合掌










蜷川幸雄さんの、お通夜から 先ほど 帰ってきました。

盛大なお通夜でした。

どこかで 蜷川さんが

「ちょっと、照明 明るすぎるんじゃないか?」とか

「客、入ってるのか?」とか 自分の葬儀まで演出しているような。

そんな声が聞こえてきそうで、たまりませんでした。


お焼香が終わってから、

蜷川実花さんが 役者やスタッフのために用意してくださった部屋で、

皆で 献杯をして、ご馳走をいただきました。

200人位いたのかな。

大家族のように。

その中にね。

竜也、小栗くん、鋼太郎さん、阿部寛さん、長谷川くん、綾野くん、堤くん、

鈴木杏ちゃん、寺島しのぶちゃん、大竹しのぶさん 他


これで、何本、舞台ができるの?映画、何本 公開できるの?

というような 日本の演劇や映画を支える柱のような人たちが、わんさかいました。


みんな、帰らないんだ。。いつまでも。。

いつの間にか、そのメンバーが お焼香の終わった斎場に移動して。

ご遺族の方々のご厚意で、蜷川さんのお顔にご挨拶が出来ることになった。

お焼香の時と同じように、また 列ができた。

スタッフも、役者も、一人ひとり 本当に一人ひとりが

蜷川さんとのパーソナルなエピソードがあるんだ。

だから、本心で、並んでいる。

ひとりひとりが、蜷川さんのお顔に話しかけ 祈り さよならのご挨拶をする。


その光景は、圧巻でした。

いつまでも続く列に、

本当に 分け隔てなく どんな役者も どんなスタッフも

惜しみなく愛していたのだなあ。と、改めて 感動しました。


私は、2回 並んでしまいました。

みんな、帰りたくない。

お父さんのいる部屋にいたい。

そんな感じで、斎場が閉まる9時まで ずーっと いました。



「ゴッド ファーザー」


まさに、そういう人だったのだなあ。改めて 思いました。 


蜷川さんは、とても 本当に 安らかな 綺麗な お顔をして

眠っていました。

かっこいい Yシャツ を着ていました。

棺の上には、これから演出するつもりだった台本が5~6冊

置かれていました。