、そこにはいよいよ蛇母の墓があった。

そこで、蛇母の命の秘密を見た吴邪と张起灵たち、ロシア人たちは震撼する。

宝なんて奪ってる場合じゃない。このままでは世界は滅びてしまうと。そこで、みんなで力を合わせて蛇母を倒すことになるのだが・・・。

 

 

 

盗墓へのロマン

墓に入っていくというのは、中国では、どうもロマンのある ”知的作業” のようなのだ。

 

現在でも、先月だったか、新聞に盗墓のグループが検挙されていた。もう品物は売りさばかれていて、そのうちのほとんどを警察は回収したが、まだ行方の分からない物があると。

へ〜、今でもそんなことしてる人たちがいるんだ〜。と感心した。←泥棒に感心したらあかんけど。(・・・日本ではもう天皇家の墓くらいしかないんじゃないか? そんなところへ忍び込めないよ・・・。)

でも、中国では、今でも宝の眠るたくさんの古い墓があるようなのだ。

 

だからなのか、盗墓の小説もたくさんある。

その中で共通して感じるのは、主人公、要は墓泥棒なんだけど、非常に知的なのだ。

古代の墓や遺跡に侵入するために古代建築の知識を持ち、古文書を読みこなす。なんだか大学教授並み。笑。

そして、怪物や妖怪に対する知識もたくさんあって、ピンチには代々伝わる道具を使いこなす。非常に勉強が必要な高等な仕事という印象だ。

 

この映画でもルハン演じる吴邪も、大学では建築を勉強していて、古墳の種類や規模に詳しい。そして、古代文字の知識もある。例えば、蛇母の墓の中で、白骨死体がたくさん転がっている部屋の中に書いてある古い文字を見て、「これは大昔の刑罰の方法のひとつだ。裸にして虫に襲わせると言う・・・」などとうんちくを披露する。墓泥棒=盗賊ではなく、高等な専門知識を持ったプロ。

ここが分かると、盗墓の物語も文化の伝統や知識の蓄積の上に成り立つものなのだなと興味がそそられる。

 

などと言ってはみるものの、難しいこと抜きにおもしろかった。

おすすめ映画でございます。

 

 

 

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