一週間がめぐった。


父は命をとりとめた。
まだまだ、先は長いけれど、一歩ずつ。


神さま、
ありがとう。




もろもろの連絡や
手続きもあり、

また、こころ寂しくもあり

日常に戻るのも
苦しく

週末は、実家で
妹と過ごした。




父が倒れまして、
ええ、今、入院していて

ゴルフはもうできなくて
だから、役員ももう


などと、お電話したり


回覧板を回さないよう
お願いに行ったり、


していると、
悲しさにくたびれて


そうなると
庭しごとの出番で、


落ち葉を掻いたり
腐葉土をつくろうと目論んでいます。



父が蒔こうとしていた
冬野菜の種を蒔いたり




草を抜いたり、して
元気をを取り戻して。



秋の薔薇がひとつ。曇り空と。



耕したりもして
ここには、
ホワイトクローバーの種を。



ヤマボウシの赤い実。
鳥が食べに来る。


庭は良いなあ、と
深呼吸。





父が冷蔵庫に入れていた
食材を食べ切ろうと

すこし買い足して
地味なごはんを、
妹と、つくって食べた。













これは、近くのブックカフェで。


おやつは、食後に
必ず、食べた。



にちようび、
日暮れ前の空。



🕯明日は、月曜日。
長くて短い一週間だった。

日暮れ前、夫が車で
迎えに来てくれて
ごみを積んで、帰る。

誰もいない家となる実家。

庭に声をかける。

《種たち、頼むね》
《木たち、頼むね》
《葉たち、頼むね》
《土たち、頼むね》

と、順々に声をかけた。



-いいえ私はどこへも行きません。
いつでもあなたが考えるそこに居ります。
すべてまことのひかりのなかに、
いっしょにすんでいっしょにすすむ人人は、
いつでもいっしょにいるのです。
-宮沢賢治「マリヴロンと少女」



ケンジさんの、
文字たちのように

種や木や葉や土が
答えてくれた気がした。

空を見上げ、
また来るよ、と
大きく、手を振った。



普通とは偉大なり日記
2021.10.19


さてさて
いつものように
パートへ行ってきます。


しお









October 雨の日。
すこし、肌寒い。


本たちを
すこし、整理した。


減らす、というより
大切なものを選んだ。






次女が大好きだった絵本
《たのしいふゆごもり》


この空色のコート
いつも、着たいなあ、て
思いつつ

まいとし、飾る。






父が庭で倒れているのを
駆けつけて、見つけて

3日目。


いまは、父は
ICUにいる。


命はどうなるか
わからない。


でも、意識があるうちに
見つけてあげられてよかった。



でも、
コロナ禍で
面会はできない。


急変したら知らせます、と
ドクターは言った。


だから、


今週はパートを
休ませていただいた。







十月はわたしの帝国だ 
わたしのやさしい手は失われるものを支配する
 わたしのちいさな瞳は消えさるものを監視する わたしのやわらかい耳は死にゆくものの沈黙を聴く /田村隆一「十月の詩」






実家の庭には
秋明菊が咲いていた。

亡き母の好きだった花。










52年生きてきた。

さまざまなことが起こり
喜びは、たくさん
神さまからいただいた。


だから、同じように

悲しみは悲しみとして
後悔は後悔として

人生へ、積んでいく。






ご注文いただいていた
はちゃめちゃbooks、
みなさまへ、

かさり、落ち葉のように
お送りしました。

お手元へ呼んでくださり
とっても嬉しかったです。







「終点にだれもいないより、
神さまがいたほうがいいような気もするわ」

須賀敦子「旅のむこう」





今夜は
はちゃめちゃのきょうOctoberの
日暦にならって

カレーライスをつくっています。


それから、ほうれん草の白和え。


なぜか、鯵のお刺身。



悲しいときにも
お腹は空くの。






どんな日であろうとも
まいにちがたからもの



夜が来ました。



がんばれ、お父さん!




あなたの娘
しおより





朝は、良いですねえ。
October、秋の朝。



ミルクティーの湖も
平らかで




朝の本読みも
進みます。


朝、10分から30分
読むのを
まいにちの楽しみにしています。

今、読んでいるのは
呉明益さんの自転車泥棒。



部屋で、本を読むとき
栞は、鍵。



文字を誘う
別の時間空間への
🗝 です。




つい最近まで読んでいたのは
物語、ではない本4冊。


🎩時給はいつも最低賃金
これって私のせいですか?
国会議員に聞いてみた。
和田靜香著
左右社

🎩目の見えない白鳥さんと
アートを見に行く
川内有緒 著
集英社インターナショナル

🎩病と障害と、
傍にあった本
里山社

🎩女ふたり、暮らしています。
キム・ハナ ファン・ソヌ著
清水知佐子 訳
cccメディアハウス

どの本も良かったなー☺️





次に読むのは
このラインナップ。


🍂昼の家、夜の家
オルガ・カルチュク著
小椋彩 訳
白水社

🍂ことり
小川洋子著
朝日文庫

🍂雪の練習生
多和田葉子
新潮文庫




♪オルガ・カルチュクは
ポーランドの作家。

2018年ノーベル文学賞を
受賞しています。

読むのは、初めて。

早く、読みたい。



♪小川洋子さんの
ことりは、再読。

また、読みたくなって。


♪多和田葉子さんは
若い頃、いくつか読んだが
改めて、追う予定。

アメリカで賞を取ったから
昔の作品も本屋さんが
棚に置くようになった。

この機を逃さずに、と
もう一冊、

【尼僧とキューピッドの弓】も
買ってある。

ドイツの田舎町に千年以上も前からある
尼僧修道院を舞台にしたオハナシ。


きのうは
映画toveを
次女と観に行った。


トーベの本たち。
好きなのを並べてみた。



またも、トーベ熱に
カカル予感。
幻想時空旅行社の
秋のツアーも
無事に終了したし

と、秘蔵の
チョコレートを
ようやく味わうみたいに

楽しみに
タノシミにしてしていた

映画《tove》を観てきた。



トーベいうところの
【スクルット】

-どこにいても居心地が悪く
外部または周縁にとどまっていて、小さくてぱっとしなくて、汽車をこわがる、または、途方にくれている小さな生きもの

である、と自認している

(この、トーベの造語である
スクルットを知った時
わたしはどれほど、嬉しく
ほっ、としたか!)

わたしには、

とてもとても、必要で
とてもとても、愛おしい

(ヴィヴィカ役の
クリスタ・コソネン!
まさに、竜よ!)

映画だった。
6年くらい前に
横浜そごうに
トーベヤンソン展が
来たとき、

じっくりじっくり観て
隅々すみずみまで読んで

トーベという
ヒトリのニンゲンに
魅入られて

嗚呼、だから
わたしはムーミン谷の物語が
好きなんだ、と

全身で、
腑に落ちた、あの日。

今日もまた、
映画を観ながら

トーベが好きで
たまらなくなった。
それにしても

フィンランド映画の

ルッキズム
エイジズムへの
捕らわれの無さよ。

おんな、が
必要以上に
若々しく
beautifulに撮られない。

歳を取って良いんだ
と、安心する。

観終わって
清々しかった。  

主体として生きるのだ。
誰、もが。

そこからの多様性だ。


観終わって、娘と。
Octoberの日暮れ。
ビールが美味い。



#にちようび

次女が、

トーベが
がんがん独り踊る姿を観て
激しくない?びびるなあ、と言っていたのが
おもしろかった。

あのねー、中年以降は踊るよ!
独り、ぶんぶん、カラダを振って。

嵐を呼ぶんだよ、内側の。
凪いでばかりはいられないからね。

it's 人生のシンジツ☺️




わたし、本が好き。

洋服や家具が買えなくても
旅に出なくても、良い。

そのぶん、
本を買いたい。

読みたい。


時間も、本のために
大事に取って暮らす。



ちいさな古い部屋で
52才のスクルットは
ヒキコモリを続けつつ
ひたすら、読む。

しばし、書く。



わたしの残りのLIFEは
もはや、それで良し。

と、思えたのが

コロナ禍での
唯一の収穫。


だから、すごく出不精になります。
コロナ禍が明けても
わたしは、独り、
部屋で。





参加させていただいている
すてきな企画。

新しく進みがありました。


しあわせなことに
わたしは

この素晴らしい
お写真たちと
文字で、共演させて
いただくのです。

すごく、大それたことを
引き受けてしまった、と
震える気持ちもあります。

写真って、完結した表現だから
文字は必要無いような、と
改めて、思ったり。


お写真を撮った方が
わたしの文字を
あまり、好きでなかったら

どうしよう、と
怖くなりながら

それでも
すこしずつ、書き始めました。


書く、はコワイ。

わたしというニンゲンの
真ん中から
出る、もの、だから。


みんな、表現する、は
コワイかな。


 書く、のを
やめようかなあ、と思う日多し。

いつも、逡巡している。
でも、やっぱり書いている。

変なひと。


お写真を撮ってくださった方
ピニョンピニョンストーリーズの雫さん
カメてく委員会のりーさん

こんなわたしですが
よろしくお願いします☺️



きのうのそら。



きのう、会った紫陽花。
枯れていくあじさいの花、好き。



さあ、げつようびが、来たよ!

パートに行ってきます。

みなさまも、良いいちにちを。


しお






10.2 土曜日に
八王子cafe rinさんで
ひらかせていただいた

幻想時空旅行社 2021秋のツアー

暗昏冥cryツアー




第一部

富永太郎さん、中原中也さんを


猫と郭公さんに仲介してもらい


みなさまにたっぷり

ご紹介したあとは


フランスの大詩人

ヴェルレーヌも

アルチュール・ランボーも

ご紹介しました。


休憩の時間。




so.幻想時空旅行社の

料理部・デザート部の

リンさんによる


秋のデザート

Autumn✖︎4




秋の優しいいろと豊かな実り。

リンさんが腕をふるってくださいました。

 

かぼちゃのバターケーキ
林檎と胡桃のチーズケーキ
新生姜と豆腐のムース
クライフォーゼリー
4つの果物入り


とてもとても、美味しかった!



メニューはあいなちゃんがつくってくれた。

鮮やかな幻想時空旅行社らしいメニュー。




第二部は

デザートを

食べていただきながら


背中合わせで


狸さんと

野ねずみさんに

導かれ、


原民喜さんと

大手拓次さんの詩の世界へ。






4人の詩人が生きた時代には


結核、という感染症が

大きく長い曇り空のいちにちのように


時代の宿命として

横たわっていました。




彼らは、妻を

子どもを、友人を


そして、自身を


その病により、亡くしました。



そんな時代だから

仕方がなかった、と


言ってしまえば、


わたしたちのコロナ禍も

そうなります。




曇り空の下であっても


ひとは、暮らし

ひとを愛おしみ

ひとと響き合い、


生きている。





詩人たちが

若くして夭折したこと、を


この日、あらためて

その命の短さ、尊さを

わたしたちは感じ


時に荒ぶる

繊細な魂を愛おしい、と

思いつつ、


彼らの煌めく詩を

皆で、いくつも

《発見した》のでした。




ことばという香料で

胸を満たし…



🕯台本より

epilogue

 

「言葉の香気(こうき)

ことばは、空のなかをかけりゆく香料のひびきである。ゆめと生命とをあざなはせて、ゆるやかにけぶりながら、まつしろいほのほ(ほのう)の肌をあらはに魂のうへにおほひかぶせるふしぎのいきものである。(中略)

ことばのにほひは、ねやのにほひ、沈黙のにほひ、影のにほひ、(中略)大地の底にかきならす湖上の笛のにほひ、はびこる動乱の霧に武装をほどく木馬のにほひ。

 

まことに、ことばはたましいのつくるそよかぜのながれである。」(大手拓次の詩より引用)

 

ガク「まさにその通りだ。ぼくたち、幻想時空旅行社の社員たちは、ことばのにほひを追って、旅をしているんだ」

 

シマユキ「ことばのにほひ、ことばの響き、ことばのきらめきをおって旅をしているのですね。

 

ガク「クライの達人、クライフォー

中原中也、富永太郎、原民喜、大手拓次

 

彼らが冥界へと去っても、これらは去っていかなかった。

ぼくたちは、本をひらき、いつでも、それに会える」

 

◆旅の終わり

(♪⑪)薔薇と野獣

(スライド⑭)幻想時空旅行社(ロゴ)表示









会においでくださった

みなさまとの写真を。



久しぶりにお会いしたので
せっかくだから撮りましょう、と

また、お会いできる日まで
かならずやお互い元気でいましょう、と
声を掛け合いました☺️


あいなちゃんと

詩人たちに敬意を込めて。



幻想時空旅行社、絵本部児童文学部に

入っていただいた、おふたりと。



衣装部のみゆきさんと。

留め袖コートを考えて、縫ってくださった。

お帽子もみゆきさんより貸していただいた。




リンさんも一緒に

みなさまと❣️


大活躍した、機材さんたちも☺️




秋の、良きいちにちと

なりました。



お写真、みなさまから

お借りしました☺️




あいなちゃんとのユニット。

幻想時空旅行社

次なるツアーは

多分、来年。


草野心平氏をめぐる

居酒屋談義な夜

賢治も太宰も壇も、来る。


もしくは


与謝野晶子氏をめぐる

辻潤やら大杉栄やら

夫の鉄幹やら、有島武郎やら

個性的すぎる男たち&女たち。


など、フューチャーしたら

おもしろいかしらん。


などと、考えています。





わたしたちは文字を追って旅する
幻想時空旅行社
社員募集中!




また、お会いしましょう!



次回は、幻想時空旅行社の本

無職研究弐〜鴨志田学くんの場合のことを

オハナシさせてください。




みなさま、良き

金曜日を!




しお



10月2日
幻想時空旅行社秋のツアー
暗昏冥cryツアー
曇り空のいちにちへようこそ
cafeゴーシュへようこそ

を、八王子caferinにて
午後ひらきました。







無類の本好きさま
おkimonoがお好きな方
6名さまと







文字を追って
旅に出ました。





わたし、しおは
幻想時空旅行社ツアーガイド部なので

たくさん声でご案内しました。





🕯暗昏冥cryツアー
opening台本より

Introduction の台詞

誰もみな、曇り空のしたを  

明日は晴れるか、雨になるか、と

わからないまま、歩いているのです。

はちゃめちゃのきょう 5月 曇り空の、日より

 

()音楽 獣ゆく細道

 

この世は無常(歌詞) そう、無常。

みんな、わかっているのさ(歌詞)

 わかってるさ。

誰もが移ろふ(歌詞)俺たちだって

そう絶え間ない流れにただ

右往左往している。(歌詞)

そうやって生きてきたんだぜ。

~秋の夜まで聴く。少し、音を絞る。


◆導入文

・・・音楽流し続ける


 さあ、みなさま、ようこそいらっしゃいました。

2021年秋、幻想時空旅行社のツアーへようこそ曇り空のいちにちへ。ようこそcaféゴーシュへ。


さてさて、ひたすら明る居る疲れた方、ごり押しの〈いつも通り〉に青息吐息の方

もし、いらっしゃいましたら、どうぞ、本日は、こころの電球を消して、こころのコンビニエンスストアを閉めて、こころの満員電車全方向不通にして、この小さな店で、クラク過ごしてください。


café・ゴーシュ、この小さなでは、どなたでも安心してクラクなっていただけます。ええ、誰も眉をひそめたりはしません。


光の方へ向かって歩き続けましょう、などと明るく悲愴に呼びかけてくるひともいませ。やばいぜ、あいつ、クラクなってるぜ、と噂されたり、要注意だ、と、密告されたりもしません。


さて、・・・・・クライとは何か?

滅びの道かはたまた再生への道か?


クラクなることに、意味があるのか、無いのか

答えは、すでに冥界でのんびり過ごしている、クライの達人たちに尋いてみましょう

そうです。本日、幻想時空旅行社時空を超えて皆様をご案内するのは彼らへと続く細き獣道。

 

登場人物は、孤独と文字を愛する青年、鴨志田学くん、

同じく本を愛する、お嬢さんこと、志摩雪さん。

それから、ふたりが愛する宮沢賢治の童話〈セロ弾きのゴーシュ〉か飛び出してきた

此岸と彼岸を自在に行き来する愛すべき獣たち

 

そして、幻想時空旅行社、ツアーガイド部のわたくし、しお、と

「書類管理部のあいな」が、みなさまを不思議な、昏いティータイムへと誘います。

 

題して、詩人たちの四重奏、シジンカルテット!

 

わたしたちが選出した、クライの名手たち、

富永太郎、中原中也、大手拓次、原民喜、クライフォーを、お迎えして、

彼らの人生、彼らの友情、彼らの病、恋、そして無論、文字たちをお楽しみいただきます。

 

そして、今日は、幻想時空旅行社、料理部caféリンさんによる

秋のデザートカルテット、オータム4も登場。

こちらは、caféゴーシュ限定メニューとなっております。

 

そして、わたしたちの本日の出で立ち、ごらんください。

こちらは、幻想時空旅行社、最強の衣装部によります

クライを旅する衣装〈漆黒〉、これを纏っております。

 

(♪絞る)

さて、まずは、ひとつめの時空境界線を超えましょう。

 

わたしたちは、コロナ禍という〈曇り空の〉、そのただ中で

青年とお嬢さんの会話を、なぜか聴くのです。そこから、旅が始まります。

 

(♪)トロイメライ(ピアノ)フジコversion

 






幻想時空旅行社
書類管理部である
同僚のあいなちゃんは

スライドを壁に映しつつ、
音楽を流しつつ、





詩人たちの作品や
生涯を
声で、解説してくれました。






こちらは
あいなちゃんの蔵書。

(推しグッズを飾るように)

中也さんと太郎さんが
ふたりして愛した煙草
ゴールデンバッドの
緑の缶も並んでいます。





クライ✖︎4
四人の詩人たちのうち

中也さんと太郎さんの
第一部が終わったところで


続きはまた、次回☺️



みなさま、良き火曜日を!

パートに行ってきます。


しお