幼稚園に入りたての頃、親戚の家へ遊びに行った。名前は忘れたがちょいと太めのお姉ちゃんがいた。彼女は園児の私に少女コミックを読ませる無茶苦茶なヲタクであった。付録に釣られた私は園児の頃から少女コミックを買い始めた。好きが転じて読むだけでなく絵をトレースして遊んでいた。おかげで一目おかれるほどの画力までになった。


そうして本題に入るが今から10年前まで遡る。私が小学3年生だった頃の話をする。


昼休みはよく絵を描いていた。いろんな女の子がちょいちょい見に来た。そんな中私の画力を羨ましく思ったのか知らんが一人、クラスの中心的なスポーツ女子(以後Aとする)が私に絵を教えてほしいと相談しにきた。その子は外遊びしている印象しかなかったので驚いたが私は快く引き受けた。

とりあえず独学であったがキャラクターの描き方や双子の描き方や男の子の描き方などを教えた。私がお手本を書いたものを何回かトレースさせ、次は手本なしに描けるかのテストを行った。小3にしては本格的に教えた方だと思う。

Aの画力は上がった感じはなかったが楽しんで私の授業を受けてくれた。それが嬉しかった。

それを見かけた一人のお友達が参加したいというので私は快く引き受け教えた。

後に一人、また一人と私の授業の生徒が増えていった。

しかしAは私の元へ来なくなっていた。いつものようにボールを持ってグランドへ駆けていく様子が見受けられた。


その日の昼休みもいろんな生徒に描き方を教えていた。するとAが私の元へ来て一言言い残してどこかへ行ってしまった。

「絵が上手くなっても楽しくないのにまだやってんの?」

その一言にいろんな疑問が湧いたが私はその一言でこの授業を辞めた。何人かに何故辞めたのか聞かれたが何故か答えたくなくて答えなかった。




この苦い思い出と共にAと中3まで過ごしたが後にコイツは腐女子と化し、私は仕方なく許した。という一連をふと、思い出した