皆さん、「アムウェイ」って聞いたことあるでしょうか?
一般的には「マルチ商法」や「ねずみ講」として知られていることが多いようです。
アタシも、その程度は聞いたことがありました。
高校時代に仲の良かった同級生がハマっていて、勤め先にまで押しかけられた子もいましたが、アタシは別の友達が連絡先を教えないようにブロックしてくれていて、被害に遭わずに済んでいました。
しかし……
意外なところからつながるものなのですね。。。
先日、「SHOCK」の試写会 へ行ったあと、友達の知り合いに誘われ、お食事会に行ったという話 をしました。
実はそのお食事会、アムウェイの宣伝だったのです……。
ことの始まりは1月半ば。
友達から「週末、知り合いが餃子パーティーしはるから、一緒に行かへん?」というメールが届いた。
基本、暇人なアタシは、誘われたらたいていOKする。
そのときもそうだった。
行ってみると、「何の集団!?」と思うほど、人が集まる、集まる。
最初は女性ばかり7人ほどで料理を作っていたのが、最終的には家族連れが何組もいて、誘ってくれたお姉様自身、夫と子どものいる方だったため、ゆうに20人は超えていたと思う。
そして、使われていた鍋や電熱器に「Amway」の文字……。
「これは無水鍋でね、こうやって材料をいっぺんに入れても大丈夫なのよ」
と、さりげなく宣伝しながら説明してくださるお姉様。
周りの人たちも、器具を相当使い慣れている様子。
(もしかして、みんなアムウェイに入ってるの?)
なんとなくそう思ったのだが、その日は特に、アムウェイの話はなく、カラオケに行ってお開きとなったため、特にアタシからは触れないでおくことにした。
そして翌週、試写会の日、またもやお食事会に誘われた。
今度は前回のように大人数ではなく、友達と、そこのご夫婦・子どもの5人だけ。
グラタンを作り、またまたお鍋のすばらしい性能について説明してくださった。
食事を済ませたあと、いよいよやってきました、アムウェイについてのお話。。。
「アムウェイに対して、良いイメージと悪いイメージを持ってる人がいるんだけど、栞ちゃんはどっち?」
お姉様に訊かれた。
「どっちかというと、悪いイメージですね……」
アタシは正直に答える。
というか、良いイメージがあることすら知らなかった。
「やっぱりね~。どんなふうに聞いた?」
「えっと……ねずみ講って聞きましたけど」
「あぁ~、なるほどね~」
そう言うと、お姉様は、なにやら大きな箱を持ってきた。
そして始まったのは、テレビショッピングさながらの実演ショー!
洗剤やボディソープの他社製品との比較が行なわれたのだ。
「どう? どっちがよく落ちた?」
「あ、アムウェイですね……」
「だよね! これ、明らかだもんね。だからアムウェイの商品は、すごく質がいいのよ。わかってもらえた?」
アタシはうなずく。
お姉様は、満足そうな顔で微笑んだ。
その後、今度は仕組みについての説明が始まる。
アムウェイだけで食べている夫婦もたくさんいるとのことだった。
「買い物に行く手間も少なくなるし、お金も時間も友達も、今よりはるかにたくさんできるから、長期で海外旅行に行ったり、趣味に費やしたり、好きなことがいっぱいできるのよ」
仕事好きなアタシとしては、あまり魅力を感じない話だった。
しかも、月に1万使って、やっとポイントがもらえるらしい。
ということは、物をあまり買わないアタシにとっては、たいしたメリットがないのだ。
それに、お店で価格を見比べて、「あ、20パーセントオフだ! ラッキー!!」などという楽しみがないのはすごく寂しい。
「入会を勧めるつもりは全然ないのよ、それは個人の問題だから。ただ、誤解だけは解いておかないと、私たち変な人に見られたら困るから」
お姉様はそう言った。
少し安心した。
実は、どうやって断ろうか考えていたところだったのだ。
お姉様も旦那さんもすごくいい人だし、友達にも悪い。
だけど、アタシは入りたくない。
アムウェイの批判をするつもりはないし、それこそ個人の問題だから友達に退会を勧めるつもりもないけれど、やっぱりアタシは、自分でいろいろと選びながら物を買いたい。
情に流されて入会するなんてことだけは絶対に避けないと……。
アタシは自分に言い聞かせる。
「ノー」を言えないのがアタシの悪い癖。
これで何度痛い目をみたことか。。。
そして先週末、今度は、「次の火曜日の夜、綺麗になるためのことをいろいろ教えてくれるらしいから、行かない?」と誘われた。
その日は朝から出張が入っていたアタシは、そのセミナーが始まる8時に間に合うかどうかがわからないと答えた。
しかし彼女は、遅れてもいいと言う。
さらに、その日はそのお姉様のおうちにお泊りさせてもらおうというのだ。
そこのおうちは、アタシがいつも利用している駅からものすごく近く、とても魅力的な話。
断る理由もみつからなかったアタシは、行くことにした。
セミナーに行ってみて、わかったことがあった。
アムウェイというのは、ある意味、宗教のようなものだと。
参加している人たちは、いかにアムウェイの商品がすばらしいかを語り合うことによって、ベクトルが同じ方向を向く。
批判は許されない。
というか、批判すること自体、彼らの概念にはない。
こういう言い方をするのは不適切かもしれないけれど、彼らはまるで“信者”だった。
お姉様のおうちにお泊りをして、さらにわかったことは、“お泊り”=“格好の宣伝”だということ。
お風呂を使わせてもらえば、メイク落としや洗顔料から、ボディソープ、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、さらにはタオル、浄水器に至るまで、すべてアムウェイの商品を使うことになる。
それで、商品の良さを実感せよということらしい。
お風呂から上がれば上がったで、化粧水、美容液、乳液、ナイトクリームがしっかりと用意されている。
脱衣場には乾燥機が置かれ、部屋には空気清浄機……。
これでもかというほど、何から何までアムウェイの商品なのだ。
食事の前には、不純物が一切ないという水でサプリメントを摂り、歯磨きをするときには特大サイズの歯磨き粉を使う。
翌朝のメイクも、すべて道具が用意されていて、ある意味感心してしまった。
「カタログに載ってる商品で、うちにないものはないから」
そう自慢げに語るお姉様。
恐れ入りました……。
そんなわけで、この先もダラダラと続きそうなこの関係。。。
どうなることやら。
(ちょっと怖い……)