毎日暑いですね。
こう暑いと、化繊の衣類なんか着ていて良いのかな?と思ってしまいます。
特に最近は下着のことばかり考えている
ホリスティックケア・プアマナ
サマンサです。
先日来着物を着るにあたって、下着のことを考えざるをえなくなりました。
素材のことが非常に奥深くって、本当はそちらから書きたいくらいなのですが、ちょっとその前に花子とアンの仲間由紀江さんや、ヨルタモリの宮沢りえさんのお着物姿って覚えていらっしゃいます?
袖丈が長いことがあります。アンティークの着物なのです。
アンティーク(中古)着物を着た時、袖の振りから長襦袢が出てしまうことがありませんか?
着物にご興味のない方はスルーしてくださいまし
そう、着物って下着の襟がびしっと決まっていないといけないのです。
次いで大切なのが、袖の丈。洋服だと下着は「隠れるから大丈夫」「襟元から見えなければ大丈夫」くらいの意識しかないですが、着物はそうはいかない。
本来は身体に合わせて着物をあつらえるので何の問題もないのですが、特に私は、母の着物、アンティークの着物と、人様の着物ばかりなので、肩幅も袖丈もバラバラなのね。
それでも母の着物ばかり着ていれば丈が少し短いくらいで母の襦袢を着ていれば問題がないのですが、日本舞踊をしていた母のは、昔に誂えた手描きがナントカ、人間国宝がナントカ、と、見せてはくれるものの粗忽者の娘に着せるのは惜しいらしくて滅多に貸してくれない。
メイドのみやげに箪笥を5棹背負っていくんでしょうね。
でも、その前に必ず着てやる!おほほほ
で、アンティークに手を出しました。
すると、袖丈がどれも微妙に長いんですね。成人式の着物まではいかないものの、小振袖とか、中振袖とかというカテゴリーのようです。
仲間由紀江さんや宮沢りえさんが来ている着物の袖丈が時々長いのもアンティークのことがあるからなんです。最近は、一般的に49cmのように決まっているそうです。
しかし、袖自体が長いとなれば、袖口から見える長襦袢の袖丈も合わせなくてはなりません。最近結構お着物はブームのように思えるのですが、着付けや和裁の知識のある方はともかく、私のように「そこに着物があるから」と言って着ようとしてしまうような方々は、結構お困りなのではないかと思います。
既製品のものは、ほとんど袖丈49cm。着たい着物の袖丈は70cm。
着物の方が短いのならば、詰めれば良いのですが、長い場合は新しく襦袢を誂えるか、長い袖に付け替えるしかありません。
↑こちらのほうが袖が長いんです。
私も、長襦袢の既製品を買って袖だけ付け替えることにしました。
付け替えなければならないのには、もう一つ理由があって、袖付けの位置が高いのです。若い方、身体の厚みのない方は、帯を高めに締めるのですね。ですから、長襦袢の袖付け位置と、着物の袖付け位置が合っていないと、振りという袖の身頃側から長襦袢の袖が出てしまって、それはそれは美しくない姿になってしまうのです。
マニアックな話題ですみません。
因みに、長襦袢の袖を付け替えるというのは、着物の世界ではポピュラーな手法のようでして、「うそつき」という名前で商品化がされています。
ところが、既製品には
1、70cmという袖丈はない
2、化繊のものが大多数
3、麻のものは袖だけで約18000円
私は、化繊だけは嫌でした。
どーしても混紡でもない本物の麻が良かった。
しかし、袖だけで18000円!既製品の麻の長襦袢なら2万円で本体丸ごと買えるのです。
ならば、麻襦袢の反物はどうだろうか?
ヤフオクでも22500円
だったら、お誂えにするっ
たとえ5万円かかっても
でも、着用予定は明後日なのね。無理っ
というわけで、古い麻の着物をほどきました。
袖口から見えることをあれほど嫌がっていたくせに、身頃と袖の色が違います。
残念な感じだけれど、見えないようにきっちり寸法を合わせれば良いのです。
そしてきっちり着れば良いのですっ
今回、自前の着物を着る、というだけで非常にあたふたしました。
普段から着る頻度も増えて、着物も襦袢も帯も、一通り揃ってしまえばこんなにあたふたしないのだとは思います。
確かに、今まで自分では浴衣や普段着の黄八丈しか着たことがなかったので、着物を外に来ていくと言うだけで素材や柄や、合わせる帯や、紐だけでなく、丈も考えなくてはならなくて大変にややこしかったです。
けれども、着てみると本当に女性の身体には良いことばかりでした。
ややこしく面倒に思える素材や、柄や、着物の格も、季節をダイレクトに反映しているものですから、地球のリズムと日本の四季に合わせて生活とおしゃれができるということなんですよね。
時間はかかるだろうけれども、基本がわかった上で粋にはずしたりすることができればスゴク楽しいと思う。色合わせ柄合わせの組み合わせは洋服の何倍も楽しめるんですから。
面倒だからといって、敬遠されてしまうのは本当にもったいないです。
何より良いのは着物の着付けは家元制度にはなっていません。
だから、正式な場面以外では遊びがあっても良いんです。きっと。
だって、衣食住の衣ですもの。
楽しんで着ることができるのが一番のはず。
それで、着物の良いところをたくさんの人が感じてくれて、伝統も技術も、習慣も残っていってくれたほうが良いと思うのです。
【追記】
ブログ バイク呉服屋の忙しい日々 松木茂さま