ずっと長い間行きたかった場所があった。
ずっと恋焦がれた場所があった...。
しかし決して単独では行けないそんな場所。



それがここ...ッッ!!加蘇鉱山だ!
今回念願が叶い...ついにツーマンセルでの潜入を行う事になった。
ここは数多の先人達が訪れている事でも知られている。

故に...ッッ!!情報はそれなりにある!
あとは己の度胸!それしかあるまい!



加蘇鉱山大通道坑と書かれているこの場所は、冷気が吹き出し周りの空気と明らかに違った雰囲気を醸し出す!
くうううっ!たまんねぇwww
遂に遂に!俺はここまで来たんだ!

だがここは水没している。排水の為の穴なのか、後からこうなったのかは不明。
ここから入る訳では無く、あくまで目印として使うと良いだろう。
情報によるとここから登ったすぐの場所にコンクリートの遺構が姿を現すのだが??



年代を感じさせる風合い。おっと行けない、ここで時間を取ってしまっては探索ができなくなってしまう。

登る所が見つからないので無理矢理藪を突破し、ハアハア言いながら掻き分けたその先に!遂にその姿を目撃する事となる!




...ッッ!!
そのあまりのスケールの大きさ!
ディグニファイドな姿!言葉にならん...ッッ!!
ハアハアハア...。
たまんねー!たまんねぇよー!



訳のわからない人にはラピュタを彷彿とさせると言えばしっくりくるだろうか??
やっぱり良い!朽ちてく美が!これぞ滅びの美学!



選鉱場だったのだろう。そこらへんにマンガンも落ちている。片っ端から割ってバラ輝石をゲット。ここのバラ輝石は色が濃いと聞いていたのだが...茂倉沢鉱山の方が遥かに色が良い。少しオレンジがかった色をしていた。菱マンガン鉱らしき物も出た。

他に満礬柘榴石もあるとの事だが、見つからず早々に石探しは切り上げ坑口を目指した。

ここでうっかりとミスをする事になる。曖昧な記憶のままだったので、大切坑口が上にあると勘違いしていたのだ。
扉がついていると言う記憶のみで上へ上がってしまったのだ。



まず一つ目の坑口を発見した。穴を見つけるとやっぱりテンション上がるのよねwww
さっそく入坑。



何の残骸かはちょっとわからないけど発見。恐らくほとんどの人が山に登らず大切坑口に行ってしまうのだろう。
正直勘違いで登ったものの、オススメはしない。踏み跡も無く道と言うものがほぼ存在しない。何となくの感覚で登るしか無い!

時期的な問題もあるんだろうが、少なくてもこの時期は辞めておいた方が良いね!



三角錐形に掘削された空間は狭いながらも奥へ奥へと続いていた。
振り返ると入口があんなにも遠い。



途中で竪坑なのか?ただ単に崩れたのを補強しただけなのか...穴が現れた。



恐る恐る近づいて下を覗いてみる...。
ライトで照らしてもその深さはわからない。こう言う時は石を落としてその深さを確かめたら良いのさ。

石を投げてみるとしばしの静寂の後に...。「カーン!カラカラカラ...。」
この音から察するに深さは7m...ッッ!!
穴はまだ続いているがこれ以上進むのはかなりのリスクがある。
崩落したら間違い無く死ぬだろう。

こんな所で崩れたら誰も助けに来ないよな。それに俺は行き先を伝えていない。今回は単独じゃないから良いが親が知ったら間違い無くドン引きするだろうwww
でも療養中の今しかできない事やらないと、もったいないじゃない家に引きこもっているなんて。



二つ目の穴はほぼ上の方に位置していた。
最初は横の方にあるのでは?と思って横に行くも見つからずズリを見ながらここら辺にあるだろうと思って見つけたのだ。



中は黒ずんでいて狭かった。結局合計4つの坑口は確認できた。しかし...大切坑口が見つからない...。
それどころかコンクリート製の建造物も見当たら無い。もしや??間違えてる?

スマホを確認するも圏外...ッッ!!仕方無く稜線まで出る事に。
一息つきながらスマホを見たら何と!電波復活!ググッてみると...。


選鉱場の横に坑口がある。

と書いてあるじゃねぇかあああ!!!
道無き道を登ったのにwww

何たるミス!しかしお陰で他の坑口が発見できたし、まぁそれはそれで良しとしよう!

しかしここまで登って来たので大幅にチャクラを使ってしまった...。
下山は結構キツい。そう言えば山に登るとヒルに遭遇すると良く聞く。数年山に登ったり藪漕ぎしたりしているが、遭遇した事は無い!

そう何を隠そうか~み~はヒルを寄せつけない能力の持ち主なのだ。簡単に言うと常にトヘロスがかかっている為に遭遇しないのである!



さて悪戦苦闘しながらもようやく選鉱場に戻って来た。こっち側はまだ未探索だったから気づかなかったのよね。



大切坑口を発見。扉を開けるとひんやりとした冷気が勢い良く吹き出してくる。
凄く気持ちが良い!そしてかいた汗を拭って装備を確認する。

二人は顔を見合わせた...。ゴクリ...。
生唾を飲む音が山全体に響きわたる。
遂に!遂に!待ちに待った瞬間が訪れる!
俺達は意を決して坑道内に突入した。


続く...。