女友達が死んでしまいました。
自殺です。
フェイスブックで友達になり、電話で話したりラインをやり取りしたりしていました。
自殺の二三日前にも、電話で話したのですが、そんなそぶりはありませんでした。
いいえ、私が気づかなかっただけでしょう。
気づいたからといって、どうにも出来なかったでしょうけど。

彼女は諫早の人です。
中学高校は長崎です。
面白いことに、高校時代に、長崎の中央橋や鍛冶屋町で、私のことを何度も目撃したそうです。
そして、声をかけようかと思っていたとのこと。
あの時声をかければよかったなんて言っていました。
当時私は、長崎に就職したてのことで、当時の私の行動パターンを考えると、つじつまが合います。
不思議な縁を感じました。

もう一つ面白いことに、彼女はブルックナーに感心を持っていました。
シューリヒト指揮の交響曲第7番を繰り返し聴いていたようです。
もちろん、私もブルックナーのマニアです。
ベートーヴェンやブラームスと違って(と言うか、女性はショパンやモーツァルトが好きな人が多いですね)、なぜかブルックナーに関心を持つ女性がいません。
私の知っている限り、世界に二人だけ、指揮者のシモーネ・ヤング(ブルックナーの交響曲を0番とヘ短調も含めて11曲全部録音しました)、そして彼女です。
彼女がいなくなって、私の知っているブルックナーに関心を持つ女性は、世界でただ一人になっていしまいました。
せっかく話が合う女性と知り合ったのに。

彼女は諫早、私は広島。
彼女は私と直に会って音楽の話をしたいなんて言っていました。
でも、彼女は子供に手がかかる(だんなは叩き出して独身)、私は仕事が不規則で、今極端に人手が足りないので休めない。
そんなこんなで、会うことが出来ない。
せめて福岡で落ち合おうかなんてことも、言っていました。

私の方としては、今のところは恋愛感情までは行きませんでしたが、先ではどうなっていたかはわかりませんし、考えることは無意味です。
正直言って、悲しいという気持ちよりも、ぽっかり穴が開いた宙ぶらりんの状態です。

フェイスブック友達ですので、彼女の家族とは面識がありませんし、彼女の住所もわかりません。
わかったとしても、何もすることはありません。
せめて出来ることといえば。
明日は給料日です。
どこかの居酒屋で、生ビールでも飲んで、冥福を祈ることにしましょうか。
もちろん、影膳を用意して。