ずっと共演することを夢見ていた人だった。
知り合いが共演していた作品を見た時は、羨望の気持ちが抑えられなかったほどに。
永遠に叶わなくなってしまった。
しなやかで、技術を超えた佇まいは、世界を見渡しても唯一無二の存在だった。
撮影中に訃報を聞いて、今この瞬間は偉大な女優が生きられなかった時間だと思い、身が引き締まった。
お会いすることはできなかったけれど、映像を通じて人間の可能性を教えてもらっていた。
樹木希林さんのいたこの世界と、仮に初めから存在していなかった世界とでは、僕は少し違う人間になっていたと思う。
それほどまでに、影響力のある存在でした。
どうか安らかにお眠りください。