野代酒店 2020 初夏
前回の記事が“最近飲んだヴァン・ナチュール”ということは、飲んだ分だけ(ネットでも買えるけれど)酒屋さんに行っているわけで、
Cindyの場合の“酒屋さん”といえば・・・ここ数年、栃木県佐野市にある奇跡の酒屋(←?)こと野代酒店さんになるのです!!
毎月のようにお邪魔して、ワインを購入するついでにその時入荷したばかりのワインを撮影させてもらっているのです。
野代酒店
栃木県佐野市が世界に誇る(!)ヴァン・ナチュールの聖地こと野代酒店さんですが、近隣にお住まいでない方でも大丈夫。
一番下に記載したHPから通販ショップに入っていただければ、Cindyが紹介しているワインをネットで購入できます!!
しかも、他の酒屋さんに負けないラインナップ&(たぶん)業界最安値のプライス・・・本当に早い者勝ちです!!
野代酒店さんといえば壁一面に並んだワインがトレードマークですが、お邪魔するたびにワインが増えていく一方で・・・
ついに今回(前回もですが)はお店の軒先で撮影することに・・・
ちなみに5月中旬訪問の今回のラインナップですが、①イタリア、②フランス、③ジョージアの順になります!
Tröpfltalhof
トロプフルタルホフ
まずはイタリアのナチュールから紹介していきますが、トップバッターは舌を噛みそうな名前のトロプフルタルホフの白×2種です。
トレンティーノ=アルト・アディジェという聞きなれない地域のワイナリーですが、むしろイタリア最北端の州といった方がピンとくるかな?
オーストリアやスイスと国境を接している州ということもあって、ガルダーロ湖という湖を見下ろす標高500メートルの地に畑があります。
ヴィオニエを大樽で醸造した“Le Viogn”とソーヴィニヨンをアンフォラで醸造した“Garnellen”ですが、アンフォラは今回の“裏テーマ”です!
Colle Florido
コッレ・フローリド
続いては、イタリア中部のアドリア海に面したアブルッツォ州のワイナリー、コッレ・フローリドの赤&白になります。
アブルットォのワインらしく、赤がモンテプルチアーノで白がトレッピアーノといった伝統的な品種を使ったワインですが
2016年のヴィンテージから醸造を開始した若いワイナリー・・・いつか、ヴァレンティーニのような存在になってほしいです!
A.R.PePe
アール・ペペ
イタリア3番目は、イタリア第2の都市ミラノを擁する北部の中核ロンバルディア州のアール・ペペの赤です。
隣りがピエモンテ州ということもあって品種はバローロ&バルバレスコでお馴染みのネッビオーロになります。
Il Colle
イル・コッレ
さらにイタリアが続きますが、ここでいよいよトスカーナのヴァン・ナチュール・・・しかも、“ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ”が登場!
何と、このイル・コッレの“ブルネッロ~”ですが、かの“ソルデーラ”や“ペルゴレ・トルテ”、“ポッジョ・ディ・ソット”などを手掛けた
伝説的“エノロゴ”こと、ジュリオ・ガンベッリの手によるものとのこと・・・上記のワインよりリーズナブルなのでお早めに!!
MENTI
メンティ
イタリア最後のキュヴェは、水の都ヴェネツィアで有名なイタリア北東部ヴェネト州のメンティの微発泡の白になります。
この“ロンカイエ・スイ・リエーヴィティ”も、他のキュヴェと同様、土着の品種であるガルガーネガを使用しています。
北部~中部イタリアを巡るラインナップになりました・・・あとシチリア&サルディニアがあればイタリア一周旅行!?
LUCIE COLONBAIN
ルーシー・コロンバン
次にフランスのナチュールになりますが、まずは細長いボトルが特徴のアルザスからルーシー・コロンバンの“ピノ・ノワール”です。
ルーシー・コロンバンって誰?と思われるかもしれませんが、実はナチュール界の巨匠ブルーノ・シュレールが知り合い(叔母さん?)の
畑を譲り受けて始めたワイナリーとのことで、ジェラール・シュレールのファンも注目の一本・・・しかも、“ピノ・ノワール”ですよ!!
Alice et Olivier De Moor
アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール
続きましてはブルゴーニュ地方シャブリのナチュール生産者、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールになります。
アリス・エ・~のシャブリでは以前“ロゼット”を紹介しましたが、今回は何と一気に4種類も入荷しました!
Domaine Sylvain PATAILLE
ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ
続いてもブルゴーニュ地方からマルサネを本拠地とするドメーヌ・シルヴァン・パタイユの“ブルゴーニュ・アリゴテ”です。
ひと昔前は“シャルドネの廉価版”と揶揄すらされたアリゴテですが、ここ最近の価格の高騰っぷりには本当に驚かされます。
2001年スタートの比較的まだ若いドメーヌですが、近い将来、この“ブルゴーニュ・アリゴテ”もお高くなっちゃうのかな・・・
LES MAOU
レ・マオ
今度はローヌ地方のレ・マオから赤×3&泡の4種類を紹介します。
ナチュール生産者は他の職業を辞めて始める人が少なくないのですが、
このレ・マオを立ち上げたヴァンサンの前職は、何と科学研究者とのこと・・・
自然のことに興味を持つと、ヴァン・ナチュール造りにたどり着くのでしょうか?
Christian Venier
クリスチャン・ヴニエ
そして、フランスの最後を飾るのはロワール地方のドメーヌ、クリスチャン・ヴニエです。
今回は数種類入荷した白から“PERRIÈRES”と貴重な赤の“la PIERRE aux CHIENS”を紹介。
実は、上記で紹介したフランスのナチュールから1本購入しました・・・後日、紹介したいと思います!
PHEASANT'S TEARS
フェザンツ・ティアーズ
3番目に紹介する国は、ここ近年、ナチュール好きな方たちに注目されているジョージアのワインです。
ジョージアといってもアメリカ合衆国のジョージア州ではなく、黒海に面した旧ソ連から独立した
ジョージア(国家)のことで、かつてはグルジアとも呼ばれていました。なんでもジョージアは
“ワイン発祥の地”とのことで、約8000年前(!)にワインが造られていたとのことです。
その製法はアンフォラと呼ばれる甕を地中に埋めて醸造する“クヴェヴリ”というもので、この製法で
造られたワインは綺麗なアンバー(琥珀のような色)と独特の薫り&舌触りがファンを魅了します。
イタリアのフリウリ地方でのナチュール生産者をはじめ、近年、各国で注目される製法です。
そんな、ジョージアの最新ナチュールを紹介していきたいと思います。
Enek Freya Peterson
エネク・フレヤ・ピーターソン
Zaza Darsavelidze
ザザ・ダルサヴェリゼ
Lagazi
ラガジ
Golden Group Okro's Wines
ゴールデン・グループ・オクロ・ワインズ
GIORGI NATENADZE
ギオルギ・ナテナツェ
野代酒店
栃木県佐野市久保町 230-2
0283-22-2067
定休日 日曜日
最近飲んだヴァン・ナチュール
先月のレポに引き続き、ここ数ヵ月で飲んだヴァン・ナチュール(ざっくり言って“自然派ワイン”)がたまってきましたので、
“第2弾”を紹介したいと思います。例によって野代酒屋さんで購入していますので、お店で撮った写真も載せたいと思います。
“第1弾”はボジョレー中心でしたが今回はラングドック&ジュラ&ローヌ&サヴォワとバラエティに富んだラインナップになりました!
前回と同様、ワインについての説明と感想は短めにして写真を中心に載せていきたいと思います・・・
La Fontude / Carnaval 2018
ラ・フォンチュード / カルナヴァル 2018
パリで環境アドバイザーをしていたフランソワ・オーブリーが2003年、ラングドック地方に移住して始めたワイナリーがラ・フォンチュードです。
「カルヴァナル 2018」はサンソーを使ったロゼワインですがキャンディーレッドが何とも可愛らしくて・・・薫りもチェリー&フランボワーズ!
Domaine de l'Octavin / Zerlina 2016
ロクタヴァン / ゼルリーナ 2016
ここから近年ナチュールファンの間で大人気のジュラ地方(恐竜でお馴染みの“ジュラ紀”の語源になったフランス東部)のキュヴェが続きます。
まずは、そのジュラワインの中でも特にファンの多いドメーヌ・ロクタヴァンの「ゼルリーナ」が登場・・・たしか年末ということで奮発して購入しました。
ロクタヴァンのワインにはモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』の登場人物から名付けられたものが多く、「ゼルリーナ」もそのひとつ。
他にも、「コマンタドーレ」や「ドラ・ベッラ」、「パミーナ」などなど・・・オペラ好きな方にはたまらないネーミングのワインがあります!!
DOMAINE DES CAVARODES / CÔTES DU JURA Chardonnay Les Lumachelles 2015
キャヴァロド / コート・デュ・ジュラ シャルドネ 2015
さらにジュラ地方のワインをもう一本・・・こちらはシャルドネになりますが、ジュラ地方はブルゴーニュ地方と隣接している関係で、
ピノ・ノワールの赤とシャルドネの白がラインナップされ、今回のキャヴァロドもシャルドネの白が入荷したので購入しました。
ただ、ジュラ地方にはその他にも赤ワイン品種のプールサールとトゥルソー(先ほどの「ゼルリーナ」がトゥルソーです)、
白ワイン品種のサヴァニャンという土着の葡萄が栽培されていて、とくにサヴァニャンで造る「ヴァン・ジョーヌ」は
ファン垂涎のキュヴェでも有名・・・実はCindyもサヴァニャンを期待していて次回は是非リベンジしたいです。
お店で撮ったずらりと並んだスタイリッシュなラベルのワインは・・・ローヌが生んだ次世代のカリスマ、セバスチャンの“アド・ヴィヌム”!!!
その中でも、「BIM」と並んでCindyがアド・ヴィヌムを知るきっかけとなった「LEVAT」を購入しました!!
AD VINUM / LEVAT 2018
アド・ヴィヌム / レヴァット 2018
ローヌ地方の有名なロゼワイン“TAVEL”をもじって名付けられた「LEVAT」(つづりを逆にしています)は、
使っているブドウの産地の関係で“TAVEL”のアペラシオンを名乗れないことから付けられたとのこと。
ただ、うっとりするようなキャンディーカラーと口の中でふわっと広がるフランボワーズの甘い薫り、
さらに時間が経つにつれてより一層広がる華やかな甘さは、本家を凌ぐクオリティ・・・さすが、
次世代を担うセバスチャン・・・ラングロールのエリックの後を継ぐのはキミしかいない!?
DOMAINE ANTOINE COULY / COCAGNE 2017
アントワーヌ・クーリィ / コカーニュ 2017
最後に登場するのは、フランス東部(スイスとの国境付近)のサヴォワ地方のアントワーヌ・クーリィの「コカーニュ」です。
この「コカーニュ」がアントワーヌ・クーリィの初ヴィンテージのワインということで、彼のデビューキュヴェになります。
ところで、「コカーニュ」という名前とラベルの不思議なイラスト(大樹に様々な食べ物が実っている)ですが・・・
“コカーニュの国”という中世ヨーロッパの伝説から取られたとのこと・・・ギュッと凝縮した豊かな味わいは、
まさにコカーニュの大樹のような様々な複雑さを感じさせてくれます・・・これがデビュー作だなんて・・・
急ぎ足で5本のキュヴェを紹介しましたが・・・実は、まだ未紹介のワインが何本もありまして、“第3弾”も近いかも!?
野代酒店
栃木県佐野市久保町 230-2
0283-22-2067
定休日 日曜日
呑龍文庫 ももとせ
初夏の花を撮り終えた後は、お楽しみのくつろぎタイム・・・参道沿いにある呑龍文庫ももとせさんは大光院散策には欠かせないスポットです。
昨年はGWの時期に訪れて、その前に旧新田町の反町館跡で藤の花を撮影しました・・・今年は藤の花を見る機会がありませんでしたね・・・
実は、呑龍文庫ももとせさんも新型コロナウィルス対策によりGW期間の前後を休業していて、再開の情報を知ってお邪魔しました。
大光院の正門ともいうべき吉祥門をくぐって表参道に出ますと・・・休日の午後にも関わらず何とも長閑な風景が広がっています。
コロナ自粛解除直後ということも無くはないのですが・・・これまでいつ訪れても概ねこんな感じで、こののんびりしたところも
かえって大光院が好きな理由の一つにもなっているのです。吉祥門の正面のお土産屋さんはちゃんと開いていました!
呑龍文庫 ももとせ
のんびりした空気が流れている参道を歩くと、程なくして(たぶん)呉服店を改装したスタイリッシュな建物が現れます。
元々の建物に木目を上手く融合させるセンスの高さは、さすが都内でデザインをされてきたオーナーさんだと感心します。
大きな市松模様の暖簾がそよ風に揺れて、店内が見え隠れしますが・・・入口のガラス戸は換気のため開け放たれていました。
冒頭で“くつろぎタイム”と綴りましたが、コロナの影響はまだ大きく、店内での飲食については座席を減らしての予約優先で、
さらには1時間ごとの入れ替え制になっているとのこと・・・気兼ねなくゆったり寛げる日はもう少し先になりそうですね・・・
短い時間でも、このお店のシノワズリモダンのテーブルセットやミッドセンチュリーのラウンジソファーは癒されます・・・さらに・・・
何と言っても壁一面を埋め尽くす本棚は圧巻のひと言・・・今日はどの本にしようかがオーダーの待ち時間のお愉しみなのです。
そしてもう一つ、茶碗や急須などの茶器はもちろんコーヒーグッズなど全国から集まった逸品揃いのコーナーは、
購入できるばかりか素敵な意匠を眺めるだけでも目の保養になり、スペシャルなギャラリーでもあるのです。
しかも・・・何と、抹茶をオーダーするとディスプレイされている中から好きな茶碗をチョイスして実際に使うことができるのです!!
お愉しみだらけの呑龍文庫ももとせさんの極めつけは、週替わりの“上生菓子”!!
今回は、ももとせさんのSNSを見て事前に決めてきました。
【週替わりの上生菓子】
5/21 木曜日 - 5/25 月曜日
小満 「蚕起食桑」
銘: #紅花 (べにばな)
茶巾絞り、こし餡
紅色の染料となる、紅花。
中国の呉から伝わった染料、という意味で
古くは和名を「呉藍(くれのあい)」といいました。
それが転じて「紅(くれない)」になったのだとか。
繊細なきんとんが本物の花弁のよう。
※ ももとせさんのSNSより引用
太陽の運行ごとに季節の移り変わりを24に分けた“24節気”に合わせて替わるももとせさんの上生菓子は、
古来より繊細な季節の移ろいに敏感に反応し、表現してきた日本の伝統文化ならではで、Cindyが訪れた週は
陽気が良くなり草木が成長して茂るという意味の“小満”・・・そんな季節の一瞬を見事に表現した淡い緑が綺麗です。
さらに、説明にもあった紅花の花弁を模したきんとんの繊細な美しさは、崩してしまうのが勿体ないくらいですが・・・
竹串で半分に割ると、中から薄紫色のこし餡が顔を覗かせます。そして、それぞれの餡の何と繊細なこと・・・
餡の滑らかな舌触りの食感は舌に載せるとやさしくとろけて口の中に広がって儚く消えていきます。
消えていくのと同時にこし餡のやさしい甘さと仄かな風味がふんわりと・・・本当に繊細です・・・
繊細な上生菓子に合わせるのは、宇治 丸久小山園の「彩雲」・・・表千家の而妙斎家元から茶銘を携わったというブランド茶になります。
ふんわりクリーミーに点てた抹茶はメニューにある通り甘さと苦みのバランスが絶妙で上生菓子のきんとんにもよくマッチしていました。
今度お邪魔するときは・・・時間を気にせずゆっくりまったりしたいですね・・・
呑龍文庫 ももとせ
群馬県太田市金山町 14-7
0276-55-5460
13:00-19:00(L.O.18:30)
定休日 火・水曜日