https://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20180218/mog/00m/050/012000c


 66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生は「夢はかなった。取るものは取った。やるべきことはやった」と達成感を示した。また「スケートをやめる気はまだない」とし、「モチベーションは4回転アクセル(4回転半)だけ」と目標を掲げた。

 会見の一問一答は次の通り。

 --今の気持ちを。

 羽生◆ 昨晩はありがとうございました。まず、ソチ・オリンピックの時と違って非常に非常にたくさんの思いをこめてこの金メダルを取りにいきました。そして最終的に自分が思い描いていた結果になり、自分の思い描いていたメダルをかけていることがほんとに幸せです。

 --(海外メディアの質問)重圧のなかどう集中したのか

 ◆主に、メンタルを強くするための勉強をしました。たくさんの知識ができました。スケートができなかったときに、競うための心理学のものなども勉強しました。それはオリンピックに役に立ちました。

 --(海外メディア、質問不明)

 ◆スケートを始めたときに、オリンピックのことは考えていなかったです。4歳の頃、オリンピックを知らなかったから。スケートを始めて、オリンピックを見てインスピレーションを受けてとても驚きました。どれか覚えてないですが、たぶんソルトレークシティー(2002年に米国で開催された冬季五輪)です。本当にチャンピオンになりたいと思いました。何て言っていいかわからないけど、僕のヒーローはエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、ジョニー・ウィアー(米国)、ステファン・ランビエル(スイス)、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)、そしてディック・バトンさん(米国=1948、52年五輪で2連覇)です。彼は偉大なスケーターで、僕は彼のスケートを見ることができませんでしたが、彼はとてもいいスケーターで、僕の連覇を応援してくれました。彼に感謝しています。3連覇にトライするか分からないですが、今、僕は本当にこのタイトルに満足しています。

 --(海外メディア)プーさんがたくさん投げ込まれたが。

 ◆プーさんは森に帰します(笑)。すべて持ち帰りたいですが、できません。ふだんはスケート連盟や、他の団体、子供のチームに寄付しています。僕は思い出のために、何個か持って帰ります。

 ◆(日本語ができる海外メディアが質問しようとしたのに対して)ジャパニーズ!

 --(海外メディア)昨日はインタビューなどもあったと思うが、どう祝ったか。今朝の気持ちは。

 ◆あまり寝られていないので、家族やチーム、(練習拠点にしているカナダの)クリケットクラブのメンバーと祝うと思います。フリーを滑る前と今の気持ちはかなり違います。なぜなら、昨夜、夢がすでにかなったからです。金メダルにほんとに満足してます。

 --競技以外でトライしたいことは。

 ◆とりあえずスケートをやめる気はまだないので。ただ、先ほども言ったように夢はかなったという気持ちはありますし、やるべきことはやれたなという実感もあります。すがすがしい気分でもいます。ただ言ってみれば、またやりたいことはスケートの方では残っていると思います。スケート以外のことで何かしゃべれるとしたら、一瞬今考えましたけど、一周まわってきてやっぱりスケートのことだったので、ほんとに今まで人生をスケートに懸けてきてほんとに良かったと心から言えますし、これからもうちょっとだけ、もうちょっとだけ自分の分の自分の人生をスケートに懸けたいなと思ってます。

 ---スケートでもう少しやってみたいことは。4回転アクセル(4回転半ジャンプ)もあると思うが。

 ◆はい。先ほども質問に出たように、4回転アクセルをやりたいなと思ってます。それは前人未到だとか、たぶん小さい頃の自分だったら前人未到だからとたぶん言うと思いますけど、ただ今の僕の気持ちとしては自分にとってやっぱ最後の最後に支えてくれたのはトリプルアクセルだったんですけど、やっぱりアクセルジャンプというものに懸けてきた思い、時間、練習。質も量もすべてがどのジャンプよりも多いし、何よりも僕の恩師でもある都築(章一郎)先生が言っていた言葉は「アクセルは王様のジャンプだ」と言ったので、そのアクセルジャンプを自分は得意として、そして大好きでいられることに感謝しながら、4回転アクセルをちょっと目指したいなって思ってます。

 --ソチ五輪が終わった後、青写真を描いてその通りにいったのか。スケートを終えた後に何をやりたいか。

 ◆まずキャリアを終えてからの自分のやりたいことを。僕はまだまだ英語が下手くそだし、もっと勉強しなきゃいけないこともたくさんあるし、もちろん日本でもまだまだいろんなことがたくさんありますし。世界中でいろんなところを回りながら、スケートで、本気で1位を目指している人に何か手助けをしたいなと思ってます。僕はこうやって幸いにも日本で最初に練習して、最終的にはカナダで練習することになって、いろんなことを学べたし、何よりも今現在のフィギュアスケートの技術だとか、演技だとかそういった分野のなかで、幸いにも一番上のところにきたというのは自分が胸を張って言えるので、そういった経験をみんなに伝えるお仕事ができたらなと思ってます。それはもうコメンテーターでもあるのかもしれないけれども、でもテレビというよりはできれば直接、選手の手助けをしたいというふうに思ってます。後はなんでしたっけ……、ごめんなさい。4年前から今日までっていうやつですね。(青写真は)全然ですね。19歳の時に(ソチ五輪の金メダルを)取った。あれからすぐに世界選手権があって、あの時で一番覚えてるのは、やっぱりメディアでもいっぱいとらえられて、自分もいっぱい見たので覚えてます。ソチ五輪を終えて、一番最初に何がしたいですかと聞かれて、練習。サルコウの練習、って言いました。フリーのリベンジがすごくしたくて臨んだ世界選手権で、そしたらサルコウの練習ばっかりしてたら、ショートプログラムで絶対の自信を持っていた4回転トーループでミスをしてしまって非常に悔しかった。そしてフリーで何とか挽回して優勝できた、そういう記憶があります。その一番の最初の試合から、(2014年秋の)中国(杯のけが)があって、そして手術もあってねんざもし、ほんとにけがと病気とそういったものにずっと苦しみながらこの4年間を過ごしたんですけど、それは思い描いてなかったですね。はっきり言って。思い描けなかったですし。でもですけど、正直に言えるのはこうやってもし何もなくて、NHK杯でけがをするまでほんとに順風満帆で何もなくてうまくいってたとしたらたぶんオリンピックでは金メダル取れてないです。やっぱりそういういろんな経験があったからこそ、いろんな勉強ができたし、いろんなことを学べたし、それを生かせたのが今回からのけがからの復帰だと思ってます。

 --4回転アクセルは右足首にかかる負担はこわくないか。どれくらいで習得できると想定しているか。

 ◆右足の負担は正直いって大きなものになるとは思ってます。実際にここまで来るのにあたって4回転ループがまず跳べたのが移動する前日、そして4回転ルッツに関してはまったくやらず、トリプルジャンプ、トリプルルッツが跳べるのもほんとにぎりぎりだったので、痛みとの闘いのなか、なんとか、なんとか跳べるようになったという段階だったので、そのジャンプを一応どうしていくかわからないですけど、4回転アクセルに関しては右足首の状況を見ながら、習得を目指していきたいなというふうに思ってます。正直いってやっぱり今、若干満足しちゃってるので、自分が。きっとたぶん今、幸せだからまたすぐ不幸がたくさん起きて、きっとすぐまたつらい時期が来るんだろうなって。ただそれは次の幸せのためのステップだと思うので、ケアも治療もリハビリもすごくすごくつらいときだっていうのは分かりますけど、そういうものに専念できる時間がとれたらなというふうにも思ってます。

 --もうちょっと滑りたいと言うが、次に進むモチベーションというのはすぐに出てくるのか。ソチの後は休まなかったが、この後は休む選択はなく続ける予定か。

 ◆足首次第です。ほんとに痛み止め飲んで、注射が打てればほんとはよかったんですけど、注射の打てないような部位であって、痛み止めなんとか飲んでというような感じだったので、はっきりいって、今状態がちょっとよくわからないです。ただ、はっきりと言えることは、痛み止めを飲まない状態では到底ジャンプが降りれる状態でもないし、跳べる状態でもないっていうのは分かってます。なので、治療の期間がほしいというふうには思います。ただそれがどのくらい長引くのか。あとはアイスショーの関連とかもありますし、やはりせっかく金メダルを取ってきたからこそ、いろんな方々にすぐに伝えたい。すぐにみんなに笑顔になってもらえるような演技がしたいというふうにも思ってはいるので、そこは前向きに検討してみますが、競技としてというところを考えると、ちょっとやっぱり治療の期間が必要だなというふうには思ってます。

 またモチベーションに関しては、スケートをやめたいとかっていうことはまったくないです。何よりモチベーションはすべて4回転アクセルだけなので。もう取るもの取ったし、やるべきこともやったと思ってます。あとは小さかった自分の頃に描いていた目標、夢じゃなくて目標をかなえてあげる。それだけかなと思っています。

 --足の状態はどこまで回復したか。(けがしてから)3カ月間はどんな心理状況だったのか。

 ◆けがの状態についてははっきりいって詳細がよくわからない状態です。検査もちゃんとしたんですけど、元々(けがを)していて、靱帯(じんたい)が損傷してしまっていた部位、またその時にやってしまった方向があまりにも複雑すぎて簡単には分からなかったというのもあり、いろんな痛みがでてきてしまって、正直いってどれがどこまで痛んでるか、そして何の治療がいちばん最適なのか、ちょっとわからない状態です。これくらいにしようか……(笑い)。

 3カ月間のメンタルに関しては、なんて言ってほしいんですか…。特に自分の心、自分の頭がネガティブな方向に引っ張られることはなかったですけど、環境、状況、状態、条件、そういったものに外的要因からすごくネガティブな方向に引っ張られました。それだけやっぱりスケートにいろんなものを懸けたし、いろんなものを捨てたし、スケートだけでいいやとほんとに思ってるんで、だからたまにスケートをやめなきゃいけなくなったらどうしようってまでも思ってましたし、実際に今もどう出るかちょっとわからない状態なので、ちょっと複雑な状況です。

 ただこういう質問で終わるのもあれなので、うん。やっぱねぇ、明るい話なんで、僕の場合は。なんかこうやってスケート滑れてほんと幸せです。オリンピックのマークがあって、こんなにたくさんの方々に応援してもらえて。ほんとのほんとの気持ちは嫌われたくないってすごい思うし、いろんな方に見られれば見られるほど、いろんなことをしゃべればしゃべるほど嫌われるし(笑い)、いろんなこと書かれるし、なんかうそみたいな記事がたぶんこれからもっともっと出てくるんだろうなって思います。ただ、僕がしゃべったこと、僕がつくってきた歴史、それは何一つ変わらないし、自分の中で今回は誇りを持って、ほんとに誇りを持って、オリンピックの金メダリストになれたと思ってるので、これからの人生、オリンピックの金メダリストとしてしっかり全うしたいと思います。ありがとうございました。



ほんとにほんとに凄いです!!
ゆづ、おめでとう!!!!
ゆづが幸せを得たと言ってくれて
とっても嬉しかったし、今までの苦労が実って本当に良かったと思いました。
何よりもゆづの幸せが一番ですから、、、

そして、こんなにすごい感動を私たちにくれて、
幸せをありがとう!!!!