前回
は冷湿布についてお話ししました。今日は温湿布についてです。
過去の怪我などによって慢性化した痛みには温湿布を使用されている方が多いと思います。
筋肉が張る、痛むという場合には身体自体も炎症によって血流を増やして修復しようとします。血液の役割は各器官に栄養を運び、老廃物を流し去ると同時に、熱も産生しています。
傷の修復を促す、という意味で、患部を温めるというのは身体の反応を助けることになります。
さて、そうなると、薬局などでは冷湿布と温湿布が市販されていますので、この場合は温湿布を選択することになろうかと思います。
ところが、実際はこれは上記のような炎症反応や、傷の修復活動について知識のある方が犯しやすい間違いであるといえるのです。
「温湿布は効くけれど、かぶれやすい」「温湿布の後にお風呂に入るとしみる」
というご経験のある方もいらっしゃるかもしれません
それは、一般的な温湿布の主成分である「カプサイシン(唐辛子の成分)」のせいです。
温湿布は、唐辛子のヒリヒリする成分によって痛みを感じる受容器を刺激して、温かいという感覚を生み出させています。冷湿布のメントールでスースー感を出しているのと同様です。
人間の感覚は、マスキング効果といって、感覚の優先順位が自然につけられるようになっています。
痒い場所があるときに、別の場所に冷たさや痛みの刺激を与えると、痒みが感じられなくなるのと同じ原理です。
結局、温湿布は患部を「温めていない」ということになります
*ある研究では、カプサイシンの成分が皮膚から吸収されて毛細血管に入り、患部の温度を2度ほど上昇させるというデータもあるようです。念のため
では、温めるためには何が良いのか?
カイロを貼った方が良いということになります。
最近では温湿布にも、インドメタシンやフェルビナクといった消炎鎮痛剤が配合されているものもあります。経皮吸収による副作用についてはコチラ
をご参照ください。
冷湿布より温湿布の方が「肌がかぶれる」という訴えをなさる方が多いようです。肌がかぶれているという状態では既に消化器に影響がでている、という研究もありますので、この点は十分に注意が必要だと感じています。
大まかには、直接肌に貼るタイプの温湿布には用心する必要がある、ということになります。
点灸膏、温灸膏、など名前は様々ですが、一見お灸の代用のように見える商品でも、上記のような「貼るトウガラシ」製品も存在しています。
同じく貼るタイプでも
- 火を使わないお灸 30コ入り/せんねん灸
- ¥2,310
- Amazon.co.jp
このタイプは、お灸の原料であるヨモギの成分を表面に塗り、その上からカイロで温めるような構造にすることで、火を使わずにお灸の効果が得られる、としています。お灸の老舗が出しているだけあって、まあまあ頑張った商品だと思います(エラそうでごめんなさい)
お灸について詳しくはまた別途お話するとして、温湿布が必要な時
慢性の痛みがある時
こむら返りや寝違えを繰り返す時
にお勧めできるのは
お灸
あずき袋やぬか袋
カイロ
というところですね
HPです↓
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