骨折し、元のように歩けるようになるのは難しいと言われていたにもかかわらず、奇跡的に歩けるようになりました!

所有権放棄、小さめ7kgの黒柴「れんくん」の里親募集です。


※現在はエリカラもコルセットも装着せずに生活できています。
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実はこの記事を書き上げるのに、5日かかりました。


れんくんの放棄の経緯は、皆さん考えさせられる、胸が詰まるものがあるんじゃないかと私は思います。

所有権放棄に対し責める気持ちは一旦すてていただき、長くなりますが是非お読みいただければと思います。


原発事故による被災者の深い深い心の傷を感じずにいられません。


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今回所有権放棄になった「れんくん」は、現在リスタのかかりつけの病院(茨城県高萩市)にいます。

もう退院できる状態ですが、いまリスタで中型犬を受け入れる余裕がないので、まずは病院にいる間に里親募集をします。


病院は病気を治すところ、看護師さんや獣医さんが十分にかまってあげることはできません。

かと言ってリスタシェルターの犬部屋もすぐには空きません。

そんなわけで新しい家族と早くめぐり合わせてあげたいので、シェアのご協力をよろしくお願いいたします。


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先日れんくんの飼い主さんと面会してきました。

とても人の良さそうなおじさんでした。


れんくんの飼い主Oさんは、原発事故の帰還困難区域である大熊町から避難された方です。

震災と原発事故が起きるまでは、奥さんと息子さんと大熊町で暮らしていました。

そしてご家族3人ともが職場を失いました。


奥さんと息子さんと旦那さん、それぞれが新たな仕事のため、3人ともが片道2~3時間かかるところでの生活を余儀なくされています。

その旦那さんが、単身赴任のような形で、ここいわきの仮設住宅で生活されています。


旦那さんは故郷を追われただけでなく、家族とも簡単に会えなくなり、一人仮設住宅での避難生活により心療内科に通うようになりました。


Oさんは犬と暮らしたことはないそうです。

家族と会えるのは3か月に1回くらいで、さみしくて、ペットショップで犬を購入しました。

仮設住宅のなかで一緒に暮らし、心の支えになっていたんだろうと、Oさんとの面会で感じとれました。


れんくんを買ったとき、先のことを考えるとか想像することはできなかったそうです。


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8月のある日、Oさんはリードを繋ぐのに失敗し、れんくんを逸走させてしまいました。


一生懸命探したそうですがみつからず、翌日、田んぼ道でうずくまっているのを近所のひとに発見されました。


うずくまっているれんくんを連れて帰ろうとするOさんや発見された近所の方に、れんくんは噛みつきました。


れんくんは背骨を骨折していました。

激痛で噛みついてしまったんでしょうね。。。


れんくんは背骨がひどく崩れていて、緊急オペとなりました。


当初、手術によって骨折からの激痛からは解放はされても、再び歩けるようになるのは難しいという所見だったそうです。


手術が終わって退院後、排泄には介助が必要な状態でした。

立つこともままならず、コルセットをまいての生活、


60代のOさんは、仕事をしながら、れんくんに噛まれながらお世話をしましたが、その時間のなかで、Oさんは再び精神的にも肉体的にも追い詰められました。


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保健所にれんくんを持ち込むことの相談をし、そして結局は病院に安楽死の相談をされたのです。


病院としては、まだ1歳8か月という若いれんくんを安楽死することはいたたまれず、しばらく病院で預かることにしたそうです。


Oさんと面会したなかで、無責任だとか、なんとか自分で飼育継続しろとか、ひどい飼い主だとか、そういう言葉を放つことは私はできませんでした。

甘いと言われればそれまでですが、、、

Oさんの、震災と原発事故からの状況と心の中を想像すると、かける言葉が見つからずやるせない気持ちになります。


そんなOさんが、ペットに癒しを求め、相棒として傍にいてほしかったという気持ちがわからなくないんです。

むしろわかってしまう、というか、ペットって、落ち込んだ気持ちから救い上げてくれるほどのパワーがあることを知っているので。


れんくんは、震災と原発事故とは無関係の犬でしょうか?

原発事故の二次被害のように私は感じるのです。


Oさんは、フィラリア予防やワクチン、お散歩をちゃんとしていて、新しい飼い主さんがみつかるまでの養育費もだしてくれます。

Oさんを責めることはせず、れんくんに新しい家族がみつかり、そしてOさんが再び家族みんなで同じ屋根の下で生活できるようになることを願ってやみません。


れんくんは病院でリハビリ治療を受け、いまは奇跡的に歩けるようになりました。

歩く距離や速度も改善傾向にあり、後ろ足は以前と変わらない動きになっています。

お散歩では片足をあげるようになり、二か月装着していたコルセットははずすことができました。

しかし排泄のコントロールはまだできず、おむつは必要な状態です。


れんくんは、今でも時々お口がでてしまう時があります。

痛かったときの記憶が強いせいもあるのかもしれませんが、柴犬特有の気質もあるのだろうかと思います。

そのため、犬と暮らすのが初めての方、小さなお子様がいるお宅には不向きと思います。


ちなみにリハビリの先生のことが大好きで後をついてストーカーしているそうです。

私も何度かれんくんとふたりで診察室で過ごさせてもらいましたが、私は噛まれたりなかったし、撫でさせてくれていました顔
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こんな生い立ちのれんくんを家族として迎えていただける方はいませんか?

れんくんは現在、茨城県高萩市の動物病院にいます。


れんくんの里親に関するお申込みは私が窓口になっています。

れんくんを家族に迎えることをご検討いただける方は、こちらの里親募集サイトからお問い合わせください。

http://www.pet-home.jp/dogs/ibaraki/pn136438/


このブログをご覧になっている皆様にも、里親募集情報のシェアのご協力をよろしくお願いいたします。


LYSTA 鈴木