ドラえもんの『どこでもドア』で行きたいところへ瞬時に行けたのなら便利ですが、旅の道中の色んなトラブルを乗り越えることが出来ないので、頭に記憶として残るインパクトとしては薄いそうです
今回の沖縄旅行のスタートはまさに人生の記憶に残るトラブルから始まりました
毎年恒例の家族で沖縄にある別宅へ5日間旅行スタート
この時期にしては珍しく3つの台風が重なり、今回諦めてたんですが、とりあえず休み取ってるし空港に向かってみて、ダメだったら違うとこ旅行行けばいいやと思って軽い気持ちで行ってみました
そしたら…なんと
条件付きで神戸空港から、飛行機が飛びますとのこと
その条件とは
とりあえず神戸空港から出発し、沖縄まで行ってみて、機長が着陸を何度か試みてダメだと判断したら、神戸空港戻りますという条件
まぁそれはそれでアトラクションみたいでダメもとでおもしろやん
プラス思考で何でもどんな状況でも楽しむよう主人や子供をしつけてるんで、こんな時こそワクワクドキドキ
ってことで飛行機に搭乗
神戸は晴れていたんで、問題なくいつものように離陸し、鹿児島上空過ぎた辺りから揺れが段々激しくなって、沖縄まであと20分の着陸体制に入ったとたん、尋常じゃない揺れと共に激しい暴風雨の台風渦の中へ飛行機が突入
ひじ掛けを握りしめてないと、体が上下左右に叩きつけられるほどの激しすぎる揺れ
今までの人生で幾度となく飛行機乗ってますが、こんな激しい揺れは生まれて初めての経験で、機内は乗客の悲鳴が上がってパニック状態
娘と私は手を握って怖がる娘を勇気づけながら『大丈夫、大丈夫』と言い聞かせ祈るばかり
すると、もう海も目の前空港もすぐそこのところで、急に飛行機が勢いよく上昇するではありませんか
心のなかで『やっぱりダメだったから神戸空港戻るんだ…』って言うか無理せず戻ってくださいって思ってました
すると機内放送でキャビンアテンダントさんが、『ただいま着陸を試みていたところ、那覇空港閉鎖されてたため着陸出来ず、一旦上空で機長の判断待ちですので、暫く上空で旋回致します』とのこと
いやいや、もういいから神戸空港帰ろうよ
と心で思ってはいましたが、ここは飛行機の中で、しかも台風9号渦のど真ん中どうすることも出来ないし、機長に命預けて腹をくくって目を閉じてひたすら30分台風の渦のなか空港上空旋回
まるでダイハードの気分…怖い怖い
やっと機内放送であと５分後に着陸予定ですので、お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、激しい揺れと暴風雨のなかチャレンジしますとのこと
もう30分以上あれだけ激しく揺れたら、不思議なことに体ってマヒしてどうでもいいわって腹くくれるもんですね
機体が上下左右に揺れて、飛行機の羽根が地面スレスレで当たるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、機長が上手くバランス取りながら何度も着陸に挑戦
機長も満席の乗客の命をまもるため必死です
5分の予定が倍の10分もかけて、そんじょそこらの絶叫ジェットコースターの何千倍も怖い思いして、やっとの思いで着陸成功
その瞬間乗客から拍手喝采と歓声が巻き起こって、機内が一体となり喜びを噛み締めました
通路挟んだ隣のご婦人が私に握手を求めてきたんで、『良かったですね』って握手をし、主人と息子は私たちの前の座席だったんで、『スゴかったな！』と言いながら、息子の様子を聞くとずっと震えてパパの腕にしがみついてたって言うんで、息子の顔を覗き込んだら顔面蒼白
今にも吐きそうだったんで、エチケット袋渡したら直ぐに吐いてスッキリした様子
もぉ～パパちゃんと見てあげてよ
パイロットって改めて凄い職業だと思ったし、プロの根性見せつけられました
あそこで躊躇したり根性ないパイロットだったら、新聞やニュースに載るような大事故になりかねませんから、機長を信じて身を任せて良かったです
ということで、沖縄無事に着けただけで旅がほぼ終盤迎えたんじゃないかってぐらい疲労困憊の達成感なんで、後の旅がいつも以上に普通に感じられ、行きの恐怖体験の思い出でいっぱいな旅行となりました
こんな経験も子供が大きくなったとき、『あのときスゴかったな』って話題にあがるような思い出となるでしょう
後で知った話ですが、あの日あの時間の飛行機のほとんどがUターンして元の空港に戻ったらしく、そのため那覇空港一時閉鎖情態で、私たちの乗った飛行機のパイロットだけは勇気ある決断と行動で着陸に成功したとのこと
腕のいいパイロットで本当に良かったです
命の大切さと日々の普通の暮らしに改めて幸せを感じた旅行となり、生きてるだけで丸儲け主義な結果オーライの旅のスタートとなりました
５日間携帯電話はオフしてSNSから離れ、思いっきり沖縄満喫して来たんで、今日から通常の業務頑張るぞ
Youme/ユーミ驚異の晴れ女パワーで、行くとこ行くとこ雨が上がり、傘を一度もさすことなく5日間過ごせて良かった