いい映画だった。

去年(2017年)見たものなのだが、感想など書いておく。(遅くてすみません、体調が悪くて休んでました。去年の年末頃)

 

さすが名監督馮小刚(マー・シャオがン)。

心に沁みてくるものを、受け止め味わう映画。

原作は、女流作家の严歌苓だ。

 

背景は、1970〜1980年代。軍隊文工団という国家級の歌劇団に所属する若者たちの群像劇。

理想に燃える一方で、自分を守るために人を貶めたり、苛烈な人生になってしまう者、幸せになる者、それぞれの人生を歩いて行く・・・というような話し。

・・・ざっくりしすぎ。笑。

 

大ヒットしたのだけれど、年配の人たちは懐かしい気持ちで見て、若い人たちは自分たちの国の近代史の一部を見るみたいなかんじだったのではないかと思う。

日本人的には、あの頃の中国はこんなかんじだったのかなあ・・・と知ることができる映画だ。(映画なので、現実と同じかは疑問だが、雰囲気は感じられたつもりになる。)

 

 

あらすじ

何小萍;ホー・シャオピン(苗苗:ミャオミャオ)は、軍隊文工団(歌劇団)にダンサーとして入団した新人だ。

父親が政治犯?(共産党とは思想が合わず捕まってしまった)で拘束されているが、そのことを隠し、名字は母親が再婚した相手(義父)のものを名乗っている。

何小萍はやって来た初日、父親に歌劇団員になれたことを知らせたいと、勝手に同部屋の先輩の制服を借りて街の写真館へ写真を撮りに行くのだが、先輩が服がないと騒ぎ始め、何小萍は来た早々に信用をなくしてしまう。

 

この制服↓↓をもらうまでの数日が我慢できなくて。

 

歌劇団では、毎日練習漬けの日々。

初日から問題を起こした何小萍は、練習中に一緒に組んでくれるパートナーがいなくてあぶれてしまったり、みんなからいじめの的になってしまう。いいダンサーなのだが、そんな人間関係の不器用さからか、なかなか役に恵まれない。

 

 

 

この歌劇団に何小萍を連れて来たのが刘峰;リュウ・フン(黄軒;ホアン・シュアン)だ。彼は腰を悪くしてダンサーはやめ、裏方で歌劇団を支えている。とても誠実な人物なのだが、控えめ過ぎるというのか、大学に入学するチャンスも人に譲ってしまったりして歌劇団に残っている。

その刘峰が心を寄せているのが林丁丁;リン・ディンディン(楊采鈺;ヤン・サイユウ)だ。

 

右、黄軒;ホアン・シュアンは、『空海 KUKAI 美しき王妃の謎』(中国では『妖猫传』)で染谷将太と共演してましたね。今人気の俳優です。

 

刘峰は自分の気持ちを林丁丁に告白するが、振られてしまう。そればかりではなく、林丁丁は刘峰に乱暴されそうになったと訴え、刘峰は無実の罪で歌劇団を辞めさせられてしまう。

 

 

何小萍は歌劇団になじめず、地方へ公演旅行に行っても仮病でさぼるような問題児になってしまった。主役が急病にかかって、何小萍が代役を務めるのだが、その公演を機に歌劇団を退団してしまう。

 

 

 

その後、中国南方で戦争があった時(と字幕に出てたけど、ベトナムのことじゃないかなあ・・・)、刘峰は兵士として戦い、何小萍は看護婦として現地にいた。

刘峰は戦いの中、足をケガしてしまい、何小萍は目の前で多くの人が死ぬのを目の当たりにして精神が崩壊してしまう。

 

 

何小萍が入院ししている病院に、偶然、歌劇団が慰問にくると、人の顔も分からないほどになっていた何小萍は、曲に合わせて踊り始める。やはり何小萍は、ダンサーなのだ。

 

そして、時代が移り変わるとともに、歌劇団は解散となり、みんなそれぞれの道を歩き始める。

 

映画ではそこからだいぶ時代が経って、久しぶりに会った団員たちが、誰は何してる、誰はどうなったという話しをして、そこで刘峰と何小萍のことも明らかになるのだが・・・。

 

 

結局、ネタバレですけど、刘峰と何小萍は二人で一緒にいるという。

でも、歌劇団時代には特に恋愛関係であったようなこともなかったし、戦場で出会ったわけでもなかったし、どこで再会してどうなったのか、そこは詳しく語られない。

 

でも、そこがいいね。

いろんなことあったんだろうな、と想像させてくれるところが、奥行きがあってよかった。

 

映画らしい、いい映画。おすすめです。

 

 

 

 

 

 

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