大好きなお父さん

お父さんが
いなくなる事が怖かった

細くなった足を
力の入らなくなった手を
マッサージすると

「昨日より太くなったか?」と聞く、父

「現状維持やな」と答える、私

だんだん、食べ物が喉を通らなくなって
むせて痰がからんで

母がその度に痰を機械で取り除き
身体を拭き、お下の世話をして

すまなそうにする父に
「お父さんがいるから私は生きていけるんやで、後10年は生きてや」と笑顔の母に

頑張って、頑張って、生きようとした父

亡くなる3日前からは、水分も取れなくなり

水分も食事も取れないから
痰や咳はおさまり

穏やかな寝顔を見せてくました

今、思うと
母に休む時間を作ってくれたんやなぁと

息をひきとる瞬間は、お母さん、お姉ちゃん
旦那さん、長男、次男
皆んなに、囲まれて

大好きな自宅で、愛用しているベッドで
大きく、呼吸を2回して
静かに逝ってしまいました

皆んなで父の身体を拭いて

告別式の前に
浄土への旅支度も、私達でさせて頂きました




お父さん

もし、来世があるのなら

また、お母さんと出会って

お姉ちゃんと、私を
その手で抱きしめてね



ありがとう

お父さん